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ゆきは、心地好い微睡みから目覚めると、小松が優しく抱き締めながら、こちらを見つめてくれていた。 フローリングではなく、心地好いベッドに寝かされている。 勿論、生まれたままの姿で。 「起きたの?」 「……はい。今、何時ぐらいですか?」 ゆきは目を擦りながら、小松を見つめる。 「今は10時だね」 時間を伝えられて、ゆきは目が覚めた。 「花火大会、終わってしまったんですね」 楽しみにしていた花火大会も、小松の魅力の前では、何の力も持たなかったことを、ゆきは改めて感じずにはいられない。 残念そうにゆきが肩を落とすと、小松は意地悪な冷たい眼差しを向けてくる。 「花火大会よりも私を選んだのは君自身だと思うけれど」 小松に冷ややかに言われて、ゆきは身体を小さくさせる。 「……そ、そうなんですけれどね……」 小松は何よりも誰よりも魅力的だ。ゆきの世界では、一番魅力的なものなのだ。 「……花火よりも私を選んでくれたのはとても嬉しいけれどね」 小松はくすりと笑うと、ゆきの身体を更に近づけて、抱き締めてくれた。 「……もうそろそろ帰らないと……」 ゆきがもぞもぞとベッドから出ようとすると、小松はゆきをベッドから出られないように拘束してきた。 「た、帯刀さんっ!?お願い、はなして下さいっ」 「駄目……。君を離したくないからね。今夜はうちに泊まりなさい。ご両親にはきちんと伝えているから大丈夫だよ」 小松は何でもないことのように、しらっと呟いたが、ゆきはそれがまた恥ずかしくてしょうがなくなった。 両親からは公認されているし、小松とは早いうちに結婚するのだろうとすら思われている。 結婚。 そうなれば、良いなとくすぐったく思ってはいる。 だが、また母親が早く結婚すると言っては、幸せそうにゆきをからかうのが恥ずかしいのだ。 「……ゆき、今夜は泊まりなさい。これは私からの命令」 小松はゆきの頬のラインを意味ありげになぞりながら、額にロマンティックなキスをしてくれた。 「……はい。すこし恥ずかしかっただけです……」 小松は再びゆきのマシュマロのような美しいボディラインをなぞってくる。 意味ありげに身体を撫でられて、ゆきは再び甘い声を漏らす。 すると、小松は再び、ゆきの身体を楽しむように撫で付けてくる。 身体を柔らかく撫でられると、再び先程と同じように身体が快楽に目覚めてゆく。 小松はゆきの柔らかな乳房をやんわりと揉み込んだりしてくる。 「……帯刀さん、今夜はムリだよ」 「本当かな?君の身体はそんなことを言っているとは思わないけれどね」 小松はくすりと意地悪に笑うと、ゆきの熱くて蜜が流れ出す花に指先を伸ばした。 そこは、ゆきの甘い蜜だけではなく、先程、直接放たれた、小松の欲望が混じりあって、既に受け入れられるようになっている。 小松にほんの少し触れられるだけで、ゆきは感じてしまい、更に蜜を流してしまう。 「……んっ、帯刀さん……」 「君のここは帰りたくない、もっと私を直接受け入れたいと囁いているよ」 小松が余りに楽しそうに囁くものだから、ゆきは更に恥ずかしくなってしまった。 「私のと君のとが混じりあって、既に準備が万端だね」 小松はゆきの入口を更に焦らすように弄ってくる。 一度火がついてしまった身体を、もて余すわけにはいかない。 「……ね、ゆき、来年の今頃は、小さな子供と花火大会を一緒に見るというのも、ありなのかもしれないね」 小松はこちらが甘いロマンティックに満たされるような言葉をさらりと呟いてきた。 ゆきが満面の笑顔になると、小松はくすりと微笑む。 なんて魅力的な微笑みなのだろうかと、ゆきは思わずにはいられない。 「嬉しそうだね?そうなると、私も嬉しいね。その願いを叶えるには、私たちが愛し合うのが一番だと思うけれどね」 小松は既に準備が出来ているゆきの身体を、ベッドに押し倒す。 「た、帯刀さんっ」 「愛し合わなくちゃいけないでしょ?」 小松は艶やかな笑みを浮かべると、ゆきを再び愛し始める。 「……ゆき、君よりも花火は魅力的だよ。私は、君をずっと抱いていたいって思うよ。花火を見るよりも、もっと素敵なことを見せてあげるよ……」 小松の言葉と行為に、身体の芯が蕩けてしまうほどの甘い幸せを感じながら、ゆきはその身を任せていった。 泊まるからか、小松にはたっぷりと愛された。 めくるめく愛の時間をふたりで共有した後、幸せな眠りに落ちた。 こんなにも気持ちが良い微睡みは他にはないのではないかと、ゆきは思った。 気持ちが蕩けてゆったりする。 小松としか、このような幸せな時間を持てやしないだろう。 朝、目覚めて、ゆきは一瞬ぼんやりとしていた。 「おはよう。起きた?」 小松の輝くように艶やかな笑顔に、ゆきはドキリとしてしまう。 寝起きの顔を大好きなひとに見られるのは、正直、恥ずかしい。 顔を隠そうとすると、小松に阻止されてしまう。 「ゆき、顔を隠さないの」 「だって、恥ずかしいです…。寝起きだから……」 「私だって寝起きだけれど?」 「帯刀さんは男の人だし、綺麗だし……」 ゆきは、眩しいぐらいに美しい小松を、ちらりと見つめて、拗ねるように呟いた。 「綺麗なのは君でしょ? 何回言えば分かるの?」 「……私は綺麗じゃ……んっ……!」 いきなり小松に唇を塞がれてしまい、ゆきはそれ以上は何も言えなくなる。 キスは叱るように響くのと同時に、蕩けるようにとっておきに甘い。 ゆきは、小松のキスに夢中になってしまい、恥ずかしさが吹き飛んでしまった。 呼吸が難しくなるぐらいまで激しくキスをされた後、ようやく唇を離される。 ちらりと小松を見ると、涼しげに笑っていた。 「……私を夢中にさせてしまうぐらいに魅力的だということだよ……。君はね」 小松は甘く囁くと、ゆきを柔らかく抱き締めてくれた。 「……私だけを夢中にしてくれたら良いよ。君も私だけに自信を持って、夢中になると良いよ」 小松はフッと微笑むと、ゆきの頬にキスをした。 こうして甘いキスを受けると、ゆきは自信を持って良いのだと思えてくる。 愛するひとに対してだけは。 「自信を持ってみます。帯刀さんには」 「それが、良いよ。だったら、自信があるところを、私に見せて」 小松にいきなり言われて、ゆきは真っ赤になりながら、上目遣いで見る。 「どうやって」 「そうだね、君からキスをしてくれたら、自信を持っていると認めようかな」 キスを自分からするなんて、出来ない。 だが、小松はそれをしないと許してくれそうにない。 「どうしたの?キスをしないと、認められないよ」 「は、はいっ」 ゆきは決死の覚悟を決めて目をつむり、小松の唇に触れるだけのキスをした。 逃げるように唇を離すと、小松はゆきを抱き寄せて更に深いキスをする。 キスの後、小松は意地悪に甘く蜂蜜のような笑みを浮かべた。 「まだまだだけど、まあ、良しとしようか。いつか花火のように華麗なキスが出来るように指導するかな」 小松の楽しそうな声に、ゆきはほんのりと拗ねる表情を浮かべる。 夏の花火のような輝かしい大輪の花のようなキス。 それがいつか出来れば良いと思わずにはいられなかった。 |