後編
雅也さんが眼鏡を外す。何気ない仕草なのに、私にとってはとても艶やかに思える、特別な仕草。 私はじっと見つめながら、雅也さんの熱い唇を待った。もう待ち切れないぐらい、彼が欲しい。 唇が荒々しく重なって来た。私は夢中になってそれを受け入れる。雅也さんは私に印を付けるかのように、深く唇を吸い上げた。 こんなに切迫した情熱の雅也さんは珍しい。だけど、それだけ私を深く求めてくれていれのが嬉しくてしょうがなかった。 口腔内に舌が入って来て、私に絡み付いてくる。雅也さんが教えてくれたように、私は舌を絡ませた。 キスに夢中になっていて気付かなかったけれど、彼の手はいつの間にか、私のブラウスのボタンを丁寧に外し、肌をまさぐり始めていた。 「んんっ…!」 先ほど受けた、雅也さんの烈しいキスと愛撫のせいで、私の肌はかなり敏感になっている。感じやすくなる。 私は巧みなキスから与えられる官能に、益々溺れそうになっていた。呼吸が支配される。それは全てを雅也さんに支配されたも当然のこと。 私は呼吸がしたかったが、それを雅也さんは許してはくれない。 ぎゅっと彼を抱き寄せたところで、ようやく唇が離れた。 私は大きく深呼吸をした。けれど、呼吸を整える時間を、雅也さんは与えてもくれなかった。 「あっ…!!」 乱れ始めた雅也さんの呼吸と共に、体温よりも少し冷たい唇が首筋に落とされる。 いつもなら見える場所に所有の痕など遺すことなどないのに、強く首筋を吸い上げられる。白い肌が朱く染まるのが感覚で解る。 「あっ! ああっ…!」 「…未来…」 唇は首筋から鎖骨へと下りていき、その度に朱い所有の花が白い肌に散った。 もっと雅也さんのものになりたい…。 私は雅也さんの肩をしっかりと抱きしめて、貪欲に欲しがる。それに反応するかのように、彼はブラジャーの上から、唇で愛撫を始めた。 「あっ…!」 もう乳首が立ち上がっているのが、自分でも解る。 舌先でブラジャーの上から愛撫されるのは、とてももどかしい。 「…雅也さんっ!」 濡れた布が私を刺激して、じんわりとした快楽が躰に広がった。もっと雅也さんが欲しい…。私はもどかしさの余りに、彼にしがみついた。 「…意地悪…」 「意地悪じゃないよ。未来、僕にどうして欲しいんだ?」 雅也さんは本当に意地悪だ。解っているくせにちゃんと言ってくれない。 「ちゃんと言わないと、解らないだろう?」 意味深に笑うと、指先で私の敏感な部分を撫でてくる。それが私には拷問のように思えた。 「胸をもっと…」 「もっと何だ? 俺にどうして欲しい?」 本当に意地悪。私は愛しさと悔しさで涙を滲ませた。 「…雅也さんに直で胸を愛して欲しいの…っ!」 愛撫が欲しくて、私は切羽詰まった気持ちで小さく叫んだ。 くすりと笑うと、雅也さんはブラジャーを取り払い、私の胸を直にキスをしてくる。同時に張り詰めた胸を強く揉みこまれた。 「あっ…! 雅也さんっ!」 求めていた刺激に、涙が出るほど感じる。私は白い首をのけ反らせながら、雅也さんを想った。 「あっ、ああ、ああっ…!」 今までよりも、少しだけ乱暴な手の動きにも、私は敏感に反応してしまう。大好きな男性に触れられるのは、なんて素敵なことなんだろうか。 「あっ…!」 舌で乳輪の周りを丁寧に舐められた後、彼は勃起して色見が濃くなった乳首を吸い上げてくる。 優しく最初はソフトに、だけど段々と力強さを増してくる。 「んんっ…! ああっ!!」 かりっと強く噛まれてしまい、私は痛くて気持ちの良い快感に、無意識に声を上げてしまっていた。 肌が滑らかに粟立ち、私を快楽に導いてくれる。 雅也さんの愛撫はどの瞬間も素敵に思える。私には魔法のひとときだ。 「あっ…、ああんっ…!」 雅也さんの指が熱い場所に掠った。それだけで濡れた場所からは水音が響き渡る。 恥ずかしかった。 「凄く濡れているね…。感じやすい、可愛いね…」 耳たぶを甘く吸われて、私は躰をびくびくと震わせる。 「あっ…、ああんっ!」 胸に激しいキスを受ける。強く何度も吸われた胸は、紛れも無く雅也さんのものだと宣言出来るほどに、朱い所有の花を咲かしている。 「あっ、ああんっ!」 雅也さんの指は、濡れ過ぎた私の胎内には本当に簡単に挿ってくる。 「よく吸い込むね…」 「やっ、雅也さんっ!」 雅也さんの指は、私の胎内を容赦なく往復してくる。濡れて滑り易くなったそこを、何度も指で愛撫をしてきた。 「あっ、ああっ、あああっ!」 「…未来…、誰が欲しくてそんなに濡らしているんだ? よだれを垂らしているみたいだよ…。誰がそんなに欲しいんだ?」 「あうっ…!」 雅也さんは私が一番感じる場所をとても良く知っている癖に、そこを愛撫すらしてくれなかった。 「…雅也さんっ…、雅也さんが欲しいから…っ!」 私は雅也さんにもっと快楽を与えてほしくて、しっかりとしがみつく。 「…あっ! やんっ!」 イキナリ指が胎内から抜かれて、私はその喪失感に泣きそうになった。もっと雅也さんには愛撫してほしいのに…。 「俺を欲しがって…、君はこんなに濡れているよ…。いやらしくて、可愛い躰だ…」 「やっ…ん!」 雅也さんは手首まで濡れた手を私に見せると、指に絡んだ蜜をわざと舐めとる。それがとてもなまめかしくて、恥ずかしくて、私は真っ赤になってしまった。 「きゃんっ!」 力が抜け始めた私の脚を、雅也さんは大きく開く。空気に曝された肉芽は、求める余りにひくついている。 「やっ、あんっ!」 ただじっと見られる。それだけの行為に私は感じてしまい、蜜を更に滴らせる。 「何にもしていないのに溢れているね…。感じ過ぎるのは良いことだよ」 「見ないで下さい…! いくら雅也さんでも…恥ずかしい」 雅也さんが余りにじっと見つめるものだから、私は足を閉じようともがいた。だけど、もちろん雅也さんは許してくれない。それどころか、更に激しくなるのを私は感じた。 「綺麗なものは隠す必要はない…。俺しか見ないから、恥ずかしいことはない…」 「雅也さんしか見せないけど…恥ずかしい…えっ、ああんっ!」 雅也さんはいきなり私の濡れた場所に顔を埋め、濡れた肉芽を舌先でぐるりと舐め回してくる。 「あっ、あっ、あああっ!」 余りに気持ちが良くて、腰が抜けるほどの快楽が下半身に押し寄せて、私は雅也さんに濡れた部分を押し付けてしまった。 襞を丹念に舐められながら、蜜壷に指を挿れられる。 先ほどよりも濡れ過ぎた私は、雅也さんの指を二本もスムーズに飲み込む。 「やっ、あっ、あああっ…!」 胎内を指で掻き混ぜながら、唇は私の肉芽を強く吸い上げてくる。 腰がずんずんと痛むほどの快感に、私はシーツをしっかりと掴まずにはいられなかった。 肌が震え、躰がしなる。 自分がどんな恰好で雅也さんに愛されているかが気にならないほど、私は深い深い場所で感じていた。 「やっ…、あああっ!」 熱が子宮に集中する。 快楽に敏感になり始めたわたしの躰は限界を迎える。 「ああっ…!!」 雅也さんの指が敏感な場所を捕らえる。 「ああっ…!!!」 私の躰に快感が駆け抜けてびくりと大きく浮き上がって震えたかと想うと、意識が霧散した。 がくりとベッドの上に崩れ落ちると、雅也さんが抱きしめてくれる。 「…良いイキっぷりだったね…。潮吹きまでしたんだから…」 低い声で囁かれるのを、私は真っ赤になって聞く。ぼんやりとした視界の中で、自分のお腹の周りを見ると、恥ずかしい蜜で濡れてしまっていた。 真っ赤になって見ている私に、雅也さんはくすりと笑うと、私のお腹の上を拭き取ってくれる。 恥ずかしさと官能の喜びで、私はもじもじとしてしまった。 達したばかりの躰は感じ易い。私がそれを知ったのは、雅也さんに背後から思い切り抱きしめられたからだ。 「あっ…」 雅也さんの温もりがダイレクトに伝わるのが嬉しい。「あっ…!!」 敏感な乳首と肉芽を交互に摘み上げられた。一度達してしまった私の躰は、かなり敏感になっていて、更に感じやすくなっている。 私は感じ過ぎてしまい、甘さの含んだ声を上げながら、肌を震わせる。本当にとことんまで感じてしまっていた。 「あっ…!! 雅也さん…!」 「まだ挿れてもいないよ、未来…、感じ過ぎてるね」 くすくすと雅也さんが笑うのが耳元で聞こえて、私は顔がかあっと熱くなるのを感じる。 「…ここまて君を感じさせているのは、誰か解っている?」 耳たぶを噛みながら囁く雅也さんは、本当に意地悪だ。私をとことんまで追い詰める。 「…あっ…! 誰って…っ!」 「言わなくちゃ、挿れてあげないよ?」 恥ずかしくて言えないのが解っている癖に言ってくるなんて、ホントに意地悪過ぎる! だけど、私は逆らえない…。それほど愛してしまっているんだから、しょうがない。 「…雅也さんがこうするの…。どうしようもなく私を追い詰めるの…、いつも…ああっ」 雅也さんは背後から、熱く勃ちあがった硬い自分自身で私の入り口を撫でる。焦らすように意地悪に。 「俺だけ…? ホントに俺だけ?」 雅也さんの声は、どこか懇願にも似て、切なさに包まれている。それが私の胸を深く貫く。 「…あなた…だけっ…! 雅也さんしかいない…っ!」 私は自分の正直な気持ちを泣きそうになりながら言っていた。 「…未来…。愛している…」 一瞬、聞き違えたのかと思った。だけれど確かに雅也さんは私に愛を囁いてくれた…。 甘い感動が躰を貫くと共に、雅也さんが胎内に侵入して来た。 「あっ…! 雅也さん…!」 ずっとずっと欲しかった雅也さんが、今、私の胎内にあるのがとても嬉しい。 私は無意識に大きな声を上げていた。 「あっ…!!!」 私のそこは濡れ過ぎていて、太くて熱い雅也さんが圧迫しながら滑っていく。 「あっ、あっ、あああっ!」 私は余りに気持ち良すぎて雅也さんを締め付けてしまう。彼を離さないようにとばかりに、胎内がうごめいて包み込んでいた。 「クッ…! 相変わらず君は俺を追い詰めるな…!」 雅也さんが苦しそうにしている。だけど、私だって、彼にとことん追い詰められている。 「あっ…、あっ…!」 私の腰が自然にゆらゆらと揺れる。けれど、雅也さんに腰を強く抑えられて、私は上手く動くことが出来なかった。 「雅也さん…っ! 雅也さん…っ!」 もっともっと腰を動かしたくて、もっともっと雅也さんが欲しくて。 雅也さんは私の胎内にうごめいているけれど、肝腎な快楽はくれない。 私は切羽詰まるまで雅也さんに追い詰められていた。 「雅也さん…、お願いっ…!」 「未来…」 泣きたくなるぐらい雅也さんが欲しくて、私は懇願する。 「そんなに俺にイカせて欲しい?」 「雅也さんだから…、イキたいの!」 「…可愛いね未来は…」 雅也さんは小さく笑うと、強い力で私を突き上げ始める。 「あっ…! ああんっ…!!」 ようやく突き上げてほしい場所を責め始めてくれる。 涙が出るぐらい感じた。 「あっ、あっ、ああんっ!」 貪欲に私が一番弱い場所を、雅也さんは突き上げてくれる。本当に嬉しくて、頭の芯まで快感が押し寄せて来た。 快感に溺れて私自身が激しく収縮を始めた。 全身が雅也さんによって支配され、内側から爆発が起こる。 「あっ、あっ、ああんっ!!」 視界が熱でぼやけて歪む。 とことんまで溶けてしまいたい…。 「あっ、ああああああっ…! 雅也さんっ…!!」 私はもう何も考えられない。総てを支配されてもうどうなってもいい。 頭の先が突き抜けてしまうほど感じた。 「いやああああんっ!」 躰がびくびくと震えて、雅也さんの逞しい躰も少し遅れて震え出す。 熱い物が胎内に広がるのを感じながら、私は意識を手放していた。 躰から熱が引いていく。 雅也さんが優しく抱きしめてくれ、私の躰を愛しげに撫でてくれていた。 「…雅也さん、吾妻木さんのところに戻らないでくれて、有り難う…」 私が正直に言うと、更に優しく背後から抱いてくれる。 優しい、私だけの雅也さんの温もり。 「…未来、俺からひとつ訊いていいか?」 「うん…」 私が返事をすると、雅也さんの抱擁は更にきつくなり、私は思わず呼吸を浅くした。 「あっ…!」 「苦しいか?」 「ううん…。大丈夫…」 雅也さんにはもっと抱きしめて貰いたくて、私は彼の腕を愛おしげに撫でる。 「こんなことを訊いてどうかとは思うんだが…」 雅也さんは遠慮しているような、何処か苦悩しているようなそんな感じがした。 「さっき、アルーラの入り口で話していたのは誰か訊いていいかな?」 「望月さんよ、デザイナーの。桜塚のデザインコンペに出るの。私がモデルのひとりとしてショーに出ることになって手、私が着る服のラフ画を持ってきてくれたの。それがどうかした?」 本当に大したことはなかったから、私はさらりと流した。 だけど…。 「それだけか?」 「うん。そうよ」 「彼は君のことを好きみたいなオーラを感じたけれどね…。遠くからだったから、顔とか表情は良く判らなかったけれど…」 雅也さんは拗ねるように少し照れくさそうに言う。 ひょっとして雅也さんはヤキモチを妬いてくれていた? そう思うと心の奥からときめきと喜びがふつふつと湧き出てくる。 にんまりとした笑みが自然とこぼれ落ちた。 「-----一度それとなくは言われたことはあるけれど…」 「何!?」 雅也さんの声が僅かに反応する。 私はそれが嬉しくてしょうがなかった。 「だけど私にはちゃんと、大好きな男性(ひと)がいることを、ちゃんと伝えたわ…。大切な男性がいることを…」 ふと雅也さんの腕が強くなる。私は嬉しくて、その力強さに躰を預ける。温かな強さは、私を優しく包み込んでくれる。 「それは誰のことかな?」 含み笑いの甘い声。 誰だか判っているくせに訊いてくるのが、また可愛く思える。 私にとって雅也さんは、年上の最高に頼りになる護ってくれる大好きな男性。 だけれど、たまにこうして嫉妬してくれると、とても可愛く思えた。 私は雅也さんの手を優しく掴んで、指を口許に持って行ってキスをする。 「…それはあなたが一番判っているはずよ? 雅也さん?」 私が甘えるように言うと、雅也さんは甘く微笑み、私を再び組み敷いた。 「あんっ…」 答えの代わりに、雅也さんは私を抱きしめて、再び愛し始めてくれる。 こんな甘い嫉妬なら何度でも欲しいと思いながら、私は再び、雅也さんの紡ぐ甘美な世界に溺れていった----- |
| コメント 初の雅也さんの短編です。 お楽しみシーン収録(笑) 雅也さんは、やっぱりテクニシャンなので(笑)書くのが楽しいような、大変なような(笑) こんなキャラのこんな話が読みたいというのが有れば、またWEB拍手にでも載せておくってくださいませ。 |