幼い頃の夢。それは「お嫁さん」。理由は単純で映画やテレビで見られるような、純白の美しいウェディングドレスをこの身に纏いたかったから。 望美は、特に誰のお嫁さんになりたいとは思ってはいなかった。 小さい頃、大きくなったら何になるときかれる度に、「お嫁さん」と答えていた。 それを言うと、決まって将臣と譲に言われたものだ。 「望美は」 「望美ちゃんは」 「どっちのお嫁さんになるの!?」 最後のところは流石は兄弟。いつもちゃんと揃っているのが笑えた。 訊かれると望美の答えはいつも決まっていた。 「両方!!」 明るく答えてそれでおしまい。いつもふたりはガクリときていたのを覚えている。 あの頃は子供過ぎて、結婚するのはどういう意味だなんて、本当に解ってはいなかったのだ。だからいつも明るく、あんな無責任な答えを言っていた。 大きくなっていくにつれて、望美の夢はころころと万華鏡のように変わっていった。 そして、今。幼い頃に最初に願った夢が、叶おうとしている。 あの頃は、小さくて大人の男性ばかりを素敵だと思っていたし、いつか結婚すらならば年上だろうと、何となく思っていた。 だが、今傍らに、夫としているのは、小さな頃から一緒だった将臣。結局、望美は「ふたり両方」ではなく、将臣を選んだ。 小さい頃の、あの両方だと言った時のことを、将臣は覚えているだろうか。 将臣特製のハンモックに揺られて寝そべりながら、望美はくすりと笑った。 「望美、フルーツとってきたぜ。いっぱい食えよ」 将臣が編んだ袋の中に、たっぷりのフルーツを入れて来てくれた。ひとつ取り出して渡してくれる。 冷たい水で洗ったのか、心持ちひんやりとしていた。フルーツを食べると更に気持ちが良くなるだろう。南国のフルーツは食べるだけで躰を冷やしてくれる。本当に良く出来ていると、望美は思った。 「有り難う、将臣くん」 望美はフルーツと将臣を交互に見つめながら、くすりと笑う。 その笑みが気に入らないのだろう。将臣はわざと不快な顔をした。 「何だよ?」 「昔の事を思い出していただけだよ。私の小さい頃の夢が叶ったなあって。”お嫁さん”だったから…」 「そうだったな…」 将臣は懐かしそうに笑ったが、直ぐに困ったように眉を寄せる。 「だけどおまえ、旦那様は年上の素敵な男の人が良いなって、しきりに言ってたよな。大人じゃねぇと嫌だとか吐かして、揚句の果ては、俺と譲が「どっちの嫁さんになるんだ」って問い詰めたら、「両方」ってよ。子供心に、そりゃないぜって、思ったぜ」 将臣は、わざと恨みつらみがあるように言う。拗ねてしまっているようだったので、望美は困ってしまった。 「だからあれは小さな時のお話で…」 細かいところまで覚えてくれていたのが嬉しいと共に、何だか照れ臭かったりする。 「…で、今はあの頃の夢は叶ったか? 俺は確かにおまえよりも年上になっちまったしな?」 将臣はわざと望美の耳元で、その美声を響かせている。 こんなことをされたら、背中に官能が走ってどうかなってしまうことぐらい、将臣は承知しているだろうに。それが彼一流のイタズラだ。 「…将臣くんのバカ…」 「答えになっていないぜ? 望美…」 丈夫で大きなハンモックに、将臣はいつの間にか乗って来て、スカートの中に手を入れて、望美のふとももを撫で始める。 「…将臣くんのバカ…っ! 決まっているじゃない。夢よりももっと素敵な夢が叶いましたっ…!」 「…もう、”両方”なんて言わせねぇ…」 「そ、そんなこと言わないもんっ…!」 将臣がどんどん近付いてくる。望美は期待の余りに息を詰めた。 太股を撫でる将臣の手がどんどん上に上がってくる。 「…やっ…!」 既に潤い始めた中心を指先が撫で付けた時、将臣は動きを止めた。 「望美…、下着…着けてねぇのか?」 些か興奮ぎみな将臣の声に、望美は恥ずかしくて顔を背けたくなる。 「…だって、将臣君が…、あんまり……するから…」 理由を言うのは、本当に恥ずかしい。そんなことストレートで言えるはずもない。 「俺が余りおまえとセックスするから?」 「もうっ! ダイレクトに言わないでよっ!」 「だってホントのことだろ? 俺はいつだっておまえをイッパイ欲しいんだから」 恥ずかしげもなく将臣が言うものだから、望美は余計に顔を真っ赤にさせる。 「もうっ! スケベっ!」 「スケベで結構だぜ。おまえ、ノーパンのまま、俺以外の男の前には出るなよ?」 「そ、そうしてもらいたくなかったら…、あんまりしないことね」 「それは無理だぜ? おまえだってな…。ほら…、こんなにも濡れてるぜ?」 「あっ…」 将臣の声がセクシーで低くなった途端、指先が熱く濡れた場所に触れてくる。それだけで、たまらなくなるぐらいに感じてしまう。 「うっん…」 望美が甘い声を出すと、将臣は意地悪に笑って来た。 「…おまえ、すげえスケベだな。俺がちょっと指を動かすだけで、すげえ感じてるみてえだな。濡れてるぜ、昼間っからな」 「スケベはどっち…あっ…!」 将臣の指先は本当に淫猥な動きをしてくる。気持ちが良くて、背中を反らせてしまう。 将臣は全く余裕のある微笑みを浮かべると、望美に躰を重ねてきた。 唇を深く重ねてくる。しっとりと包み込むようにキスをされると、望美は将臣に縋り付いた。 触れるだけのフェザータッチのキスと、ディープなキスが繰り返される。舌を絡め合わせながらキスに夢中になっていると、将臣はざっくりとしたワンピースを胸元まで上げて来た。 「やっ…!」 指を背中に食い込ませると、望美は恥ずかしそうに頭を振る。下着を全く身につけていなかったので、とても恥ずかしくて堪らなかった。 「や…っ!」 「光に曝されたおまえはすげえ綺麗だぜ?」 「…やっ、あんっ!」 将臣はいつものように乳房を持ち上げるように揉み込んでくる。望美にとって、心地が良くてしょうがない。 「あっ、ああ…」 ふわふわとしたハンモックが心許なくてしょうがない。望美は、将臣に何とかしがみついていく。 将臣に愛撫をされると、それだけで突き抜けてしまうぐらいに気持ちが良い。望美は、将臣にもっと愛撫をして欲しくて、乳房を押し付けた。 待望の唇の愛撫を突起が受けた頃には、既に硬く色見が変わっていた。 こうして将臣と愛を交わし合っていると、ここがどこで、何をされているかが気にならないぐらいに、夢中になってしまう。 望美はいつしか、将臣の躰を挟み込むような状態にされた。 「太陽に曝されたおまえ自身を、しっかりと見てぇな」 「将臣君…っ!」 将臣は頭をしっかりと望美の中心部分に落としてくると、脚を大きく開いてくる。 こちらの世界に来て、すっかり伸びてしまった将臣の髪を、望美は優しく指ですいてやる。 再び望美に逢うという願いを込めて、伸ばし始めたという髪は、愛しくて堪らない。左右の耳に輝く血の色をしたピアスも、望美と譲に生きて再び逢うことを願って、付けられたもの。 この話を聞くに及び、望美の胸は甘い痛みを感じた。 同時に嬉しくてしょうがなかった。 そして今は、こうして将臣と肌を重ねる事が出来る。 心置きなくどこでも愛し合う事が出来る。望美にとっては、本当に幸せなことだ。 将臣はいつの間にか、望美の濡れた場所を、熱い眼差しで凝視している。恥ずかし過ぎて、叫び声を上げたくなってしまいたくなりそうだ。 「太陽に輝くと、おまえは凄く綺麗だぜ…」 心から言ってくれていることは、解っている。だが、肌が震えてしまうぐらいに羞恥が込み上げる。同時に、将臣がそこまで思ってくれているのも、嬉しかったのだが。 「…あっ…!!」 貧るように、将臣が蜜を吸い上げてくる。腰に堪らない気持ちが良い痺れが溢れ出し、望美は腰を無意識に上げた。 蜜を吸う音が、淫猥過ぎるぐらいに大きくなっていく。 猥らに揺れる腰が恥ずかしい。 将臣と、躰で愛し合うようになってから、どんどんやらしくなってくる。全身全霊でとことんまで将臣が欲しくて、求めるものがエスカレートしているのだ。 将臣は蜜でたっぷりと喉を潤した後、舌で硬く尖ったルビーをふっくらと転がしてくる。 溢れかえる蜜の入口には、指を突き立てた。 「あっ…!!」 指がするりと胎内に入っていき、望美のつぼをしっかりと掻き交ぜていく。内壁を指先で擽られて、呻くような甘い声を上げた。 指で奥を撫でられると堪らない。将臣は指を二本に増やして、とことんまで望美を奪っていく。 「あっ、あっ、あんっ…!!」 息が乱れ、大袈裟なアダルトビデオの女優のような声が、唇から漏れた。もちろん演技なんかでなく、本気で感じていた。 ルビーを唇で吸い上げられながら、指で胎内をいじくられる。 もうどうしようもないぐらいに感じてしまい、涙とよだれが出てしまう。 コントロールなんて出来ない。 それほどに意識をぐちゃぐちゃにさせながら、望美は昇り詰めていく。 「あっ! もう…っ!」 快楽が躰の奥深くで爆発をした後、望美はゆっくりと墜落していった。 ハンモックが淫らな揺り篭のように揺れている。これぞ至上のゆりかごだ。 意識をぼんやりとさせながらも、望美の下肢は疼いていた。 もっと爆発するぐらいに熱くて、太くて大きな硬い楔で、激しく突き上げて欲しい。 熱く駆け抜けるものを、母なる場所に注ぎ込んで欲しい。 我が儘のような願で疼く。 「将臣君…、お願い…」 「何を?」 折角可愛く”おねだり”をしてみたのに、将臣はわざと知らん顔。 「ねえ…、お願い…」 「俺の何が欲しいんだ?」 本当に意地悪な微笑みが良く似合う男だ。くやしいけれども素敵だ。 「欲しかったら、俺の欲しい部分を掴んでみろよ」 将臣の眼差しを見れば、どれだけ本気かは直ぐに解る。 望美は将臣の布で出来たスボンを下ろし、下着を外すと、はちきれそうになっているものを握った。 「将臣君だって…たまらないくせに…」 「あんまり…キツク握るなよ…。やるから、その代わりに俺にしっかりと捕まっておけよ」 将臣が堪らないぐらいに興奮してくれているのが、望美には嬉しくてしょうがない。 指先で撫でるように将臣自身から離れると、深々と躰と唇を重ねて来てくれた。 「んんっ…!」 待望の将臣の硬くて素敵なものが胎内に入ってくる。大好きな力強い圧迫に、望美のすべての細胞がざわめき始める。化学変化を求めて疼いているようだ。 もっと深いところまで将臣が欲しくて、望美はねだるように腰を動かした。 「…っ! おまえのはいつしても良すぎる…っ!」 将臣が息を乱しながら、深いところまで腰を推し進めてくる。 望美は将臣を深い所まで導き、包み込むようにしっかりと抱き着く。 ここまで来てしまえばもう、お互いに後は楽園を目指すだけ。 望美はとろけそうな顔をしながら、将臣を締め付け、動いていく。 「…おまえ…すげえ可愛くてエロいぜ…」 「将臣く…ん…っ!」 重なり合う肌が熱い。お互いにセックスを越えた快楽を、心にも躰にも感じている。 「大好き…っ!」 将臣に完全に支配されながら、激しく優しく熱く抱かれる。 小さな頃、大好きなひとのお嫁さんになるのは、とても幸せなことだと思っていたけれども、現実はそれ以上に幸せで意識が無くなってしまうぐらいに気持ちが良い。 「ああっ…!」 最奥深くを将臣に激しく突き上げられて、望美は更に逞しい肩に縋り付く。 気持ちが良すぎてたまらない。 将臣がくれるもの総てが愛しくてしょうがない。どんなものでも欲しくて堪らなくて、総てを貧っていく。 「あっ、あっ…! 将…臣く…ん」 本能で将臣の子供を産みたいと深く想う。 「あっ…! もうっ!」 望美が綺麗に背筋を反らせると同時に、将臣の躰が小刻みに震える。 将臣の情熱の証を激しく出されて、意識を手放した。 ハンモックの揺れがまどろみにちょうどいい。 将臣にぴったりとくっついて眠りながら、望美は口角を上げて微笑んだ。 これが魂をかけて願った夢だと感じながら…。 |
| コメント ED後。 イメージとしてはあのスチルの後当たりのお話です。 将臣君頑張りました(笑) |