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気怠くて鈍い感覚で躰が覆われている。 ゆきは下半身が鈍く痛むのを感じながら、ゆっくりと目を開けた。 すると小松が艶やかな切れ長の美しいまなざしで、ゆきをじっと見つめてくれている。 こんなにも艶のある瞳で見つめられると、ゆきは心が甘く蕩けてくるのを感じた。 何だか恥ずかしくて、ゆきは顔を隠す。 「ゆき、大人の女性は、顔を隠すなんて無粋な行為はしないものだよ?」 小松にからかうように言われて、ゆきは怖々と顔を出した。 すると、小松はフッと楽しげに笑うと、ゆきを抱き締めて、離さないようにする。 「……ゆき、そんな可愛いことはしない。今はね……」 小松は声のトーンを押えながらも、甘さを帯びた声で呟いた。 「……だって、恥ずかしいですから……」 ゆきが素直に言うと、小松は喉を鳴らして笑う。 本当に愉快そうだ。 「恥ずかしがる君も可愛かったよ。ゆき……」 小松は甘く幸せに満ちた声で呟くと、ゆきを抱き締めた。 抱き締められると、お互いに裸であることを、意識させられる。 小松の躰は精悍さと大きな温もりが滲んでいて、ゆきは安心せずにはいられなかった。 小松の筋肉が綺麗に着いている胸で、しっかりと抱き締められる。 小松の鼓動が小刻みに動いている。 子守歌よりも優しいリズムだ。 目を閉じると、安心出来て、ゆきはゆっくりと鼓動を感じる。 「……ゆき、君は誰よりも最高だよ」 小松はとっておきの甘さと官能が含んだ笑みをゆきに向けると、ゆっくりとゆきにキスをした。 「……君の心根も私はすきだけれど、君を抱いて、もう離れられなくなってしまったよ……。君は最高だよ。凄く素晴らしい……」 小松な満足したと、うっとりと見つめた。 不意にゆきの熱い場所に手を伸ばしてくる。 触れられるだけで沸騰するぐらいに熱かった場所が、更に熱くなってゆく。 「……やっ……」 「ねえ…、君は本当に最高なんだよ……。少なくとも私は君に夢中だ」 小松は口角を上げると、ゆきの痺れて熱い場所の更に奥を探ろうとしてきた。 「……やっ!」 先ほど愛されたばかりだから、かなり敏感になっている。 ゆきはこのまま熱い感覚に支配されるのが悔しくて、逃れるために躰を捩らせるが、小松がそれを赦してはくれなかった。 「駄目だよ、そんなことをしても無駄だからね。私は君に夢中の上を通り越しているみたいだけれどね……」 小松が入った場所は、再び欲望の熱を持ち始めていて、求めるように愛の蜜を滲ませる。 「……ゆき、私は嬉しくてしょうがないんだよ……。君が最高の女性だからね……。君以上の女性は確実に見つからないのは解っているからね……。君は本当に素晴らしいよ……。夢中以上だよ……」 甘い愛撫に、ゆきは息を乱す。 「君は、可愛い反応をするね…」 からかうような小松の声に、ゆきは幸せに思いながら、くすぐったい幸せを感じた。 「本当に君は可愛い表情をするね」 小松が艶やかな笑みを浮かべたかと思うと、ゆきを再び組敷いてくる。 ゆきは一瞬何が起こったかが解らなくて、小首を傾げた。 小松が再び躰をまさぐりはじめて、ゆきは緊張の余り、躰を甘く震わせる。 「……小松さん……!」 喘ぐように小松の名前を呼んで、いやいやと躰を動かして、小松の腕から逃れようとしても、許してくれるはずがなく、むしろ余計に動かないように躰をしっかりと捕らえられてしまう。 ゆきは何度も小松から逃れようとしても、直ぐに動かないようにされてしまう。 ちらりと小松の顔を見つめると、イジワルな眼差しをゆきに向けてくる。 「……私から逃れられるとでも思っているの……!?」 「小松さん……」 逃げられない。 そんなことはゆきが一番解っている。小松からは一生離れられないことぐらいは。 「……それに君は知っている? 初めての時は二回ぐらいはしないといけないことを……」 小松は少しダークで魅惑的な声で呟くと、ゆきの唇に甘い甘いキスをくれる。 ゆきは真っ赤になりながらそのキスを受けながら、うっとりとした気分になった。同時に、小松の言うことを受け入れなければならないとすら思う。 ゆきはその方面のことは、同世代の女の子たちに比べると、随分と疎い。それは都たちがそのような情報からゆきを遠ざけていたと言うのもあるのだが。 ゆきは小首を傾げながら小松を見つめると、いきなり抱きすくめられる。 「君は無防備過ぎるんだよ……。私の理性がこのままでは持たないよ……」 小松は掠れた低い声で囁くと、ゆきを再び濃密に愛し始める。 ゆきは小松の与えてくれる甘い刺激に溺れるしかなかった。
何度も愛し合って眠りについたせいか、目覚めてもゆきには時間の感覚が戻ってはこなかった。 ゆっくりと目を開けると、小松がゆきをしっかりと抱き締めたままで眠っている。 眠っている小松はうっとりするぐらいに、精悍な美しさを輝かせていた。 幸せだ。 なんて満たされた朝なのだろうかと思う。 この世界中でたったひとり小松だけがゆきの総てを知っている。 それほどまでに愛しい人と出逢えて、なんて幸せなのだろうかと思う。 なんて幸せで満たされた感覚なのだろうか。 ゆきはつい笑顔になった。 見ているだけでも、飽きない。小松の寝顔は、とても涼やかで綺麗だ。 「……ん…」 小松がゆっくりと目を開ける。 切れ長の冷悧な瞳が開かれて、ゆきだけを見つめる。 「おはよう」 小松は気だるそうに見つめてくると、ゆきを抱き寄せてキスをした。 こうしていると世界で一番ステキな女の子になったような気がする。 素晴らしい男性に愛されると、こんなにも幸せな気持ちになれるのかと思う。 「私とこうなって君は嬉しい?」 「嬉しいです…」 ゆきは真っ赤になりながら素直に自分の気持ちを伝えた。 「可愛い子には御褒美をあげないとね……」 小松は喉の奥で笑うと、ゆきをベッドに組み敷く。 「……私は君を永遠に離さないからね……」 小松のか言葉が嬉しくて、ゆきはつい蕩けるハチミツのような気分になり、甘いスウィーツを食べているような笑顔になる。 「……そんな可愛い笑顔をしている子は食べてしまおう……」 小松は低い声で呟くと、ゆきに深いキスをする。 ゆきはそのまま、永遠に失わないだろう愛の激しさに溺れていった。
大好きなひとと迎えた朝は、素晴らしい1日の始まりを約束してくれている。 ゆきは小松と少し遅い朝食を取った後、宛もなく手を繋いでのんびりと歩く。 これだけでとっておきのデートをしているような気持ちになった。 春風にあたり、大好きなひとと人と一緒にいる。それだけでなんて幸せなのだろうかと思わずにはいられなった。 「これで私も少しは大人の女性に近づけたでしょうか?」 「……さあね……。まだまだにしておこうかな?」 小松はイジワルく言うと、ゆきの耳許に唇を近づけてくる。 ゆきはドキドキし過ぎてしまい、逃げるように顔を背けた後、耳朶まで真っ赤にさせた。 「君は相変わらず初々しい反応をするよね……」 くすくすと喉を鳴らして笑いながら、小松は甘く意地の悪いステキな笑顔をゆきに向ける。 「……君を本当の意味で大人の女性にしてゆくのは、私だけに与えられた特権だからね。誰にも譲る気はないから……。一生……」 小松はイジワルな低い声で呟くと、ゆきの手を思い切り握り締めた。 「……ずっと、一緒にいて見守っていて下さい……。私が大人の女性になるのを……」 「ああ……。勿論だよ」 ゆきは小松と見つめあうと、お互いに誓うように笑顔になる。 まだまだ大人の女性としては、ヨチヨチ歩きだけれども、ゆきはきっと大丈夫だと確信する。 愛するひとが傍にいるから。
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