大逆転の恋

2


 触れられた将臣の肌は火傷してしまうと思うぐらいに熱い。
 望美はその熱さに身が焦げてしまいそうに思う。
 暑い。息が出来ないほどにに熱い。
 恋の熱さか。それとも将臣と自分の体温の熱さか-----そんなことは解らないが、とにかく今この瞬間だけ、とろとろに溶けてしまいたかった。
「…望美…っ!!」
 将臣が望美の薄い肌を傷つけるように、強く首筋にキスをしてくる。確実に痕は出来るだろうと思われるぐらいに、音を立てて吸い上げてきた。
「…いた…いっ!」
 声を上げて抗議をするが、止めてくれる将臣ではない。それどころか、首筋から、鎖骨へと、将臣の付ける痕が更に多くなった。それはまるで、ま白い紙に将臣色の絵の具を落とすようだ。
「…消え無くなっちゃう…」
「消えなくて良い。お前が俺のものだって事を、とことんまで主張できるからな」
「だって、将臣君は私のものじゃないじゃない…っ! 他の人の…」
「黙ってろ」
 将臣は望美の唇を粗暴に塞いでしまうと、口腔内に舌を差し入れてくる。舌を甘く吸い上げられて、夢中になっている間に、将臣の指は望美のブラウスにかかっていた。
 最初は手慣れたようにボタンを外していたのに、最後はもどかしいのか引きちぎっていく。
 激しいキスを受けながら、望美は泣きたい気分になった。
 どうしてこんなことをするの? 愛していないのに、他の愛しているひとがいるのに…。
 遣る瀬無い想いに、望美は涙をポロポロと流した。
「泣くな…。泣いても俺は止めねぇからな…」
 ボタンが弾け飛び、下着があらわになる。将臣が器用にブラジャーを外すと、ぷるりと乳房が飛び出した。将臣の吐息が激しくなる。
「…あっ…!」
 胸を強く掴まれて、揉みあげられる。柔らかな乳房に将臣の指が荒々しく入り込んで、痛みが走った。
 躰自体の痛みなのか、心の痛みなのか、望美には解らない。ただ眦に涙の筋が走るだけ。
 こうしていても、将臣の心が自分にないのが辛い。
「望美…っ!」
 魂の奥から将臣の声が搾り出される。胸を乱暴に揉みながら、首筋や鎖骨の辺りと言った、見える場所にくっきりと所有の痕を付けられた。
「…あっ…!」
 甘い声が唇から漏れるのと同時に、将臣の親指が乳首を掠った。
 喉が鳴る望美に、承諾と取ったのか、将臣は指で乳首を弄り始める。指先で触られるだけなのに、望美は首をのけ反らせてしまうぐらいに、肌を震るわせた。
「こんな綺麗な肌…、俺以外の男に見せるな…」
 命令するように将臣は言い、柔らかな部分に舌を這わせた。
 独占欲のある命令は嬉しい。だが、将臣は望美をいつだって独占が出来る。だが、望美はいつだって独占することは出来ないのだ。いつだって将臣の心を独占することなんて出来なかった。望美はいつも「幼なじみ」と言う名の指定席にいたのだから。
 この瞬間ならば、将臣の事を独占出来る。
 狂おしいキスを女の象徴に受けながら、望美はせめてこの瞬間だけは、将臣のオンリーワンになりたかった。
「将臣く…ん、今だけ…、今だけでいいから…、私の事だけを考えてね…」
「んな可愛いことばっか言うと、マジで止められなくなるからな。覚悟しろよ」
「あっ…!」
 骨が軋んで音を立てるぐらいに強く抱きしめられる。望美は将臣に総てを預けた。
 乳首を強く吸い上げられ、その周りの輪を舌先でちろちろと舐められる。
 望美は将臣の肩に指を食い込ませると、快楽にうち震えた。
 乳首が敏感になり色を変える。もう純粋な時代には戻れない。少女と同じ躰をした神子姫の時代には。
「…望美、望美…っ!」
 名前を何度も愛しげに呼ばれる。それは自分だけが将臣の特別な存在にさせてくれるような気がした。
 白い肌に将臣が消えぬ痕を残していく。肉体的には消えるかもしれないが、心についた痕はきっと消えないだろう。
 酸素を求めて唇を開けると、将臣がキスをしてくる。逆に酸素が足りなくなるのを感じながらも、もっともっとキスが欲しくなった。
 将臣の指が躰のラインを撫でてくる。ウェストラインを撫でられると、甘い痺れが走った。
 将臣の手がスカートの中に入りこみ、ふっくらとした恥丘を、下着の上から撫でてくる。既に下着がぐちゃぐちゃになるぐらいに濡れていた。
「…濡れてるな…。こんなに感じやがって。俺以外の男に感じるなんて許さねえからな」
「あっ…! あっ!」
 下着の上から、巧みに突起を撫でられる。指先で摘まれると電流が走った。布を通して突起を撫でられると、どうしてこんなにも敏感になってしまうのだろうか。もどかしさが余計にそこを刺激する。
「-----もうシミになってぐちゃぐちゃだな…。おまえの…」
 将臣は甘く笑うと、望美から下着をするりと抜き取ってしまった。スカートも難なく取り払われて、望美はとうとう将臣の前で、誰にも侵されたことのない裸身を晒した。
「綺麗だな…おまえ」
 将臣は陶酔するように呟いてくれ、眼差しで望美のボディラインをなぞる。視線だけなのに、全身を執拗に触れられたように気分になり、望美は躰の奥が疼いた。
「綺麗じゃないよ…」
 恥ずかしさが先行して、つい卑屈な言葉を零してしまう。
「…綺麗だ。特にここがな…?」
「え! や、ああっ!」
 膝の裏を軽く押されるだけで脚から力が抜ける。だらんとなったところで、将臣が脚をしっかりと開いてきた。
 自分では直視できないくらいに恥ずかしい格好だ。まるで赤ちゃんがおむつを替える格好みたいだと、望美はロマンティックな欠片もないことを思った。
「い…やぁあっ!」
「俺はお前の総てを愛したいんだよ…。見せてくれ」
「いやだ…」
 唇だけは抵抗で震えているというのに、脚は将臣に従順だ。力すら入らない。
 将臣の指が望美の襞を掻き分けて、その中心を晒す。じっと見られているのが解る。将臣の熱い吐息が中心にかかり、躰が興奮に打ち震えた。
「将臣…くん」
 舌先が、硬く熱くなっている肉芽にかかる。舌を受けるだけで、その部分がどうしようもないぐらいにひくついてるのが、自分でも意識できた。
「とろけてきたな…。溶かしてやるよ…」
「ああ…」
 将臣が舌で緻密に突起を舐めている。その間にも蜜は大量に溢れ、将臣のベッドを汚している。
 気持ちが良いのに、泣きたくなるぐらいに恥ずかしい。
「ごめんね…将臣くんのベッド…汚しちゃっているみたい…」
「構うもんか。もっと汚せよ。お前の蜜で、ぐちゃぐちゃにしちまえよ」
「ああっ!」
 蜜が溢れかえる源に、将臣がつっぷりと指を挿れてきた。
 じんとした重い痛みが腰を通じて奥に伝わる。
「…いや…っ!」
「入り口を解さねぇと後で痛い想いをするだろうからな…」
「うん。ごめんね…」
「謝るなよ…」
 将臣は舌で襞に絡みつく蜜を舐め取りながら、指を望美の胎内でゆっくりと動かしてくれる。優しい動きに段々指を呑み込んでいることに、違和感を感じなくなってきた。
「…将臣…くん」
「望美…」
 淫らな水音を響かせながら、将臣の指は内壁を優しくえぐる。その優しい動きに、望美のそこは収縮を始める。
「あ、ああっ」
 自分でも将臣の指を離したくないとばかりに収縮しているのが解る。熱も快感も全部熱い場所に集中し、じわじわと爆発する瞬間を待っていた。
「気持ちが良いか?」
 そんな恥ずかしいことを訊かれても、ダイレクトに答えるなんてことは出来ない。望美が将臣から顔を逸らすと、艶のある瞳にからかうような眼差しを浮かべられた。
「もっと、もっと熱くさせてやる…」
 将臣は、望美の胎内に指を増やして、更に入り口を柔らかくしてく。胎内をとろとろに溶かしてしまうまで指を動かし、望美の熱を煽ってくる。
 鈍い痛みは相変わらずだったが、将臣が指を動かす度に、随分と楽にはなってきた。
 それもきっと舌で襞を舐められていたからに違いない。
「あ…将臣くん…っ!」
「…たまらねえ声を出すなよ…っ!」
 将臣の指の動きが早急になっていく。望美の内壁を擦りながら、深いところまで指が突き刺さる。
「あ、んっ…!」
 軽く顔を顰めるぐらいに痛みを感じ、望美は脚を突っ張らせる。だが将臣の指の動きは止まらなくて、望美を深い縁に追いつめる。
 水音が激しくなった。
 将臣が蜜を吸い上げるのもまた強さを増す。
 総てに咬み痕を付けられる-----望美の躰は、将臣をもう一生忘れられないような気がした。
「---ああっ!」
 奥を強く指で突かれて、望美の躰はそのまま弛緩して跳ね上がる。
 突然、嵐のような快感が押し寄せ、望美は脚を突っ張らせたままでベッドに沈み込んでいった-----

 何が起こったかが解らなかった。
 だがたとえ一瞬でも、自分が自分でなくなったような気がした。
「すげえ感じていたみてえだな」
「…知らない…」
「これで俺が胎内に入る準備は出来たみてえだな…」
 将臣はぺろりと、望美の脚の付け根を舐めると、そのまま強くそこを吸い上げ痕をつけた。
「ああ…っ!」
 消えないであろうほどに強く吸い上げられて、望美は肌を震わせる。
「おまえは俺のものだ。俺の女だ。いいな?」
「----私は、将臣君のものだよ。…でも、将臣君は、私のものじゃないよね…?」
 望美が泣きそうになりながら言うと、将臣は瞳を真摯に覗きこんできた。
「バカ…。俺はおまえのもんだ…」
 これ以上望美に何も言わせないとばかりに、将臣は深いキスで唇を塞ぐ。
 脚の間に逞しい躰を入れ込むと、昂ぶった自分の欲望で望美の入り口に撫でた。
「…んんっ!」
 鋭いドリルのような先端が胎内を押し広げて入ってくる。
 余りに痛くて、望美は将臣に縋り付く。
 だが、キスをしているせいで声を上げることが出来ない。
 その間も、望美に気遣いつつも将臣は胎内の中に入り込んでくる。
「んん…っ!」
 ずっと望美の純潔を護っていた膜が、将臣の剣の力によって破られた。
 痛くてたまらなくて、その瞬間だけは、将臣の背中をひっかいてしまう。
 それぐらいの痛みだった。
 だが痛みを和らげるように、将臣は甘いキスをずっとしてくれている。口腔内に入った舌は、胎内にいる将臣自身と同じ動きをする。それがひどく淫猥だった。
「ん、んんっ!」
 将臣が腰をスローなテンポで進めてきてくれた。
 まだ鈍い痛みがするし、将臣のものは大きいので望美が受け入れるのはかなり辛い。
 だが一生懸命その痛みに耐え抜いていく。
 すると、将臣の動きが少し止んだ。
 異物感でくらくらしそうになる。将臣の熱くて硬い大きな雄剣で、望美はお腹の中がいっぱいになっている気分だった。
「望美…全部入った…。後は凄く痛くはないはずだ」
「…うん…」
 将臣が額に貼り付いた髪をゆっくり撫でてくれる。
 その後は、どうしようもないぐらいに優しく動いてくれた。
 望美の総てを支配するように、優しく、甘く。
 こんな風に抱かれてしまえば、もう何も言えないぐらいに愛おしさが増す。望美は涙を流しながら、将臣に縋り付いた。
 もっと深く愛撫をして欲しい。
 とことんまで自分を欲して欲しい----
 女としての喜びと切なさが、望美を支配した。
 将臣の息づかいに余裕がなくなってくる。
 望美もまた熱に冒されて、快楽だけを求めるしなやかな女へと変わっていく。
 将臣のピストン運動が活発になった。
 望美の内壁を擦り込みながら、激しく出し入れを来る返す。ギリギリまで自分自身を抜いては、望美の最奥を深く突いていく。
 丘を何度も突き上げられると、望美は可笑しくなってしまいそうな錯覚に陥った。
 こんなに気持ちが良いなんて、思わなかった。
「…こんなに気持ちが良いセックスは初めてだぜ…」
 将臣が更に激し動いてくるものだから、望美は彼を縛り付けるかのように締め付ける。
「ああ、ああ、ああっ!」
 視界が幸せ色に染まる。
 将臣が躰を仰け反らせ、苦しそうにした瞬間、望美は一気に高みに押し上げられる。
「あああああ…!!!!」
 命が躍動を与える風景が一瞬見える。
 将臣が熱いものを望美の胎内に放出した瞬間、意識が遠のいた----

 あの後、何度も求められ、望美は立てないぐらいにぐったりとなっていた。
 将臣に背後から包み込むように包み込まれて、とても幸せを感じる。
「…望美…。見合いなんかするな…。俺の前から消えるな…。俺以外の男のものになるな…」
「将臣君…。でもあなたは別の誰かを愛しているんでしょ?」
「おまえ、どうしてそんなにとことんまでバカなんだよ…!!」
 将臣は溜まらないように言うと、望美の項にを思い切り吸い上げる。こんなに強くすわっれば、痣になるのは確実だ。
「や…っ!」
「おまえを愛していなきゃ、こんなに立てねえぐれえに抱けるわけねえだろうが。俺は女とナマでしたのは初めてだ。それぐれえ、ナマってのは、本気の女にしか、出来ないことなんだよ。望美、愛してる。愛してる、愛してる…! だから、俺の傍から離れるな」
「将臣君…っ!!」
 こんなにストレートな想いを、望美は今まで将臣に聴いたことはなかった。涙が溢れて、どうしようもないぐらいに嬉しい。
「----明日、ふたりでお見合いをぶっつぶそうぜ」
「うん…!!」
 ふたりはしっかり抱き合うと、再び肌を合わせ始める。
 望美は、きっとこの夢のような夜を忘れられないだろう。将臣と抱きあいながら、切に感じていた。


 翌日、朝将臣に起こされ、お見合いについて根掘り葉掘り訊かれた。
 時間のことが主なことだったが、将臣は直ぐに、望美に奇妙な注文を付けた。
「見合いには何で行くつもりだった?」
「ワンピース」
「だったらそれに着替えて、外に出ろ。俺も直ぐに着替えて玄関先で待ってるから」
「解った」
 望美は起きあがろうとしたが、甘い痺れに躰が自由を奪われてしまっている。
「どうした?」
「…腰が痛いし、あれも痛くて…」
 望美が泣きそうな顔で言うと、将臣の顔には満足げな表情が広がっていく。それを見ると、余計に恥ずかしくなる。
「おまえはもう完全に俺のものだって証だ。誰にもやるもんかよ。外に出たら支えてやるから、着替えてこい。お袋さんには、先に出るとだけ言って出てこい」
「うん…」
 望美はのろのろと支度をして、自分の部屋に戻る準備をする。
 恥ずかしいが、幸せな痛みだからこそ、我慢が出来るのだ。
「直ぐ後でな」
「…うん…」
 望美は頬を染めながら、自分の部屋に何とか戻った。
 部屋に戻ると、直ぐに熱いシャワーを浴びた。
 白い肌のあちこちには、将臣が付けた紅い痕があちこちに咲き乱れている。きっと、どんな格好をしても、消すことは出来ないだろう。
 シャワーを浴びた後、身支度をする。
 化粧をして鏡を見ると、自分でもいつもより綺麗になったと思うから不思議だ。これも将臣の魔法なのかも知れない。
「お母さん、少し早く出るわ」
 望美はあまり首筋などを見られないようにして、母親に告げた。
「こんなにも!」
 母親が驚くのも無理もない。何せまだ朝の8時なのだ。
「ちょっと用事があるから早く出るわ」
「解ったから、直前に連絡頂戴よ」
「うん」
 望美は素直に頷くと、慌てて外に出た。
 家の前では、将臣が自分の車にもたれかかって待っている。サングラスを掛け、気怠く煙草を燻らせていた。
「将臣君、お待たせ」
「ああ。望美、行くぜ」
 助手席のドアを開けられて、望美は慎重に乗り込む。それぐらい痛みはひどいのだ。
「すまねえな。そんなにしちまうまでだいちまって…」
「平気よ。大丈夫…」
 望美が何とか助手席に座ると、将臣は車を走らせた。
 最初は何処に行くのか解らなくて、望美はちらりと将臣を見る。
「何処に行くの?」
「いいとこだ」
 将臣はそれしか言ってくれない。
 結局何も言えないままに、車は早々と停まってしまった。
 そこは鎌倉市役所のサテライトオフィス。申請などを24時間受け付けてくれるところだ。
「おら行くぞ」
「待って…!」
 手を引っ張られて中に連れて行かれる。
 将臣は窓口に近付くなり、おもむろに言った。
「婚姻届をお願いします」
 望美は驚いてしまい、瞳を見開き将臣を多田見つめることしかできない。そんな望美を尻目に、将臣は甘く笑うとそっと囁いた。
「有川望美にならねえか…。ただし、有川の名字は一生返品不可だ。お前を妊娠させる計画も着着実に進行中だ。もう、逃げられないぜ」
 望美は余りに嬉しすぎて驚き、躰を震わせる。
 こんな大逆転が他にあるだろうか。口をぱくぱく開けながら、泣き笑いの表情を浮かべた。
「返事は?」
 返事なんて決まっている。
 たったひとつしかない。
「もろんよ!!」
「サンキュ!」
 将臣も本当に嬉しそうに笑うと、望美を抱き上げ、ぐるぐると回転してくる。
 本当に嬉しくて、どうして良いか解らなかった。
「い、痛いっ、将臣君…」
 望美はまた腰が痛んでしまい、顔を顰める。すると将臣は罰が悪そうに望美を下ろしてくれた。
「すまねえな。じゃあ、書くか」
「うん」
 ふたりで揃って、茶色の婚姻届に名前を埋める。印鑑は将臣が事前に用意をしてくれていた。戸籍謄本も、すぐに望美のものを請求できたので、必要書類も揃う。
 近くにいたひとに証人になって貰い、ふたりは無事に戸籍上、夫婦になった----


「遅いわね、望美…」
 プリンセスホテルの懐石料理店で、望美の母親と大伯母が相手とともに首を長くして待っていた。
 そして----約束の時間に望美は現れた。夫となった将臣と共に----
 しっかりと手を繋いで現れたふたりに、望美の母は嬉しそうに目を細めていたが、大伯母や相手は目を剥いてしまっている。
「すみません。本日のお見合いは出来ません。私、結婚しているんです。有川望美になりました…」
 望美は深々と頭を下げ、相手と大伯母にしっかりと謝る。
 そして将臣もまた男らしく頭を下げた。
「もうこいつは俺のもんだからな。悪いな」
 将臣はフッと余裕を持った笑みを浮かべると、望美を引っ張って外に出て行く。
 ふたりは幸せの笑みを浮かべ、後ろは大騒動。
 だが、こんなにも幸せ。
「望美、指輪を買いに行くか」
「うん」
 24時間前までは全く考えられなかったことが、今目の前で展開している。
 こんなに鮮やかな大逆転の恋なら、今までの想いも総てむくわれるのではないかと、望美は思った---
 
コメント

もし、大団円で、ふたりが恋の進行を遅らせていたら?
というパラレル要素たっぷりのSSです。
濡れ場は書いて楽しかったです。





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