8月12日
| 夜が更けて、望美は小さな女の子のような無防備な姿で、将臣の部屋に忍び込んだ。 「可愛い泥棒さんだな」 「将臣くんが忍び込んでこいって言ったんじゃないっ!」 「そうだったな」 将臣はくつくつと喉の奥で笑いながら、望美を抱きしめてきた。 お互いに無防備過ぎるから、余計にドキドキしてしまう。 喉の奥がからからに渇いて、心臓が飛び出す絵本のように出てしまいそうだ。 強く抱きしめたまま、将臣は耳たぶに口づけて来た 「俺がマジで欲しいもの知りたい?」 低くて掠れた甘い声は、男そのものだ。ロマンティックで艶やかで、望美を堂々と誘っている。もう望美が知っている男の子ではない。 「…教えて、将臣くん…」 「お前自身をプレゼントとして欲しい」 将臣の優しくセクシィな響きの声が、全身に染み通ってくる。 声だけで、切迫したような甘い胸の痛みと、肌の震えをきたす。 将臣が男として欲しがってくれている。 それは嬉しい。 だが、心につかえるものが取れない。 「期間限定…?」 望美の不安な声に将臣は驚いたように息を呑んだ。 「…それは、お前をその気にさせるための口実だと言ったら?」 将臣は望美の瞳を真っ直ぐ覗き込む。落ちて来た光は、望美の心に、太陽よりも力強い光を与えてくれた。 「…期間限定の恋人じゃなくて、これからはもっとお前の近くにいたい。期間限定を外していいか?」 情熱と愛が宿る瞳を向けられたら、心が激しく揺れる。幸福へと弾んでいくように。 望美は、緊張しながら囁いた将臣を抱き寄せると、今度は自ら愛を囁く。 「期間限定を外して、ずっと恋人でいさせて。だって今夜は、覚悟を決めてきたもの」 「覚悟?」 「将臣くんとセックスしに来たの」 望美は全身が、恥ずかしさと恋の情熱で沸騰するのを感じながら、強く将臣を抱き寄せた。 「…好きだ」 「私も大好きだよ」 「俺のほうがお前を好きだぜ」 「私のほうが好きだもん」 顔を見合わせると、くすりと笑いあうと、将臣は望美を抱き上げた。 「お前にリボンをかけるのが、最高のプレゼントだからな」 将臣は望美を狭いシングルベッドに寝かせると、素早く衣服を脱ぐ。 あらわになる男らしいボディラインに、望美は頭がくらくらした。 プレゼントしたブルーのチョーカーが筋肉の上で揺れて、望美は嬉しさと同時に、自分ではどうしようもないほどの欲望を感じる。 「ぬ、脱ぐんだよね…」 「それは俺の楽しみに取っておくから、お前は脱がなくて良い」 将臣は艶やかに笑うと、望美に深く口づけてくる。舌を差し入れられ、口腔内を愛撫される。 背筋に甘い旋律が走る行為に、頭がくらくらするのを感じた。 寝かされていなかったらきっと立ってはいられなかっただろう。 唾液を交換しあい、お互いの舌を絡ませ合いながら、恋情の深さを確認しあった。 将臣を求めるように背中に腕を伸ばすと、しっかりと抱きしめてくれた。 キスだけで幸福で、キスだけで全身が快楽に満ち溢れてくる。 将臣が唇を離すと、うっすらと糸を引くのが解った。 「ま、将臣くん…」 将臣は堪らないとばかりに、望美の唇に軽く口づけてきた。 「…すげえ可愛い」 将臣は唇を貧るように望美の首筋に押し当てて来た。 「…んっ、あっ…!」 くすぐったいのに気持ちが良い感覚に、望美は僅かに躰を震わせる。それを楽しむように将臣は笑うと、白い肌に唇をいくつも押し当ててきた。 「…予想通りにお前の肌、すげぇ滑らかだな…」 将臣は明らかな所有を示すために、望美のうなじを噛み付くように吸い上げて来た。 「あっ…! 将臣くん…っ!」 「…お前のうなじ、すげぇ綺麗だから誰にもやらない」 将臣は強く望美の首筋を吸い上げた後、パジャマのボタンを手早く外していった。 肌があらわになっていく部分に、唇を強く押し付けてくる。 丁寧に強く肌を吸い上げられて、望美は呻き声を漏らした。 「マジで可愛いな…。誰にもやらねぇ」 ブラジャーに手がかかった時、将臣の息が激しく揺れた。 吸い込む息が激しく乱れている。 ブラジャーが外されるプツリとした音が部屋に響いた。 「…綺麗なもんだよな…」 感嘆の声が漏れ、望美の心に女としての喜びが熱く滲んできた。 「…好きだ、好きだ、好きだ」 まるで呪文を唱えるように、将臣は愛が溢れる言葉を囁いてくれる。 大きな手の平で、乳房をゆったりと揉みしだかれて、駆け出したくなるほどの熱い衝撃が躰を突き抜けた。 「…将臣くん…」 刺激を受け取る度に躰がふらふら揺れ、やる瀬ない快楽が、望美を切なく支配していく。 「大好きだよ…っ!」 気持ち良さに追い詰められて、望美は背中をしなやかに反らせた。それを受け止めるように、将臣が広くて逞しい胸に受け止めてくれた。 「…望美」 胸は痛いほどに張り詰め、乳首は敏感に立ち上がる。 そこを指先で擽られると、唇から唾液が漏れた。 将臣がそれをつかさず舐め取ってくれる。 無意識に腰を将臣に押し付けると、薄く笑われた。 将臣の唇が、柔らかな白い丘を吸い上げる。刻まれた愛の印は朱い花となって、望美の白い肌に咲き乱れた。 唇が乳首を吸い上げる。 音が漏れるほどに強く吸い上げられてしまい、望美の腰が快楽で浮かび上がった。 どうしてこんなにも肌が熱いのだろうか。 どうしてこんなに熱に追い詰められるのだろうか。 どうしようも出来ない熱を持て余しながら、望美は将臣の肩に指を食い込ませた。 将臣の手がパジャマのズボンを脱がしてきた。 残るは心許ない小さな下着だけ。 そこがジンジンと燃え盛るほどに熱い痺れるを持っていることを、望美は気付いていた。 望美が下半身を隠すようにその身をよじらせると、将臣はいきなり手を入れて来る。 「やっ、ああっ!」 無防備にも敏感なそこは、将臣の手が入り込んだだけで、熱く濡れた。 ほんの少し手の平を動かされるだけで、呼吸が出来ないほどに追い詰められる。 指が襞をかきわけるだけで、高らかに湿った音がこだました。 自分ではどうなっているかどうか解らない。 ただ、襞の奥に隠された望美の宝石は震えて、望美の子宮の奥へと快楽を運んで来た。 触れられるだけで、奥深い場所がなにかを求めてうねりをあげる。 「あっ!」 指先でぐるりと円を描くように、将臣は望美の花芯を強い力で押さえ付けてきた。 ぐりぐりと指を動かされる度に、望美のほっそりとした腰が揺れた。 将臣は、望美のふとももに手を充てて、思い切り開けてきた。 すーすーと大切な場所に空気があたり、気持ちが良いのか悪いのかがよく解らなかった。 「すげぇきれいだな」 将臣の吐息が花芯にダイレクトに当たり、背筋に冷たいものが走ってしまうほどに、ひくひくしてしまう。 いやらしい動きに、望美は泣いてしまいたかった。 「すげぇ綺麗だぜ」 「ち、ちが…っああっ!」 望美を黙らせるかのように、将臣は望美の花芯を吸い上げてきた。 「やっ…!」 肉芽を舌で味わうように舐められて、下半身に力が入らなくなる。 将臣は、望美の蜜をすすりながら、指を入り口に近づけてきた。 そこが激しく痺れているのが解る。そこを宇微先でなぞられるだけで、脈拍と同じリズムで、ひくひくと入り口が蠢き、それを押さえつけるように将臣の指が入り口を塞いだ。 「あ…っ! 将臣くん…」 将臣の指が入り口を撫でた後、ゆっくりと気遣うように胎内に入ってくる。 「あ…っ! 将臣…っ!」 指の圧迫する痛みに、望美は顔を顰めた。 鈍い痛みは、望美の下腹部に更なる欲望を生む。 「痛いか?」 「ちょっと」 「少しだけ、我慢してくれ」 将臣の甘美な声に、望美は肯くことしかできなかった。 将臣の指が静かに、神々しくも更に奥に進んでくる。 「ま、将臣くん…っ!」。 指が完全に入り込むと、将臣は、望美の内壁をゆっくりと擽ってきた。 頭の奥までかき混ぜられているかのように、暑くぼんやりしてくる。膚が痺れ、全身が快楽に呑み込まれていく。 「ああ、あああっ!」 水音が大きくなり、望美の躰もふわふわと浮いているような錯覚を覚えた。 将臣は唇を寄せ、蜜を吸い上げながら、胎内をかき混ぜていく。 「ああ、ああ、ああっ!」 指で、唇で、胎内の奥深いところを陵辱される。 躰が弛緩し、視界がかすみを覚えて、望美は息苦しさと快楽に、意識も感覚もコントロール出来なくなった。 「ま、将臣くん!」 爪先に電流のような痺れが走り、首の奥から全身に、爆発するような快楽を感じる。 「ああっ!」 そのまま訳が解らずに、望美は意識を手放した----- 目をうっすらと開けると、将臣が婀娜めいた視線を望美に向けている。 チョーカーが胸に揺れる。 「…望美、もうすぐ、日付が変わる。俺の誕生日に、お前をたっぷり貰って良いよな?」 「うん、いいよ…」 望美が将臣に抱きつくと、優しく抱きしめてくれた。 「サンキュな」 将臣は望美の太腿を優しく撫でた後、入り口に自分の屹立を押し当てる。指よりも遙かな太くて熱いものに、頭がくらくらした。 躰の奥深くが、将臣のそれを欲しいとうねりを上げている。 「痛いかもしれねぇが、我慢してくれ」 「うん」 将臣が喜んでくれるならば、どんな痛みでも望美は耐えられると思った。 将臣は望美の蜜口を尖端でなぞって溶かした後、ゆっくりと入ってくる。 「いたいっ!」 指の時とは比べられないほどの痛みに、望美は涙を滲ませた。 「将臣くん…痛いっ!だけど、やめちゃ…ダメ」 望美は、生木が裂けてしまうような痛みに、将臣の背中に必死になって縋り付く。 逞しく、男らしくなったと思った。 将臣の背中は、望美が強くしがみついてもびくともしないほどに、精悍で、力強い。 望美は痛みに必死に耐え抜きながら、唇を噛みしめる。 「…可愛い唇、傷つけるなよ…」 「あ、ううんっ!」 将甥は望美の唇を優しく詐欺ながら、腰を先に進めてきた。 「あ、ああ、ああっ!」 ヴェールが破られて、望美は頭の奥に響くほどの痛みを感じる。 涙が瞳に滲むと、将臣はそれを唇で受け止めてくれた。 将臣は浅い深呼吸をした後、この上なく優しい動きを始める。 「あ、ああ…」 先程までの痛みが嘘のように、昊の上を飛んでいるような快楽が躰を襲ってきた。 「将臣くん…っ!」 「望美…っっ!」 将臣も余裕がないのか、汗の粒を弾きながら、苦しげに突き上げてくる。 視界が揺れ、突き上げられる気持ちよさに、ただ、ただ、感じる。 「あ、あああっ!」 「望美…愛してる…!」 最奥を思いきり突き上げられ、躰が揺れる。その瞬間、理性も何もかもが熱さの中に溶けていき、望美は、総てを手放した。 緩やかに聞こえる時計の音。それが将臣の心臓の音と重なって気持ちが良い。 「望美、左手…」 「うん…」 まだ躰が快楽でぼんやりとしていたが、望美は将臣に言われるままに、左手を差し出した。 「有り難うな」 左手薬指に、ピンクの天然石があしらわれた、可愛い指輪がはめられる。 「指輪…」 ぼんやりしていた視界が一気に晴れ上がり、望美は嬉しくてどうして良いか解らない。嬉しいのに泣けてくるのは何故だろうか。 「お前へのお礼だ。有り難うな…。それとこれからもよろしくをこめて」 「うん」 泣いている望美の頬を将臣はなぞり、包み込むような微笑みを望美にくれた。 「…お前に見られた女性は、この指輪を作ってくれたひとだ。あのひとには最愛の男がいる」 「そうなんだ…」 将臣は望美を腕の中に抱きしめると、優しい眼差しで望美を見つめる。 「お前、俺に言うことがあるだろ?」 望美は小首を傾げたが、直ぐにその意味に気付く、大好きな恋人を抱き寄せる。 「誕生日おめでとう」 ここからふたりの新しい恋が始まる。 |