恋の咬み痕

2


 将臣の唇が離れても、暫く望美はぼんやりとしていた。
 何が起こったかを自分で整理をする時間がなくて、半ば混乱していた。
「あ、あの、将臣く…」
 取りあえず名前を呼んでみても、何を言っていいのかが解らない。
 将臣の瞳が色濃くなり、野獣そのものになっている。
 抱き寄せられて、望美は甘く喘いだ。逞しい胸を強く重ねられて、息が止まりそうになる。
「…もう、お前を閉じ込める」
「閉じ込めるって…?」
 無防備にきくと、将臣がセクシィに笑った。
「誰にも見せないって、ことだよ」
「あっ…!」
 将臣が水着の胸元に手を入れてくる。乳首を指でこねられた後、柔らかな白い胸の感触を楽しむように揉みこまれた。
「あっ…! あっ…!」
 唇から甘い声が漏れると、将臣はそれを飲み込むように深いキスをしてきた。舌先が深く沈みこみ、望美は  ひとりでは立っていられなくなる。
 とうとうビキニトップを外されてしまい、将臣は乳首に唇を寄せてきた。
「虫よけをちゃんとして、お前に誰も寄せつけねぇよ」
「…だったら、将臣くんの虫よけは誰がするの…? だって、将臣くんの周りには…、いつも、綺麗なひとばかり…」
 望美が喘ぎながら拗ねた言葉で言うと、将臣は余計に愛撫を激しくする。
「あっ…! ダメっ…! 将臣くん…っ!」
 乳首にキリリと歯を当てられて、望美は背筋を美しくのけ反らせた。今までに知らなかった快楽が、下腹部を包み込んでくる。
「…将臣…っくん」
「お前が可愛いこと言うから悪いんだよ。お前が振り向いてくれねぇから、他の女にいっただけだ。俺はお前だけが好きだ。これからもずっと…」
「私はずっと将臣くんばかりを見ていたのに…」
 泣きそうな気分になりながらも、望美は幸福だった。恨みごとも、恨んでないから言えること。
「…だから、こんな挑発的な水着は、俺とぴったり一緒にいるときだけだぜ? いいな?」
「うん…! あっ…!」
 将臣の手は、自然と望美の下腹部を隠す水着の中へと入っていく。
 茂みを円を描くように撫でられて、望美はすんなりとした脚を震わせた。
「立っていられないよ…、将臣く…ん…」
「俺がしっかりと支えておいてやるよ」
 将臣は望美の細めの腰を引き寄せながら、自分の唇を平らなお腹から隠された場所に下ろしていく。
「…やっ…!!」
 臍をぺろりと舐められた後、将臣は望美のビキニを下げていく。
 太陽に曝された茂みは、きらきら輝いて淫猥だった。
「あっ…!」
 襞の奥にひっそりと隠れていた肉芽を、将臣の指が優しく触れてくる。それだけで、全身が震えあがってしまった。
「すげぇ濡れてる。海になんてお前は入っていないのに…」
「や…っ!」
 頭を振って抵抗しても、将臣には無駄な抵抗だった。
 指で肉芽を押し潰すように触れてくる。
「ん…っ、やだ…っ!」
 将臣のことがずっと好きで、いつかこうなることをどこかで夢見ていた。そのせいか、今、こうして触れられるのが、とても気持ちが良い。
 将臣の手が完全にビキニを下ろしてしまう。剥き出しになった女の部分が、ひどく敏感になっていた。
 将臣の指先が、襞を押し広げ、そこに顔を近づけてくる。
 淫猥過ぎる行為に目眩を覚えた。
「や…め…」
「やめねぇよ」
 将臣は、望美の肉芽に吐息を吹きかけると、そこを舌で舐め始めた。
 慣れているのは解っている。それが切ない。
 余りに気持ちが良すぎて、望美は頭がくらくらする。
「あっ…! やっ…!」
 つっぷりと音を立てて、胎内に指を入れられる。押し広げられる痛みに、望美は将臣の肩に指を沈めた。
「あっ…!」
「痛いか…?」
 眉間に深いシワを刻みながら、望美は何度か頷いた。
 泣きたくなるぐらいに痛い。だが将臣は止めてはくれなかった。
「止めないから」
 将臣は、ゆっくりと労るように胎内を掻き混ぜてくる。
 痺れるような痛みに、望美は唇を噛んだ。
「望美…」
 舌がまたうごめいているのが解る。
 溢れ出る甘い女の蜜を舐め上げられて、望美は腰を淫らに揺らした。
 どうして揺れるのか、解らない。
 将臣に縋り付きながら、望美は快楽に溺れた。
「将臣くんっ…」
 何をされているのか、そんなことは解っている。将臣だからこそ許せるような気がした。
「あっ…! ああ…!」
 波が派手に打ち上げる。望美は光の粒を見たような気がした。
 意識がプツリと途切れた後、ゆっくりと戻ってきた。
「望美…」
 将臣はくぐもった声で名前を呼んでくれると、望美を砂浜に寝かせた。
 そのまま恥ずかしくも、脚を大きく広げてくる。
「やっ…」
 抵抗しても止めてくれはしない。将臣は自分の海水パンツを脱ぎ捨てると、望美の肌に躰を重ねてきた。
「い…やあんっ!」
 将臣の分身が、入口を撫でる。ぬるりと硬いものが一気に押し入れられた。
「いやあああっ」
 痛くてたまらない。望美は泣きながら、将臣に縋り付いた。
 それを気遣ってか、将臣はゆっくりと胎内に入ってくる。
「いたいっ!」
「少しだけ我慢してくれ」
「あ…ああっ…!」
 将臣がゆっくりと壁をえぐるように先に進んで来た。
「…入ったぜ?」
「あん…」
 ふたりが完全に噛み合ったのだ。
 その喜びに、望美はむせび泣く。
「ゆっくり動くから…」
「あっ…!」
 将臣がこの上なく優しく動いてきた。その緩やかな動きに、望美は我を忘れ始める。
「あっ、ああんっ!」
 将臣に奥を突かれて、思わず嬌声を上げた。
 痛いのに気持ちが良くて、望美は腕を伸ばして、将臣に抱きつく。
「将臣く…んっ!」
 深い、深い場所で、将臣に烙印を押される。
 お前は俺以外を愛せない-----と。
「望美…望美…っ!」
 将臣の汗が胸を伝い、望美の汗と混じり合う。
 夏。
 海。
 恋。
 総てが熱に溶け、とろとろのひとつの液体になる。
「あ、あああっ…!!」
 しっかりと抱き合って、望美は将臣と一緒に、初めて奇跡の瞬間を見た----


 水着を身につけ、ビーチに戻る。
 将臣も望で、パレオとパーカーを身につけている。
 もう離さないとばかりに、将臣にしっかりと手を繋がれる。
「これでもう、お前をナンパしようとするやつはいねえよな」
 将臣は独占を剥き出しにするような眼差しを向けてくれると、眩しくも大人びた微笑みをくれた。
「ちょっと歩きぬくいけど」
「いいんだよ。俺がしっかり手を繋いでやるから----ずっと」
 望美は恥ずかしげに頷く。
 将臣が最奥につけた咬み痕は、幸せで甘い痛みがした。
コメント

幼なじみです。




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