将臣がチェックインしている間、望美は落ち着けなかった。 喉がからからに渇いて、心臓がいつにもないほどに、激しい高まりを見せている。 こんなことをしてもいいのだろうかと、きまじめな理性が叫ぶ一方で、期待感の高まりを抑えることが出来ない。 将臣は、フロントからカードキーを受け取ると、望美の手を思いきり握り締めた。 「行くぜ」 「うん」 握られた手を握り返しながら、望美は将臣に導かれてエレベーターに乗った。 いつもみたいに軽口を叩けない。 何か話そうとしても話せなくて、望美はジレンマを感じた。 高速エレベーターは、直ぐに目的の階に着いた。 廊下に一歩出ると、そこには毛足の長い絨毯が敷き詰められている。 ”特別”なのだということを悟った。 将臣に手を引っ張られながら、望美は廊下を静々と歩く。 部屋のドアが開けられた時には、甘い痛みにくらくらしそうになっていた。 「どうぞ」 「何だか、将臣君、今日は紳士だね」 「いつも俺は紳士だ。ほら、入れよ」 将臣に急かされて、望美は部屋に入った。 そこはジュニアスウィートルームで、夜景が見事に美しく見える場所だった。 ロマンティックな雰囲気に、頭をぼんやりとさせながら、望美はソファに座らされた。 向かいに座った将臣が、至極おとなびて見える。実際に望美よりも大人なのだから仕方がない。 艶めいた眼差しで見つめられると、息が詰まるぐらいに全身が熱くて甘くなった。 「お前」 「え?」 「俺が一番欲しいバースデープレゼント」 将臣は甘いテノールで呟くと、望美をじっと見た。 恋心が、嵐のように吹き荒れてくる。 望美はどうしていいのか解らないぐらいに、幸福を感じていた。 「お前が欲しい。だが、無理じいするつもりはねぇんだ。それだけは解ってくれ」 将臣は一瞬優しい眼差しを望美にくれたが、次の瞬間には覇者のそれになる。 「お前がまだ準備が出来ていねぇんなら、それでも構わない。ただ、俺は諦めねぇから」 王者の風格さえ漂う将臣は、キッパリと言いきってしまった。 望美は悟る。 この眼差しからは逃げることなど、出来はしないと。そして、そうする気もまたないことを、一番自分が良く知っているような気がした。 「…将臣君…。私は逃げるつもりなんて全然ないよ。あなたと一緒にいたいって、このままプレゼントしたいって…」 望美は立ち上がると、ワンピースにつけていたリボンを抜き取り、それを頭につけてプレゼント結びをした。 「私を貰って下さい。私があなたの誕生日プレゼントです」 恥ずかしくて目が合わせられないまま、望美は訥々と話す。 「望美…!!」 将臣に腕を捕まえられたかと思うと、その胸にしっかりと抱きしめられる。 顎を上に向かされると、激しく唇を奪われてしまった。 将臣の熱い唇が、望美の唇に覆いかぶさる。ぷっくりとするぐらいに吸い上げられた後、舌が入ってきた。 口腔内を縦横無尽にはい回る舌は、望美の五感を艶やかに変化させていく。 上顎を舌先で撫でられるだけで、躰中の細胞が活性化していく。 唾液など流れるのはお互いに構わずに、この一瞬に溶け合っていく。 唾液が絡まる音が部屋に響き渡り、気持ちを盛り上げてくれた。 いいように将臣の舌になぶられていた望美だったが、舌を絡ませあうことを覚えた。 そうするともっと将臣に近付いた気分になる。 キスが終わると、将臣は望美を抱き上げた。 お姫様抱っこでベッドまで運ばれ、恥ずかしさと甘さが交錯していく。 「将臣くん…、今日は暑かったし、その…、汗をいっぱいかいたから、汗臭いと思うし、先にシャワーとかお風呂とか…」 望美がしどろもどろに言うと、将臣はセクシィに笑う。 「汗ごとお前が欲しいんだよ」 ストレートに言われて、返す言葉がない。同意の代わりに、望美は将臣に縋り付いた。 寝かされたベッドはひんやりと気持ちが良い。 将臣は上半身だけ服を脱ぎ捨てる。剥き出しになった胸が、将臣が立派な男であることを証明していた。 じっと見つめていたくなるぐらいに、将臣の躰は素晴らしい。 鍛えられた胸に顔を埋める喜びすら感じる。 頬を紅に染めて震えていると、将臣の手が衣服を脱がしてくる。 白い肌が、将臣の肌に触れた時、言い表せない喜びが込み上げて来た。 「好きだ…! 望美」 「私も大好き…!」 しっかりとふたりで抱き合いながら、温もりを交換しあう。 愛するひとの肌は罪だ。ひどく狂わせてくれる。 望美は将臣にぎゅっと抱き着いた。 首筋に濡れた唇を押し当てられる。 熱さと冷たさが混在する不思議な感覚に、望美は喘いだ。 「あっ…!」 音をしっかりと立てられて、熱く吸い上げられる。噛みつくように吸い上げられた痕は、ドラキュラに首筋を吸われたみたいだ。 きっと、ドラキュラを生み出した人物は、女の首に遺る、生々しい男の噛み痕からヒントを得たに違いない。 将臣の大きな手は、望美の躰をまさぐってくる。ボディラインを撫でられるだけで、背中をのけ反らせた。 将臣の唇が、望美の乳房に触れてくる。 「すげえ柔らけぇ…」 感嘆の混じった掠れた声を将臣は漏らした。 「あっ…んっ!」 柔らかな胸に顔を埋めた後、将臣は乳房を好きなように揉みこみ始めた。 リズミカルな手の動きに、望美は悩ましいしなを作る。 「やっ、あっ…」 張り詰めるまで胸を揉みこみながら、将臣は乳首に唇を寄せる。しっかりと乳首を吸い上げられて、望美は将臣に縋り付いた。 悩ましい声を上げると、将臣は歯を乳首に宛う。甘い痛みに、望美はどうしようかとすら思っていた。 「あっ…!」 将臣の手が下腹部に伸びてくる。無防備だった下着の中に、将臣の手が伸びてきて、望美は思わず腰を引いた。 「やっ!」 望美は脚を閉じようとしたが、将臣が巧みに襞を指先で開いてきた。 もう逃げられない。 「あっ…!!」 将臣の指は、望美の肉芽を探りあてると、そこをぐりぐりと指先で捏ねくり回してきた。 「あっ! やあんっ!」 腰が抜けるほどに感じてしまい、望美はほっそりとした腰をくねくねと艶やかに動かしてた。 将臣の指が、我が物顔で、望美の襞の中を動き回る。 くちゅくちゅといやらしい水音を立てられて、望美は頭がくらくらしてくるのを感じていた。 「すげぇ色っぽいぜ?」 「やあっ!」 形の良い指で攻められ、無意識に腰が動く。 痺れる気持ち良さに、望美は初めて嬌声を上げた。 「すげぇ良い声してるな」 「ああんっ!」 容赦のない愛撫に、とろとろになってしまう。 将臣は脚を大きく開いて来た。 「あっ…!!」 恥ずかしく口を開けたそこに、将臣は顔を埋めて来た。 恥ずかしくてどうしていいのか解らず、望美はなすがままだった。 今までに聴いたことがないような淫らな水音。 それは将臣を愛しているが故に流された愛の液体を、まさに愛している人の舌が掬い取っている。 「あ…、あ、ああっ…!!」 ふっくらとルビーのように輝く望美の肉芽を、将臣の舌は味あうように舐め尽くしていく。 「あ、あ、ああっ!」 神経がとろとろになってしまうぐらいに、気持ちが良くて、望美は無意識に将臣の唇に自分のいやらしい場所を押し当てる。 「美味いな…お前の…」 「やだ…っ!」 唇を強く噛みしめようとしても、震えて上手くいかなかった。 「…やっ!」 将臣の指がぬぷぬぷと音を立て、望美の体内に滑り込んできた。 異物感による痛みに、顔を顰める。 「…ちょっと痛いよ…」 「痛くないようにしてやる」 将臣は低い声で囁くと、望美の胎内を指でかき回し始めた。 いやらしい音が部屋に響き、恥ずかしさの余りに目を強く閉じる。 痛かったはずなのに、徐々に痛みは薄れ、代わりに鈍い気持ちよさが下腹部を襲う。 「あ、ああ…」 自分の声とは思えないぐらいの甘い声が響く。 腰が揺れて、将臣に総てを預けて、自分が自分でなくなっていく。 まるで甘い、甘い、砂糖水にでもなってしまったような気分だ。 将臣の指が望美の最奥をたっぷりと犯していく。 そこを擽られると、躰が腰ごと宙に浮かび上がった。 「あ、ああっ!」 呼吸も鼓動も上がり、体温が上昇してきた。 「ま、将臣く…んっ!」 ふっくらとした場所を擽られる度に、怒濤のような快楽が躰の隅々に溢れる。 痺れるほどに心地よい快楽に、望美の頭は真っ白になる。 「あ、ああ、ああっ…!!」 唇から唾液を流しながら、望美は嬌声を上げる。 そのまま意識を深い場所に堕とした----- ここはどこなの。 そんなことを考える間に、現実は迫ってきた。 リアルに将臣の厚い胸が、望美の華奢な躰を包み込んでくれている。 目が合うと、将臣は望美の額にキスをぅれた。 見つめてくる眼差しは、今までに見たことがないぐらいに大人びて、美しく、色気がある。 「-----お前を貰って良いか?」 こんな艶のある将臣に総てを投げ出せるなんて、なんて幸せなのだろうかと、望美は思う。 「-----いいよ。将臣君…」 ゆっくりと味わうように望美が呟くと、将臣は笑って今度は頬にキスをくれた。 そして、柔らかな望美の太腿に手をかけると、足を大きく広げ、蜜口を広く開けた。 そこに宛がわれたのは、正真正銘将臣の分身。 熱く、硬くなったそれは、巨大化していきり立っている。 それが入り口に突き刺された瞬間、望美は自分の躰がばらばらになってしまうような気がした。 それぐらいに痛い。 だがそれと同時に、ずっとこの瞬間を待っていたような気がした。 「あ、ああっ! 将臣君…っ!!」 痛くてたまらないのに、涙も出るのに、幸せで堪らない。 相手が将臣だから。 愛が溢れているから。 望美は将臣の広い背中に爪を立てながら、懸命に堪えた。 やがて、将臣が内壁を抉りながら進み、ぴたりと止まった。 「…望美…っ!」 将臣は胸で大きな息をすると、望美の涙を唇で拭う。 その後に、ゆっくりと腰を動かし始めた。 「あ、あ、ああ、あああっ!」 将臣の雄剣が、望美の女の場所にしっかりと突き刺さる。 痛い刺激のはずなのに、狂うぐらいに気持ちがよい。 先程までの痛みが全く嘘のように思えた。 「将臣君、将臣君…!!」 「望美、望美…!!」 お互いに何度も名前を呼び合いながら、愛のリズムを刻み始めた。 温もりを分け合い、魂すらも分け合いながら、絡み合う。 望美と将臣はしっかりと噛み合い、これ以上ないぐらいにしっかりと結合しあう。 周りの景色すらも、意識すらも溶かしてしまうぐらいに、お互いに燃え上がる。 「将臣君…っ!」 「望美…っ!」 意識がとぎれ白を感じる。 しっかりと抱き合って、ゆるやかに白い空間に墜ちる。 落ちる。 堕ちる------ 将臣の分身が抜かれ、温かな精が望美の腹の上にかけられる。 将臣の愛の温もりを初めて感じた瞬間だった----- ぼんやりとした頭で時計を見れば、もうすぐ将臣の生まれた日になる。 「お誕生日おめでとう…」 小さく呟くと、将臣はしっかりと抱きしめてくれた。 |