静かな空間で、私たちは本を読んでいる。 こうして静かな空間で、隼人さんと漂っているのが何よりも好きだ。 私は勉強と趣味も兼ねてフィッツ・ジェラルドの原書を、隼人さんはアメリカから取り寄せた最新の医学雑誌を読んでいた。 お互いに読書が好きで、オールディーズと小気味の良いジャズなど、空間を大切にした音楽を好んでいる。 今は、どこ郷愁を感じる、優しいカレン・カーペンターの声が、部屋の中に鳴り響いていた。私たちを優しく包み込んでくれる歌声。 ふと横に座って読書をする隼人さんを見つめる。相変わらず綺麗な横顔だ。癖のある赤茶色の髪、高くて筋の通った鼻梁、甘くて整った唇-----どの部位も、私が大好きな隼人さんには欠かせない物だ。 私がじっと見つめているのに、隼人さんはそれに気付かないかのように、一生懸命雑誌を食い入るように読んでいる。 隼人さん、どうか、気付いて? 気付いて欲しいの。私はあなたの隣にいるのよ。 見つめていも埒があかない。 こんなに私があなたを求めているのに----- 私は少しイタズラ心を芽生えさせ、隼人さんの頬にキスをした。 「…ん…」 隼人さんはそんなものより雑誌が良いとばかりに避ける。なんだかうざったいもののように私のキスを扱った。 ショック。 どうしても気付いて欲しくて、私は今度は隼人さんの躰に胸を押しつけて、耳朶を噛んだ。 「…本を読ませてくれ」 隼人さんはどこか苛々していて、私を完全に邪魔者として扱ってきた。 …私は見事に玉砕。本に負けてしまった。 悔しくて胸が痛くて、泣きそうになりながら私が立ち上がろうとすると、いきなり隼人さんに手を掴まれて、ソファに押し倒されてしまう。 「きゃあ!」 「悪い子だ…君は」 隼人さんは低い声で呟くと、医学雑誌をどこかに投げてしまい、私をソファに釘付けにする。 艶が宿った隼人さんの眼差しに、私は胸の鼓動を高めながら、僅かに肌を震わせる。心臓がドキドキしてしまうぐらい、私は隼人さんの行為にくらくらしていた。 「誘惑って言うのはね、こうやってするもんだよ」 「あっ!」 隼人さんは私の唇を深く奪いながら、舌をするりと口腔内に侵入させて、私に濃密な愛撫をくれる。 一番感じる上顎の部分を丹念に愛撫をされて、私は拗ねるのを忘れてしまうぐらいに夢中になっていた。 その間も大きくて器用な手で服をまさぐられて、私のブラウスのボタンは完全に外されてしまう。 キャミソールの上から敏感な胸を揉まれてしまい、私は隼人さんにしがみつくしかなかった。 全く、どちらが誘惑されているか判りはしない。 「あ、あ、ああ…」 下着の上から胸を揉まれるだけでも、私は充分感じてしまい、青かった果実は確実に熟れていく。 張りつめて、どうしようもないぐらいに熱に追い立てられて。 隼人さんが唇を外した。まだ唾液でべたべたの私の顔を舌で愛しげに舐めてくれるのが、私には最高に幸福だった。 首筋に少し冷たい唇を宛てながら、隼人さんは甘く染み入る声で言う。 「誘惑はね、こうするんだよ、お姫様」 隼人さんは、約束の指輪が煌めく私の左手薬指にキスをすると、そのまま抱き上げてくれた。 「誘惑の続きをしようか?」 「して…」 私は彼を求めるようにしっかりと抱き付くと、めくるめく誘惑の時間に溺れていく。 隼人さんは私をベッドに寝かせてくれ、私が強請るように手を伸ばすと、しっかりと抱きしめてくれた。 「----本は良かったの?」 「本より君とセックスがしたい…」 隼人さんはロマンスの溢れた声で言うと、私の下着を脱がしにかかる。 私も隼人さんとセックスがしたい。 大体にして、私は隼人さんとのセックスが好きだ----こんなことを堂々と宣言すると、淫乱のように思われてしまうかも知れないけれど、隼人さんとするセックスは、私が私でいさせてくれる。 初めての時よりも、今はもっと感じることが出来る。 セックスは、相手への思いやりとじっくりとした成熟でもっと良くなるものなのだと、隼人さんが教えてくれた。 「ああ…!」 隼人さんの手が、私の乳房を持ち上げるように愛撫してくる。 柔らかく、そして時には強く。私を翻弄するように揉みこんでくる。 「…未来の胸の感触が僕は好きだな…」 隼人さんはうっとりとするように私の乳房を揉んでくれる。冷たかった乳房は熱を帯び、熟して割れそうな果実に変化する。 痛いくらいに張りつめて、私は僅かに顔を顰めた。 「…ああ、隼人さん…」 「おまえの胸が好きだよ、未来。とても綺麗だ…」 「あああんっ!」 隼人さんは愛しげに私の乳房を撫でながら、自らそこに顔を埋める。 熱い吐息が乳首に当たって、私は腰が痺れるぐらいに感じていた。 「…隼人さん…!」 尖った乳首をちゅうと音を立てて吸われて、躰の奥に火がつく。それは炎の蜜となって、私の躰の外へと流れていく。 「ああ、ああんっ!」 隼人さんに胸を愛撫されるのも好き。 彼は私がそこを酷く感じることを知っていて、充分過ぎるぐらいの愛撫をくれる。 この間、隼人さん自身が私の乳房を愛撫するのが好きだと言ってくれたのが、とても嬉しかった。 私は隼人さんの肌の匂いを吸い込む。深い森にある緑の匂いがして、私をいやしてくれる。 心も躰も総てを、隼人さんはいやしてくれる。 だから私も、彼の心も躰も癒して上げたいと思う。 隼人さんは、私の乳房に夢中になりながら、秘密の丘を指先で緩やかに撫でた。 「ああっ…!」 緩やかに撫でられた園に生える羽毛は、すでに湿っていて深い色になっていた。 「濡れてるね…」 くすくすとからかうように隼人さんが笑うものだから、私は恥ずかしくて真っ赤になってしまう。 私からとろりと流れ出す愛の蜜は、隼人さんへの愛の証だというのに。 「あ…っ!」 隼人さんの繊細な指が、私の温かな秘密の花園に侵入してきた。 襞を押し広げられ、じっとそこを見ているのが判る。見ないで欲しいのに、いつも隼人さんは眺めてくる。 「ルビーみたいに綺麗だね…」 「いやっ!」 恥ずかしくて、私が腰をくねらせて嫌がっても、隼人さんは止めてくれない。むしろそれが歓んでいると取る。 「あああっ!」 隼人さんの指が私の胎内に入ってきた。私は期待してしまい、腰を淫らにも上げてしまう。 隼人さんの指は、私の蠢く胎内を摺るように入り、奥にあるふっくらとした場所を柔らかくタッチする。 それが気持ちが良すぎて、私は涙を滲ませながら嬌声を上げていた。 「ああ、ああっ!」 心ゆくまで隼人さんを感じたい----- 最初にこの誘惑ゲームを始めたのは私なのに、主導権は隼人さんが握っている。 瑞々しい泉を指でかき回しながら、隼人さんは私の濡れたもうひとつの唇に唇を押し当てた。 愛しそうに舌で秘密の核をねぶり回し、私は頭の芯が痛くなるぐらい感じていた。 究極まで追いつめられる。 隼人さんが欲しくて堪らない。 熱くて硬くて、私の総てを支配する隼人さんの熱い高ぶりが欲しくてしょうがない。 「…隼人さん…お願い…」 「お願い…?お強請りかい…?」 意地悪な事を艶のある低い声で囁くと、隼人さんは自らの怒張で私の入り口を撫でる。 焦らされて、私は狂うように白い腰を捩らせた。 欲しくてたまらないのに。 「…お願い…っ!」 泣きながら懇願すると隼人さんは笑い、涙が滲んだ私の瞼に音を立ててキスをした。 「…可愛いね、未来は…。愛しくてしょうがないよ…」 隼人さんは宥めるように私の唇にキスをした。 「…避妊ゼリーを使わなくていいかい?」 「…隼人さんが望むなら…」 私は本当にそんな気分だった。 「おまえとの間に可愛い子供が欲しいって言ったら怒る?」 「怒らない…。私も欲しいから…」 「有り難う」 もう一度甘く唇にキスをした後、隼人さんが胎内に入ってきた。 「…あ、ああ、あああっ!」 満たされた感覚に、私は鳥肌が立つぐらいに感じる。 隼人さんの雄剣は嵐のように胎内を走り抜け、私の最奥に突き刺さる。 「ああ、あああんっ!」 揺すり上げるかのように腰を動かして、隼人さんは私の胎内を攻め立てる。 熱くて、力強くて、大きな隼人さん。 私は支配されるのがとても嬉しかった。 「ああ、あああっ!」 「…未来…。とろけそうなぐらいだよ…」 「隼人さん…!」 とろけたいのは私の方。 隼人さんに緩やかに最奥を撫でられて、気が狂うぐらいに感じてしまっている。 もっと、もっと欲しい。 濡れた羽毛を隼人さんになすりつけるようにして、私は強請った。 私は相当感じていて、溢れかえる蜜が隼人さんの躰を濡らす。 女としての幸せを感じた。 「ああ、あああんっ!」 隼人さんの動きが速くなる。 抜き身の剣は私に襲いかかり、激しく何度も突いてくる。 「ああ、ああ、ああああっ!」 快感が頭を突き抜け、全身が痺れる。 隼人さんをしっかりと包み込みながら、私は身のうちに快楽が迸っていくのを感じた。 緩やかに漂っている。 横にいる隼人さんも満足げに微笑んでいる。 「愛してるよ…」 「私も、愛しています」 愛の言葉を囁くと、私は隼人さんの躰の上に乗り、今度は私から隼人さんを誘惑しにいった---- |
| コメント 夏のペーパーに大幅加筆修正を入れました〜 |