静かな時間


 外に出て食事をしたり、映画やコンサートを観て、ショッピングといったデートも楽しいけれど、私は隼人さんの部屋でゆっくりとするデートも好き。
 デートと言っても普段の生活の延長線で、私が食事を作り、食後はゆったりと寛ろぐ。これだけのことなのにひどく楽しくて、私は”まったりデート”と名付けている。
 ゆったりとふたりで過ごすのも、悪くないものだ。
 出掛けるデートの場合、ホテルで泊まったり、隼人さんの部屋や私の家に行ったり様々。
 まったりデートは、私か隼人さんの部屋でそのまま朝まで過ごす。
 お泊りをするのを前提で、隼人さんの部屋で寛ぐというのは、とても心地が良い。
 今夜も、私達は緩やかで贅沢な時間の過ごし方をする。
 外は秋の長雨でしっとりとした音がBGMになっている。明日の朝まで残るだろうとは、天気予報のお話。
 明日は雨でも大丈夫。
 私も隼人さんも明日はオフで、ベッドの中でゆったりと出来るのだから…。
 隼人さんは煙草を片手に暇潰しとばかりに、ERをノベライゼイションした原書を読み、私はと言えば、次に隼人さんと一緒に行きたいレストランを探す為に情報誌を読んでいた。
 その中で、少し気になる占いを見つけて、私はそれを熟読する。占いは「浮気度」をパーセンテージで示したもので、私は自分のことを棚に置いて、隼人さんの星座を読んだ。
「当たっているかも…」
 ぽつりと私は自然に呟く。
「何が当たっているんだい?」
 隼人さんは私に声をかけてくると同時に、雑誌を覗きこんできた。
「隼人さん、これ見て? 山羊座の浮気度」
「浮気度かい?」
 隼人さんは困ったような笑みを浮かべて、自分の星座である山羊座の項目を読む。
「浮気度は25パーセントでかなり低いでしょ。だけど…その…」
 私は恥ずかしくて、言葉を濁す。雑誌には結構凄いことが書いてあり、私も真っ赤になる。浮気はしないが風俗通いの可能性あり。と。その前に書かれた一言が、隼人さんを結構言い当てたりして。
「僕の”性欲”が、凄いってこと?」
 私が言いたいことを取るように、幾分かの艶と笑みを滲ませながら、隼人さんは楽しそうにしている。
「…あ、それは、その…」
 私が言葉に窮して困っていると、隼人さんは私をリビングの床にくぎづけにする。私を捕らえる眼差しは艶っぽくて、くすくすと笑う唇はとても意地悪。
「確かにね、僕は君を愛しているから浮気なんて考えたこともないし、しようとも思わない…。だけどね…」
 隼人さんはセクシィなとろけそうな眼差しを私に向け、綺麗な指先で焦らすように唇を撫でてくる。
「…あっ…!」
 キスもされていない。ただ触れられるだけだというのに、私は甘すぎる旋律を躰に感じ、艶のある声をあげた。
「君限定だけどかなりの性欲はあることは認める。君を愛しているから、デートの度に抱きたいと思うんだ。交わりたいって、ひとつになりたいって思うんだよ。性欲って不思議なもので、相手を想うほどセックスをしたいって想うものなんだ。だから僕はいっぱい君を抱きたい」
 隼人さんは柔らかに言うと、私をぎゅっと抱きしめてくれる。それがとても気持ちが良くて、私も隼人さんを抱き返した。
「…君限定で性欲をたぎらせる僕は嫌かい?」
 そんなはずはない。
 隼人さんとのセックスは、私にとっては最高に安堵出来る行為であり、最高に素晴らしく私を幸福にしてくれる。
「ううん、好き、大好きよ…。私だって隼人さん限定で性欲いっぱいあるもん。毎晩、こうやって抱き合いたいって思っているもの」
「有り難う」
 隼人さんは魅了されずにはいられない微笑みと、更に強い抱擁をくれる。
 隼人さんをいつも受け入れる場所に、隼人さんの熱くて硬いものが布ごしに当たる。既にいつもより大きくて、私は驚いてしまった。
「僕の性欲を感じたい…?」
「…うん、いっぱい感じたい…。隼人さん限定で感じたいもの…。隼人さんとのセックスは…大好きよ…」
 我ながら大胆な言葉だとは想いながら、私は憚らず口に出来た。
 淫らな女でもいい。
 その姿は隼人さん限定のものだから…。
「僕も君とセックスするのは好きだよ。誰にも譲れないね」
 隼人さんは私の唇に自らのものを押し当て、舌を侵入させてくる。
 淫らにも唾液を交換しあい、私達は愛を確かめ合う。私の唇からはしたなくも唾液が流れても、隼人さんは流れの筋を舌で  追い掛けては、舐め取ってくれる。さりげない行為にも私は愛を感じた。
 唇を離された後、酸素を求めて肩で息をすると、隼人さんは私を抱きしめてくれる。
「君には本当に欲望を感じてしまうよ。君と交わる前は、僕は誰とでも寝られたし、健康体な男としての欲望を当然ながら持っていたし、正直、直ぐに反応することが出来た。だが今は、君以外には反応しなくなっている。我ながら凄いって思うけれどね。君以外の女性じゃあ満足出来ないね」
 隼人さんは笑ったけれど、私はとても嬉しかった。
 他の女性よりも誰よりも、私に反応してくれるのが、嬉しくてしょうがない。
「僕を凄く感じる?」
 隼人さんは私に躰を押し付けてくる。熱い高ぶりを感じて、私は震えながら頷いた。
「愛してる」
 隼人さんは愛の言葉を囁くと、私をお姫様抱っこをしてベッドに運んでくれる。心地よい、きっと私だけに許された行為だ。
 ベッドに寝かされるなり、私は手を伸ばして隼人さんを求めた。
 すると隼人さんは、私の躰を抱きしめてくれた後、するりと服を脱がしてくる。
 私はそれを幸福な気持ちで受け入れていた。
 隼人さんの器用で手慣れた指先で私は裸にされ、彼も手早く裸になった。
 見てはいけないと思っているのについつい眺めてしまうのは私の悪い癖。
 見てはいけない-----それはセクシーすぎて恥ずかしいから。
 隼人さんは白衣を着ている時は着やせしてスマートな医師にしか見えないが、実際に裸になると鍛えられた胸や腕の筋肉が私を包み込んでくる。
 隼人さんと恋人関係になり、肌を重ねるようになっての一番の驚きは、彼が見た目よりもかなり逞しいことだった。
 筋肉の筋が強い腕や胸に触れるのが好き。
 隼人さんの躰は本当に完璧で、30代に差し掛かっているのに、まだまだ肉体は瑞々しい。
 触れるだけで私はとてつもなく幸福になる。
「好き…、大好き」
 私が呪文のように隼人さんへの想いを語りながらその胸や腕、背中を撫でる。すると隼人さんの甘いと息が益々とろけそうになって、私は嬉しかった。
「ねえ、ここ感じる…?」
 私はすべすべと気持ちが良い隼人さんの胸元に舌を這わせる。 すると幾分か胸の筋肉が震え、隼人さんも確かに感じてくれているのが判る。
 だけど私が胸を愛撫されるほどじゃない。
「…私ほど感じない?」
「それはそうだよ。男性はそこに女性ほどの性感帯はないし…それに…」
 隼人さんはふふっとセクシーな声を立てて笑うと私の乳首を指先で摘んだ。
「あっ、ああんっ!」
 背中にぞくりとする快感が走り、触れていた隼人さんの肩を強く掴んでしまう。
 隼人さんに触れられるだけで、私の肌はしめやかな熱を持った。
「あ…ああんっ!」
「君はホントに凄く感度が良いね…。どんな女性よりも、君は感度が良くて、ここも最高で…」
「きゃあんっ!」
 すっかり潤っている私の秘華を、指先でちらりと撫でる。
「…隼人さん…っ!」
「最高だよ…。本当に可愛いね、未来ちゃんは」
「…やだ…」
 恥ずかしがる私を包み込むような笑みを浮かべた後、隼人さんは私を抱きしめながら首筋にキスをしてくれた。
「ああ…」
「可愛い。綺麗だよ…」
 艶が滲んだテノールでくれるとびきりの囁きは、私の心を潤ませてくれる。
 隼人さんに抱かれたり、甘えていると、私は世界でいちばん素敵な女の子に思えてくる。
 隼人さんだからそう思えるのだけれど。
 隼人さんの心地よい冷たい唇が鎖骨を通り、胸にかかる。
 私の胸は期待にぷるりと揺れる。
 隼人さんの形の良い手で胸を持ち上げられ、しっかりと揉み込まれると、その部分が俄に熱を持って暴れ出す。
 気持ちが良くて、でももっと大きな快楽が欲しくて。
 私は呻きと甘えの中間の声を出して、隼人さんに縋る。
「…柔らかくて、ぷにぷにしていて、大きくて…。なんて素敵なんだろうね…」
「隼人さん…」
 隼人さんは私の胸に顔を埋めると、その感触を味わうかのように顔を擦り合わせる。
 それが心地よくて、私はまたしても声を上げた。
 隼人さんは、私のことを「ここが弱いね」って言っからかうように笑うけれど、本当は隼人さんだって、私の胸が好きよね?
 きっとそう。
 隼人さんはきっと”おっぱい星人”なんだと思う!
 隼人さんの唇が私の乳首を探し当てて、しっぽりと含んだ。
「あああっ!」
 ちゅうちゅうと音を立てて吸い上げながら、器用な舌で転がしてくる。
 尖った私の乳首は、熟していない木イチゴのような色をしている。それが深みを帯びて濃くなってきた。
「あ、ああ、あああっ!」
 隼人さんは我が物のように---実際、私は身も心も隼人さんのものだけど---私の乳首を愛撫し、快楽の淵に追いつめる。
 尖ってガラスのように硬くなった私の乳首を、唾液でいっぱいになるぐらいに丁寧に愛撫してくれた。
 左右とも。
 だけど隼人さんは私の左の乳房が好きだという。私がより敏感になるからだ。
 私も左の乳房を隼人さんに愛撫して貰うのが、酷く嬉しい。
「あ、あああッ…」
 双方の乳房を、唇と手でしっかりと愛撫され、私は極限まで張りつめさせる。
「隼人さん…!!」
 私の苦しげな艶の有る声は、隼人さんの欲望を更に刺激したらしく、私の脚に当たった彼の剛茎は先ほどよりも硬く大きくなっているように思えた。
 ぎゅっと私が隼人さんの躰を抱きしめると、彼が色気のある声を出した。
 それが私を更に刺激する。
 愛があれば、たとえ声だけでも甘い感覚に浸れる…。
 隼人さんの唇は名残惜しそうに胸を離れ、私の平らなお腹に舌を這わせてくる。うっすらと付いた筋ぞいに。
「白くて滑らかな肌だね…」
「ああ」
 そこが何を目指しているかを、もう知らない私ではない。期待に震え、腰を僅かに上げる。
「綺麗だよ…」
 私の恥丘に繁る柔らかな羽毛に隠れる熱い場所に、隼人さんの唇は到達する。
「あああっ!」
 秘華の表面を舌で撫でられるだけで、肌は最高に潤んだ。
 隼人さんの舌は塗れた蜜を流すクリークに侵入し、その内側を丹念に舐めてくれた。
 捏ねるように舌が動き、私を支配する。
 気持ちが良くて、私はいつしか涙を流していた。
「…あ、隼人さん…」
「いつみても綺麗だな、未来の華は…」
「や、あ、ああっ!」
 雨の音なのか、私の濡れた場所からこだますのか判らない水音が耳を付く。
 隼人さんの綺麗な指が胎内に侵入し、舌は真っ赤に硬いルビーをなぞった。
「はあ、あああっ!」
 熱くて透明のねっとりした液体がお尻に流れ落ちてくる。
 それが心地よくて、私はまた声を上げる。
 隼人さんの舌と指は相変わらず私を攻め続けた。
 舌でルビーを転がしたり、噛んだり。指は蠢く胎内をかき回したあげくに、最奥を緩やかになぞっている。
「あ、ああ、あああっ!」
 腰が震えて、私はどうしようもなくなる。隼人さんを元得手動くそれは、私には最早コントロールが出来ないところまで来ている。
「可愛い…。最高だよ…」
「ああ、ああ、あああっ!」
 尾てい骨に焼けるような快感が起こる。
 総ての快楽を支配されて、私はどうしようもないほどに感じる。
「ああ、ああ、あああっ…!」
 隼人さんが最奥をくいっと撫でた時に、全身に快楽があふれ出した-----

 暫く私は放心状態だったが、隼人さんはそんな私の瞳にキスをする。
「僕の性欲握って…」
「あ…」
 私は恥ずかしいものの、隼人さんがどれだけ私を欲してくれているか知りたくて、隼人さんの分身を握った。
「…未来…っ!」
 握るだけで隼人さんは酷く息を乱す。
 隼人さんの男刀は大きくて硬く、私は愛しげにそれを指でさする。すると隼人さんは更に躰を震わせ、私の手を掴む。
「これを君の中に入れたい…」
「来て…!」
 私が言うと、隼人さんは頷き、私の脚を大きく開かせる。
 私も期待で胸がいっぱいになり、蜜を更に滴らせた。
「綺麗だ…。濡れた君は…」
「やん…」
 じっくりとそんなところを見られてしまうと、恥ずかしくてしょうがない。
 私が恥ずかしさの余りに瞳を閉じていると、先端が緩やかに胎内に入ってくる。
 先端だけでじれったくて、私は思わず腰を揺らして強請った。
「…隼人さん…っ!」
「僕の性欲が欲しい?」
「欲しいです…!」
 私が懇願の余りに切ない声を上げると、隼人さんは緩やかに胎内に入ってきてくれた。
「ああ、ああ、あああっ!」
 ようやく空洞を致されて、私は驚喜の余りに涙を流す。
 隼人さんを全身で感じられるのが嬉しい。
「未来…」
 私の名前を呼びながら、隼人さんは厳かに動いてきた。
 私の道を摺るように甘く動いた後、最奥をじれったいような動きでくすぐってくる。
「…や、ああ、ああっ!」
 肌が汗ばみ、私は隼人さんにしがみつきながら、その律動を愉しむ。
 太くて熱い楔に撃ち抜かれて、私は空の上に登っているような感覚に襲われる。
「あ、あああっ! 隼人さん…私もう…!」
 私の肌と躰が震え出すと同時に、隼人さんの動きも活発になる。
 なんども感じる場所を突き上げられて、もう限界だ。
「ああ…! もうっ!」
「未来…!」
 渾身の力を込めて隼人さんに突き上げられ、私は意識を手放すしかなかった-----


 意識が回復すると、隼人さんは甘く笑って抱きしめてくれた。
「よかったよ」
 その一言に私は、真っ赤になって彼の胸に顔を埋めて隠した。
「…知ってる? 未来。フランス人はね、イクことを”小さな死”って呼んでるんだよ?」
「うん。なんとなくそれは判るような気がする…。死んでしまうくらい…気持ちが良い物…」
「そうだね…。特に未来は最高だよ…」
 隼人さんは甘く言ってキスをくれる。
 幸せになれるセックスとキス。
 隼人さんじゃないときっとくれない。
 私は雨の音と隼人さんの胸の鼓動をBGMに幸せを感じながら瞳を閉じる。
 また、隼人さんの”性欲”をいっぱい、いっぱい欲しいと思いながら----
コメント

…えろい




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