中編
いつも自分のことよりも、吉羅のことを感じて考えてくれる香穂子がとても愛しい。 香穂子をベッドに横たえると、吉羅は組み敷くように抱き締めた。 これほどまでの愛情を感じた相手は他にいない。 永遠にこの腕のなかに閉じこめていたかった。 この温もりすらあれば、何もいらない。 香穂子さえそばにいてさえくれれば、何もいらなかった。 「香穂子…、ずっと…私のそばにいてくれ…。私を見守っていてくれ…」 「暁彦さん…、ずっとずっと一緒にいます…。私のそばにずっとずっといて下さい…。私だって、暁彦さんがいないと…、ちゃんと笑えないし、ヴァイオリンも上手く弾けないんですから…」 香穂子は吉羅をギュッと抱き締めると、自分のこころを預けてくれる。 「…大好きです」 「私も愛しているよ。香穂子…」 吉羅は深い角度で唇を重ねると、香穂子を貪欲に愛していく。 腫れ上がる程に唇を吸い上げた後で、舌を入れ込んで愛撫をする。 香穂子の口腔内はちょうど良い温かさだった。 「…んっ…っ!」 時折唇から漏れる香穂子の声が、とてもなまめかしい。 吉羅が愛しいと思う唯一の声だ。 吉羅は堪らなくなって、香穂子の唇を更に激しく奪う。 口角を甘噛みすれば、香穂子が僅かに震える。 何度もそれこそ数えられない程に唇を重ねたのに、香穂子は初々しさを失わない。 吉羅はそこもまた愛しくてしょうがなかった。 唇がぽってりと腫れ上がるまだキスをした後、吉羅は息を僅かに乱しながら、香穂子のブラウスのボタンを外していく。 吸い付きたくなってしまうほどの白い肌が露見し、吉羅を狂わせた。 香穂子は僅かに震えて、恥かしそうに肌を薔薇色に染めている。 吉羅を見つめる潤んだ瞳はそこはかとなく色気があった。 吉羅がフロントホックのブラジャーを外すと、豊かな白い乳房が姿を表す。 形も申し分ない程に美しくて、吉羅は夢中になって見つめた。 なのに香穂子は恥かしいのか、両手で胸を隠す。 「…恥かしい…から…」 「…綺麗なのに、どうして隠す? それに、私はもう何度か君の肌を愛でているよ?」 吉羅が、香穂子の手を柔らかく取ると、震えていた指先から力が抜けた。素直に吉羅に従い、香穂子は手を下ろす。 「君は綺麗だから、恥かしがることはない。私は…君以上に綺麗な女性は知らないからね」 吉羅は香穂子を安心させるように微笑むと、首筋に口付けた。 「…んっ…あっ…!」 香穂子は首筋をのけ反らせながら、とっておきの甘い声で啼く。それが吉羅にとっては最高の音楽になる。 「…香穂子…」 吉羅は首筋にキスの雨を降らせながら、白く豊かな胸を揉みあげていく。 「…あっ…んっ…! 暁彦さん…っ!」 恥ずかしいのに。 震えているのに。 吉羅のこころを癒すために、こうして躰を差し出して癒してくれる。 吉羅にとって、香穂子は女神であり、大切な天使でもある。 吉羅は、鎖骨を舌でなぞった後、白い乳房に顔を埋めた。 柔らかくて、その温もりに癒される。 「…香穂子…っ!」 こうしているだけで、幸せを感じた。 香穂子の滑らかな肌、温もり、そして柔らかな感触。それら総てが、吉羅に幸せと安堵を与えてくれた。 「香穂子…、愛している」 「…私も、愛しています…っ!」 吉羅は、香穂子の乳房に舌を這わせて味わった後で、香穂子の乳首を吸い上げていく。 香穂子をこうして愛しているだけで幸せだ。 香穂子を抱くのは初めてではないが、いつも新しい快楽と発見を手にすることが出来る。 「…あっ、あっ…、吉羅さ…っ!」 「暁彦だろ? 香穂子」 「…んっ…! 暁彦さんっ…!」 吉羅が乳首に歯をあてがうと、香穂子は躰を震わせた。 感じてくれているのが何よりも嬉しい。 もっともっと熱くなって、深く包み込んで欲しいと吉羅は思った。 吉羅は、誰にも渡さないとばかりに、独占欲が満ち溢れたキスを、香穂子の白い肌に刻んでいく。 肌が熱くなればなるほど、もっと香穂子にキスしたくなった。 吉羅の髪に指を差し入れながら、香穂子は官能的に撫で付けてくる。 触れられるだけで、吉羅の欲望は熱くたぎった。 「…暁彦さん…。私も…暁彦さんを…喜ばせたいの…」 「香穂子…」 吉羅は香穂子の髪を撫でて、微笑む。 いつも自分のことよりも吉羅のことばかりを考える、香穂子らしい言葉だった。 「…君にはまだ早いよ。もう少し…愛の行為に馴れたら、して貰うけれどね?」 「…あ、暁彦さんが教えてくれたら、な、何とかなるんじゃないかって…思っているんですけど…」 はにかむ香穂子を見つめると、真剣であることが解る。 きっと吉羅のこころを今夜は沢山癒そうと思っているからなのだろう。 「…じゃあ…、君にして貰おうかな…? 私がベッドに腰を掛けるから、先ずはスラックスを脱がせてご覧」 「は、はい…」 吉羅がベッドに腰を掛けると、香穂子はその下で跪く。 吉羅だけの淫らな女神だ。 「…香穂子…、先ずはベルトのバックルからだ」 「は、はいっ」 香穂子はぎこちない手つきで、吉羅のベルトを外していく。 緊張して震えているのか、余り上手くいっていないような気がした。 こうして香穂子にスラックスを脱がされているだけで、欲望はどうしようもないほどに高まってくる。 熱くて沸騰してしまいそうなぐらいに、昂ぶっていた。 ようやく香穂子はベルトを抜き去り、吉羅のスラックスのファスナーを下ろす。 すんなりとスラックスを下ろした後、香穂子は真っ赤になって吉羅を見上げた。 「下着も下ろすんだ」 「はい…」 香穂子はぎこちなく吉羅の下着をはぎ取った後で、大きな溜め息を吐いた。 「触ってごらん?」 「はい…」 香穂子は震えながら、吉羅の勇剣に触れると、そこをゆっくりと撫でる。 「…君の舌と唇で愛してくれないか…?」 吉羅の淫らな申し出に、香穂子は僅かに頷いた。 「…下手だったらごめんなさい」 「大丈夫だ。君は何をしても私を感じさせることが出来る唯一の女性だからね」 「暁彦さん…」 香穂子は愛しいそうに吉羅の屹立に触れると、優しいリズムで触れてくれる。 吉羅の全身に、抗うことが出来ない程の快楽が走り抜けた。 「香穂…っ!」 触れられるだけで、頭の芯が蕩けてしまうほどに気持ちが良くなるなんて、思ってもみなかった。 吉羅が息を乱したことを嬉しく思ったのか、香穂子は硬くなった熱いものに唇を這わせる。 我慢が出来なくなるほどに、欲望が切迫してきた。 「…君を愛しく思っているよ…」 吉羅の欲望を指先で撫でながら、香穂子は舌先を這わせる。亀頭に舌を這わられると、吉羅は快楽の余りに呻いた。 香穂子の絹のようなさらりとした髪を撫でながら、愛しくて爆発してしまいそうになる。 「…香穂子…っ!」 香穂子は吉羅を口に含んで吸い上げてくれる。大きく成長してしまった吉羅の欲望を含むのは、どこか苦しそうだった。 「…クッ…! ああっ…!」 どくどくと自分の欲望に血液が注がれて、快楽の限界になる。 熱を放出したい。 香穂子の胎内に。 だがそこまでいくのに、吉羅は持ち堪えられそうにはなかった。 「…香穂子っ!」 香穂子のぎこちない唇の動きが早急になる。 「…くっ…! ああっ!」 吉羅は鍛えられた躰を震わせると、我慢ならずに香穂子に熱い精を放出した。 香穂子の喉が動いて、吉羅の欲望を飲み込む。 「…すまない…」 「大丈夫です…。暁彦さん」 香穂子は顔を上げるとにっこりと微笑んでくれる。その表情が余りにも可愛くて、吉羅は抱きすくめる。 「…今度は君の番だよ…」 吉羅は香穂子の脚を開くと、熱く熟れたそこに顔を埋めた。 |