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デコルテの周りにキスの花が舞う。 吉羅のものであるということを、主張しているように思える。 デコルテにキスをされながら、吉羅が大きな手でボディラインを優しく何度も撫でてくれる。 それだけで肌が震える。 躰が震えるのに、なんて満たされたような気持ちになるのだろうかと思った。 吉羅は唇を、香穂子の柔らかな乳房に押し当てる。 「…あっ…」 柔らかな丘に花がうめつくされるかのように、吉羅は乳房にキスの雨を降らせてくる。 幸せと甘さが交互に下りて来て、心を素晴らしく満たしてくれた。 「…暁彦さん…」 吉羅の器用な舌先が、香穂子の薔薇色の蕾を転がしてきた。 それだけで、体の奥の芯が疼いてくる。 腰あたりが痺れるように感じてしまい、躰が化学変化を起こしてしまうのではないかと思うほどに、発熱した 。 頭が快楽で痺れて来る。 こんなに気持ちが良いのは、初めてかもしれなかった。 吉羅に乳房が張り詰めて少しばかり痛いと感じてしまいそうになるほどに愛撫をしてきた。 下半身に力入らない。 狂ってしまうのではないかと思うほどに気持ちが良いと思った。 吉羅の愛撫に翻弄された、頭の中がぼんやりしてしまう。 吉羅は、香穂子を撫で付けた後で、熱い場所に指先でそっと押し広げて、無防備なところは愛撫を始めた。 「あっ、暁彦さん…!」 触れられる度に。香穂子は肌が震えるのを感じる。 恥ずかしいのに、もっと触れられたいと思ってしまった。 吉羅は、香穂子の内腿を撫で付けながら、あくまでソフトに脚を開いていく。 恥ずかしくてしょうがなくて、香穂子は頭がくらくらした。 吉羅は、香穂子の平らな腹部にキスをする。 指先がふと中心の中に入り込んできた。 内側をくすぐるような動きをされて、香穂子の腰がジンジンと痺れてくる。 それが何の合図なのかは、香穂子には全く解らなかった。 吉羅の指先が、敏感な芯をくすぐってくる。 そこを触れられた瞬間、頭の奥まで快楽が走り抜けた。 「…あ、暁彦さん…!」 香穂子は、華奢な躰を反らせながら、快楽が全身を貫くのを感じた。 くらくらするぐらいに気持ちが良い。 触れられるだけでふらふらくらくらしてしまう。 吉羅の指がそこに触れる度に、香穂子の欲望が高まってくる。 吉羅が欲しい。 どうしようもないほどに欲しくてしょうがない。 香穂子は、無意識に吉羅を求めて、華奢な腰を動かしていた。 吉羅はゆっくりと慎重に、香穂子の脚を開いてきた。 脚を大きく広げられて、香穂子は恥ずかしくて目を開けられなくなる。 自分が今、愛する男性に何をされているのかを、まともに見られなかった。 吉羅は、唇を中心に持って来る。 そこは既に、香穂子の欲望の蜜が溢れていた。 それを吉羅は、ゆっくりと吸い上げている。 こんな恥ずかしい事をされるなんて、思ってもみなかった。 恥ずかしくて恥ずかしくてたまらない。 吉羅が蜜を吸い取る度に、全身が快楽で震えてしまい、香穂子はそのまま墜落してしまいたくなる。 吉羅にとっては愛のある行為なのだろうか。 少なくとも香穂子にはそう感じられた。 吉羅の愛撫に躰がおかしくなる。 意識も幸せな波に今や溺れていく。 「…あっ…!」 吉羅に芯を思い切り吸い上げられる。 同時に指が熱い胎内に入り込んできた。 指が入口をほぐすように動かれる。 内壁をくすぐられてしまい、もう耐えられないほどの快感が全身を覆い尽くす。 香穂子はもう意識を保つことが出来なくなってしまい、そのまま手放してしまう。 快楽の波に一瞬にして飲み込まれてしまった。 自分がどうなったのか、香穂子は上手く理解出来ないままに、意識を取り戻す。 瞳を開ければ、吉羅は優しく香穂子を見つめてくれていた。 「今から…私たちは本当の意味で結ばれるんだ…」 「暁彦さん…」 吉羅は、香穂子を気遣うように額に甘い甘いキスをしてくれた。 脚が大きく開かれて、吉羅がその間に躰を入れて来る。 そのまま、吉羅は自分自身の欲望を、香穂子の入口にあてがった。 それの圧倒的な力強さに、香穂子は息を呑む。 吉羅がどれほど力強い存在であるかを、香穂子はようやく気付いた。 吉羅は、気遣いながらも、ためらう事は一切なく、香穂子の胎内に入り込んでくる。 熱情が沸騰しているのが分かる。 香穂子は、切り裂かれるような痛みに、思わず顔をしかめた。 痛む余りに涙が瞳から零れ落ちた。 吉羅は直ぐに涙を拭ってくれる。 その優しさに、香穂子は更に嬉しい涙が零れ落ちた。 「大丈夫かね?」 「…だ、大丈夫…」 大好きな男性と結ばれるための痛みであるのならば、充分に我慢が出来ると香穂子は思った。 本当にこんな痛みは他にはない。 だがそれは幸せな痛みだ。 大好きな男性がくれる、幸せな証なのだ。 香穂子が痛みに耐え抜いている間、吉羅はゆっくりと気遣いながらも腰を奥に進めていった。 自分自身で分かる。 大丈夫だ。 吉羅は、息を乱しながら香穂子を抱き締めた。 「…これで、私たちは夫婦だ…」 「…暁彦さん…っ!」 香穂子は、吉羅の圧迫を激しく感じながら、鍛えられた美しい躰に抱き着いた。 吉羅は今度はゆっくりと動き始めた。 最初は子守歌のようなリズムで、その後は、激しいサルサのようなリズムになっていく。 快楽が躰の中心から全身へと広がっていくのが分かる。 こんなに気持ちが良くて幸せな感覚は、他にない。 今までで一番溺れてしまう感覚のように香穂子には思えた。 吉羅にしっかりと捕まって、離さないようにと無意識に彼の分身を締め付ける。 吉羅の息が激しく乱れて、香穂子を更に突き上げる。 「…やっ…」 痛みに混じって快楽が全身を覆い尽くしていく。 香穂子は、快楽に満たされて、溺れながら、吉羅にしがみついた。 頭の中が真っ白になってしまうのではないかと思うほどに、快楽を感じずにはいられない。 吉羅に総てを委ねる。 とことんまで上り詰めたい。 躰が弛緩を繰り返して、もうじっとしてはいられなくなる。 香穂子はそのまま、快楽に溺れて、墜落していく。 意識が幸せな形で薄れていく。 吉羅の逞しい躰が大きく震える。 熱い吉羅を感じながら、香穂子は幸せな闇へと沈み込んでいった。 心地よい闇から目覚める。 吉羅が優しく見守ってくれるようなまなざしを向けてくれていた。 「…暁彦さん…」 嬉しいのに何だか恥ずかしい。 「奥さん、君は本当に可愛いね」 吉羅の言葉に、香穂子は真っ赤になってしまう。 「…恥ずかしいです…」 「そうかね…」 吉羅は優しい声で言うと、香穂子を抱き寄せてくれる。 それだけで泣きたくなるほどの幸せを感じていた。 「…幸せです…。とても…」 「それは良かった」 吉羅は香穂子の背中を撫でながら、優しい声で言ってくれた。 なんて幸せなのだろうかと思う。 それ以外の言葉はない。 香穂子は吉羅に甘えるように擦り寄ると、そのまま抱き締めた。 「…また、君が欲しくなった…。構わないかな?」 吉羅に組み敷かれて、香穂子の鼓動が激しくなる。 息が出来なくなるぐらいに速くなる。 香穂子もまた吉羅が欲しくなる。 口にするには恥ずかしくて、香穂子はそっと頷いた。 「有り難う…」 吉羅は先程よりもより扇情的に愛撫を始める。 これ以上の幸せはない。 これからはずっと幸せになれる。 香穂子は強く信じて疑わなかった。 |