ライン


 しなやかな野獣のように鍛えられた胸に、望美は心を奮わせながら飛び込んでいく。
 こんなにもなまめかしい時間を過ごすことが出来るのは、きっと知盛とだけだ。
 知盛は望美の顎に指を置いて持ち上げると、唇を近づけてくる。顎のラインを親指でなぞられて、背筋が震えた。
 唇が緩やかなラインを描いて下りてくる。知盛の唇が冷たくも熱く重なって来た。
 ロマンティックな想いに、胸の奥が幸せな欲望に満たされる。唇を強く吸い上げられて、ゾクゾクとした戦慄が背中を駆け抜けた。
 口腔内を舌先で愛撫されると、その先の甘い遊戯を思い起こされる。望美の肌が沸騰し、じんわりとした熱が放出されてきた。
 何度も角度を変えて口づけられて、甘い声が何度も漏れる。
 キスが離れていくと、グロスをつけているわけではないのに、テカテカとなまめかしく光っていた。
 知盛は口角を上げて笑うと、望美を抱き上げる。期待の余りに、心臓が飛び出してしまいそうになった。
 ベッドに寝かされた後、知盛が軋ませながら乗ってくる。
 組み敷くような状態で知盛を見ると、ウェストからヒップにかけてのラインが、興奮して飛び出してしまいたくなるぐらいにセクシィだった。
 触れたくて触れたくてたまらなくて、望美は知盛のラインを掌でなぞっていく。
「随分、性急だな…」
 知盛は薄紫の靄のような艶やかな笑みを浮かべると、望美のフェイスラインをなぞってきた。
「…餓えているのか?」
「餓えているよ知盛に…」
 知盛は喉の奥で笑うと、望美のブラウスのボタンを片手で器用に外した。
 知盛に肌をあらわにされる度に、女としての喜びが熱く込み上げてくる。
 白い肌を楽しむように見つめられて、薄い皮膚の下がどうしようもないぐらいに沸騰した。
 ブラウスを脱がされた後、知盛は望美の躰に自分のしなやかな肉体を重ねてくる。肌よりも冷たい唇が、望美の熱を奪うように口づけて来た。
「あ…」
 大きく深呼吸するように、望美は甘い声を漏らす。
 知盛の唇は、首筋から鎖骨へ、柔らかな丘へと滑っていった。
 舌でラインを撫でられたり、強く吸い上げられたりして、朱い印を付けられる。
 それはふたりにとっては特別な印。愛と欲望が含まれた甘い刻印に、望美は肌を震わせた。
 ブラジャーを押し上げられて、柔らかな乳房がエロティックにあらわになる。
 丸みを帯びた女特有のラインを、知盛は舌で撫でた。
「…あっ…!」
 熱くなる視界の向こうに、知盛のなまめかしいジーンズのラインが入ってくる。
 鮮明なエロティックなアピールに、望美は沸騰するほどに刺激をされた。
 思わず震えている腕を、知盛に伸ばしてしまう。
「待ちきられないか…?」
 狡猾な薄い微笑みを向けられると、全身がカッと熱くなる。
「そ、そんなことないよ…」
「そんなことあるだろ…?」
 まるでしなやかな獣のような笑みに、望美は逆らえない。目線を逸らせば、知盛は望美の乳房に喰らいついてきた。
「…やっ…!」
 まるで肉食獣のように乳房を吸い上げ、我が物のように揉みあげられる。
 乳房からの刺激が、頭の芯や躰の中心へと走り抜けていく。
「あっ…!」
 ビジュアルだけでも、もう充分なほどに官能を刺激されているというのに、ダイレクトな愛撫は、望美を快楽の世界に誘っていく。
「…あっ!」
 乳房が悲鳴を上げるほどに揉みこまれ、乳首は舌先で蹂躙される。
 追い詰められる心地良さに、眉間にシワを刻みこむと、小ばかにしたかのような微笑みを、知盛は浮かべて来た。
「…もう…、堪えられないのか…?」
「そんなことない…」
 知盛の雪のような炎が滲む眼差しを避けるように、望美は巧みに逸らした。
「…そんなことない…ね…」
 低い声がサディスティックに聞こえる。それすらも望美を追い詰めていく道具に過ぎなかった。
「…だったら…?」
 知盛はニヤリとひとを追い詰めるような冷徹な笑みを浮かべると、望美のスカートに手を差し入れて来た。
「ちょっ!」
 望美が腰を浮かせて抵抗しようとしても、知盛は力と眼差しで押さえ付けてくる。
 こんなに魅力的でセクシィな瞳で見つめられれば、抵抗など出来るはずがない。
 官能の冷たい炎を燃やす知盛は、本当に綺麗だった。同じ人間だとは思えないほどに美しい。その姿はまるで、艶めいた黒い光を湛えるしなやかな黒豹のようであった。
 知盛の長い指先が、望美の襞を掻き分ける。それだけで湿った甘い音が部屋に響く。
 ただ情事をするためだけに存在価値のある部屋で。だからこそ生々しく、望美の心に響き渡った。
「…これは…どういうことなんだ?」
 くつくつと喉の奥で笑いながら、知盛は焦らすように指を動かしていく。
 それだけのことなのに、背筋が凍りついてしまうような快楽を感じた。
「…やっ…んっ…!」
 なまめかしく背中をもぞもぞと動かしていると、知盛は肉などほとんどない、少し骨張った望美の背中を撫で付けてきた。
「…と、知盛…っ!」
「…いつもよりも、可愛いぐらいに感じているな…」
 知盛は、望美の襞の奥から指をすんなりと抜き取ると、蜜で誘うように光る指をぺろりと舐める。
「…お前も…舐めてみろよ…」
 差し出された指先がとても美味しいそうに見えてしまい、望美は思わず吸い上げてしまう。
 音を立てて吸っていると、始めは余裕を持った表情をしていた知盛が、徐々に官能に歪ませた顔をしてくる。
 その表情が、朝露のきらめきのように美しくて、望美は思わず舌を使って指を舐めた。
「…イタズラが過ぎたようだな…神子殿は…」
「えっ…?」
「…もっと凄い顔をさせてやるよ…」
 知盛はくるりと望美を俯せると、腰を持ち上げてくる。ふわふわとした女の子らしいシフォンのスカートを強引に取ると、下着を手早く脱がしてきた。下着は、望美の足首にひっかかったまま、エロティックにくしゃくしゃになっている。
「ち、知盛…っ!」
「お仕置きをされるのは、お前には解っていたはずだろう…?」
 知盛は剥き出しになった望美のヒップに顔を埋めると、そこに舌を這わせてくる。
 クレバスに刻まれた細かい溝を辿るように、舌を動かしていった。
「…やっ! そんなとこやだっ…!」
 いくら抵抗しても知盛が止めてくれるわけはなく、執拗なまでに舌を使って舐められた。
「あっ、あっ…!」
 刺激が強くて、望美の胎内からは熱い蜜がぽたぽたと汗のようにシーツに染みを作っていく。
 汗が首筋から乳房にかけて流れ落ち、泣きたくなるぐらいに恥ずかしい思いをした。
 ぐったりとなるまで望美を追い詰めた後、知盛はようやく離してくれた。
 息を整えている望美を尻目に、知盛はバックルを外そうとした。
「待って、私にやらせて欲しい…」
 声にならないような声で呟くと、知盛は僅かに口角を上げる。
「ああ…やれよ」
 望美は怖ず怖ずと震える手をバックルに伸ばした。
コメント

ヒップラインシリーズ(笑)



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