里見×未来←コウ
今日は里見ゼミがあり、未来以下仲間たちも全員出席となる。 オリンピック予選と重なった康平は、ただでさえ難解なテーマが多いゼミに付いていくのも精一杯のようだ。そんな彼を、幼なじみとして、未来は全面的にサポートしてやっている。 康平も元々仲間の中で未来が一番里見ゼミの内容を理解しているのを知っていたし、しかも幼なじみであるが故に未来に全面的に頼っていた。 今日のゼミが終わった後も、未来は康平に呼び止められた。 「未来、ちょっと教えてくれないか?」 「あ、うん、いいよ。混み合ってるところ?」 未来は、康平の横に座り、彼のノートを覗き込む。 「えっと、ここと、ここが…」 康平が指さしたところを未来は何度か頷く。その真摯な横顔をうっとりと見つめられていることは、未来はもちろん気付かなかった。 「そこね…。えっと…、結構時間かかるかも知れないから、図書室で…」 そこまで言い掛けたところで、里見が口を挟んでくる。それも絶妙なタイミングであると言うことを、未来は鈍感なので気付かなかった。 「立花君、ここなら次の時間は使われない。使っても良いだろう…」 「有り難うございます、教授」 正直助かったので未来は笑顔で里見に応えたが、当然、面白くない人物もいる。康平である。 「俺は別に図書館でも…」 そこまで言い掛けて、康平は押し黙る。里見の凄みのある冷たい視線とぶつかったからだ。 これには未来も気の毒としか思えなかった。 「えっと、これは訳す時の英語と米語の違いなんだけれど、たとえばこの”bomb”は、英語だと”成功”っていう意味も含まれる訳ね、けれども米語になると”失敗”って意味になるの。だから文献の種類によって、訳をする場合は気をつけないといけないの…」 「うん、うん」 未来の教え方は里見に比べるととてもぎこちないのに、幼なじみだからか康平は素直に聴いてくれる。それが未来にはとても嬉しかった。 「------で、今日はこれぐらいかな」 「サンキュ、未来! 助かった」 「どういたしまして」 未来が笑顔で言うと、康平もまた笑顔を返してくれる。 彼はふとっきょろきょろと周りを見た。 「あれ、里見の野郎は?」 「あ、里見教授? 少し前に出て行ったわよ?」 「そうか」 なぜか康平はほっとしたように胸をなで下ろし、じっと未来を見つめてくる。 「あのさ、この後時間あったらお茶でも…」 康平の誘いに笑顔でイエスと言いたいところだが、この後里見に個人的に英語を見て貰うことになっている。 もちろん、恋人の特権だからだが。 「ごめんね。この後里見教授に勉強を見て頂くことになっているんだ…」 やっぱりと康平は項垂れる。 最近、まことしやかに流れている噂----未来が里見と付き合っているらしいということ。 「ったく、里見、里見って、ここにも俺みたいにいい男がいるって言うのにな…」 康平が溜息を吐きながら言うと、未来はくすくすと笑う。 「コウ君も良い男だよ? 教授の次にね?」 「俺の方がいい男だって!」 次の瞬間、里見が後ろに立っていた。 「おい、田中…。誰が私より良い男だって?」 「げ!!!」 いつものようにクールすぎる里見が、康平の後ろにおり、彼は戦いている。 「え、あ、その…」 康平がしどろもどろしていると、里見はすっと未来の横に付く。 「立花君-----」 「はい……!!!!」 未来が顔をあげた瞬間、里見に唇を奪われてしまった。 しかも、深くて、甘い。 それは長くて、濃厚なふたりのキスに、康平は溜まらなくなり、「失礼します!」と、どこかへ行ってしまった。 康平が行ったのを確認してから、ようやく里見は唇を離す。 未来の肩を抱きながら、それこそ大人げないような勝ち誇った表情を浮かべている。 「…もう、修二さんのバカ…。人前でキスだなんて…」 未来が恥ずかしさの余りに俯くと、里見は更に肩を強く抱き寄せてくる。 「あいつが君に邪な想いを抱くから悪い…」 「邪なって、コウ君は幼なじみだし…」 未来が拗ねたように言うと、里見は抱きしめてきた。 「わざと見せるためにやったんだ。君は私のものだから・……」 「修二さんったら…」 ふたりは見つめ合って笑い合う。 「続きをするか…?」 「はい」 くすくすと笑いながら、ふたりは唇を重ね、更に濃厚に続きをした----- |
| コメント すまん…。 コウ君… |