将臣と南国に来て数ヵ月。いよいよ雨の季節が巡ってきた。 望美たちが産まれた世界とは違い酸性雨だとか、紫外線による皮膚の劣化を心配することのないこの世界。天気を楽しむ余裕を芽生えている。 厚い鈍色の雲に覆われ、薄い心許ない光が地上に降り注いでいる。降る雨も何故か優しい。 木で出来た窓の外を見ながら、望美はいつしか歌を歌っていた。誰もが知っているあの雨の歌を。 「…懐かしいな」 漁の仕掛けを作りながら、将臣がぽつりと呟いた。 「よくふたりで歌ったよね。雨が降ったら、手を繋いで。幼稚園ぐらいの時だけれど」 小さな頃から空気のようにふたりは一緒だった。懐かしくて柔らかな色をした想い出が、ふたりを包み込んでくれる。 「雨の日って言えば、お前と譲の顔にカエルをぶつけて、泣かれたっけな。後でおふくろにこっぴどく怒られたけれどな 将臣は喉を鳴らしながら笑っている。ヌメッとしたものが苦手だった望美が泣きだし、それに釣られて譲も泣き出した。 「あれは将臣君が悪いんだからね」 遠い昔の事なのに、何故だかあの頃な感情が甦り、望美はプリプリ音を立てて怒った。 「はい、はい」 将臣は苦笑しながら答え、指先を丁寧に動かしている。 「しかしよく降るな…。これじゃあ仕事になりゃしねぇな」 将臣は窓の外を見つめるなり、欝陶しそうに眉を寄せる。雨は将臣にとっては休息であると同時に、仕事を進ませない敵でもあった。 「将臣君は雨が嫌い?」 「ああ。たまにならいいが、梅雨や台風なら欝陶しいこと甚だしいぜ」 将臣は溜め息こそは出さないが、望美には少し苛立っているのが解った。 「私は好きだよ、梅雨は…」 「心境の変化か? 昔はおまえかなり嫌がっていたじゃねぇか」 「昔は昔よ。今は好きなの」 望美は静かにそぼ降る雨を眺めながら、優しい気持ちで呟く。 「どうしてだよ」 「だって…、雨の日なら、将臣君は家に居てくれるでしょ? 一日中傍にいられるもの…」 「飽きるだろ?」 「飽きないよ! またまだ離れていた時間を埋めることさえ出来ていないもの!」 望美は自分の想いを伝えたくて、将臣に向かって強く言う。飽きるなんて有り得ないことを、伝えたかった。きっと、1000年一緒にいても足りない。 「望美…」 よく通る望美の大好きな声が聞こえたかと思うと、おもむろに背後から抱きすくめられる。 「可愛い事を言っているんじゃねぇよ…」 首筋に唇を受けると、躰が震える。望美は腰にまで伝わる快楽に躰を支えられなくて、体重を将臣に預けた。 「将臣くん…」 大きな手で躰をまさぐられると、途端に呼吸が早くなる。背中に感じる将臣の鼓動も、早くなってくるのが解る。 「…望美…」 手を胸元から差し入れられる。大きな手は直ぐに望美の乳房を揉みこみ始めた。 「んっ…!」 柔らかさを確かめるように将臣に触れられると、立ってはいられなくなる。 将臣が、逞しい躰と腕でしっかり支えてくれているので、倒れこまずに済んだ。 ストレートワンピースのスカート部分に手を入れられる。太腿に手をかけられ、望美は思わず腰を引く。 指先が中心に触れてきた。 「はあん…」 腰を引いて逃げようとしても、将臣が赦してはくれない。がっちりと押さえられたままだ。 ふとももを丹念に撫でられる。下着を着けてはいないので、直に敏感な場所と脚の境界を撫でられてしまった。 「…おまえ、下着を着けてねえのかよ…」 「雨だし、外に出ないし…、将臣君があんまりえっちなことをするから、下着が擦れて痛いもの…っ!」 望美は息をひどく乱しながら、将臣の腕に指を這わせていく。 「いやらしいな、おまえは…。だがおまえのそのいやらしさ、俺は好きだぜ。俺以外の前で、いやらしくなるなよ…。おまえ……」 指がスリットを押し広げて、肉芽を擦る。将臣の指は望美の感じる場所を充分に解っているせいか、痛くもくすぐったくもないちょうど良い強さで弄ってきた。 「あっ、んんっ…」 「雨音に負けているぜ。望美」 耳たぶを噛みながら、将臣が意地悪な声で囁いてくる。望美は熱い吐息を漏らして、窓枠に縋り付いた。 「はあっ…! んんっ!」 将臣の武骨な指が、望美の繊細な膣に入ってくる。焦らすように内壁を擦られるだけで、激しい熱を産む。 「ま、将臣く…んっ!」 望美の奥深いところから、たっぷりと蜜が溢れかえる。木製の床を、濃い色に変えてしまうぐらいに、蜜を垂らす。いくつも蜜のたまりを作りながら、望美な細い腰は艶めくように動いた。 「もっと良い声を聴かせろよ…」 あ、あああっ!」 将臣の指がもっと深いところに入ってきて、望美の奥をくすぐってくる。そこを指で直接愛撫をされると、望美の腰が更に激しく左右に揺れた。 もっともと熱い将臣のものを知っている。 指よりも、もっと太くて、長い、熱いもので、この奥の疼き取って欲しい。望美は将臣に腰を押しつけ、無意識の領域で強請った。 「…欲しいのか?」 望美は腰の痺れでどうにかなりそうになりながら、ゆっくりと頷いた。瞳が期待に震えうっすらと涙を滲ませる。 歯科医が熱くて、湿った茎も熱くて、将臣の躰も燃えるように熱くて。 トリプルに熱いものが重なり合って、望美の意識もとろとろになる。甘えるように腰を突き出すと、将臣がしっかりとそれを掴んできた。 「お前があんまり可愛いから、俺も限界になってきた…」 将臣の荒い吐息が、直接首筋に吹きかかってくる。 将臣を欲して広がった蜜口に亀頭が押し当てられて、 「あ、あ、あああ…っ!」 肉芽を愉しんで弄りながら、将臣が腰を進めてくる。内壁が抉られるような素晴らしい熱さに、望美はこのまま狂ってしまっても本望だと思う。 将臣に対してだけは肉欲が深い。どうしようもないぐらいに深い。 歯を食いしばると、更に深い角度で将臣が突き刺さってくる。窓の桟をしっかりと握りしめていないと、立っていられない状態になり、望美は腕までも震わせる。 望美の熱も、将臣の熱も、奥深いところに集まってくる。 もう瞼を開けていられなくなり、望美は自然と閉じるしかなかった。瞼を閉じたら閉じたで、まるでパソコンのスクリーンセイバーのように明るい星が点々と猛スピードで動いている。 将臣が完全に胎内まで浸透すると、一旦動きを止めて深呼吸をした。 その吐息がひどくセクシーで背中がぞくりとする。 この島の燦々と照りつける太陽よりも激しい熱が内部で暴れ出し、意識が朦朧としてきた。 「あ、ああ、ああ…っ!」 甘く激しい声しか上げることが出来ない。 激しくなり始めた将臣の律動に、望美は離さないように締める家を強める。 「…バカ…っ! きつ…良すぎるんだよ…」 深いところがイソギンチャクみたいに蠢いて、将臣を離さないように絡んでいる。そんないやらしい自分の躰が恥ずかしいと同時に、望美にとっては誇らしくもあった。 「もっと、もっと、乱れろよ…」 「あ、ああ、ああっ!」 ワンピースのスカートだけがたくし上げられて、いやらしい部分だけが剥き出しのまま、獣のように求め合う。 「ああ、ああ、ああ…っ!」 将臣は一旦ギリギリまで自分の欲望を抜いた後、今度は早急に望美の最奥を思い切り突いた。 「あああっ!」 もうどんな支えがあっても、望美は立ってなんかいられなくなる。膝ががくりとくると、将臣がそれに気付いてくれたのか、更に腰を掴んで自分の躰に近付けてくれる。 「はあああっ! 将…臣…くん…」 そうすると深いところに将臣の欲望が突き刺さってきて、たまらないぐらいに気持ちが良い。 梅雨雲の更に上を飛んでいるように感じられる。 「…はあ、ああ、ああっ!」 「望美…っ!」 良く響く大好きな将臣の声が望美の躰の中にまで染みこんできた。 この腕に、この声に、この欲望に、総てに包まれていたい。 「…あ、あ、あああっ!」 ふたりの性器が擦る合う水音が、雨音にも負けずに激しくなってくる。 将臣にしっかりと抱きすくめられて、渾身の一撃を最奥に送られた。 「ああ、ああああっ!」 望美はしなやかな躰を反り返らせて、意識をとろけさせる。 その瞬間、海の向こうで激しい雷が鳴り響き、将臣が熱いものを注ぎ込んできた----- 外には大人しい雨の音が聞こえ、ふたりは裸になって板の間で横になる。しっかりと抱き合って、お互いの熱を共有し合う。 「雨の日を好きになっちまうかもな。お前をこうしてずっと側におけるから…」 「うん、もっともっと雨が降ればいいわ…」 ふたりは足を絡ませ合いながら、甘いキスをする。 今日はノンビリとした雨がもたらしてくれた休日。 この季節の贈り物に感謝しながら、ふたりはふたたび愛を確かめ合い始めた----- |
| コメント ED後のふたりです。 イチャイチャな梅雨時新婚さん。 …またやってるだけのような…。 |