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緊張する余りにどうして良いかが解らない。 息苦しい。だけど幸せだと思うのは、吉羅のことを本当に心から愛しているからだろう。 香穂子は喉がからからになり、躰がカチカチになるのを感じながら、車の中で小さくなっていた。 信号で車が停まる。 吉羅の綺麗で憧れの指先が、香穂子に触れてきた。 「…緊張しているのかね…?」 「だ、大丈夫です…」 香穂子がカチカチに凝り固まった声で言うと、吉羅は笑みを零した。 直ぐに車は発進する。 吉羅の車は、若手のセレブリティが多数住んでいる六本木のミッドタウンへと向かっている。 吉羅のテリトリーに入り込んで行くのだ。 もう後戻りは出来ない。 いや、後戻りをしたくても出来ないほどに吉羅に夢中になってしまうのは分かっていた。 車は住居部分にある専用駐車場に入る。 世界でも最高級アパートメントのひとつだろう。 益々吉羅暁彦との差を感じずにはいられなかった。 吉羅は車を停めた後、香穂子をエスコートするように助手席を開けてくれる。 まるでお姫様にでもなったような錯覚を覚えた。 「香穂子、行こうか」 「…は、はい」 吉羅としっかりと手を繋いで、香穂子はそのテリトリーに入っていく。 吉羅の横顔ばかりをつい見てしまう。 いつ見ても、何処から見ても、吉羅は完璧だ。 香穂子は吉羅を意識する余りに、ドキドキし過ぎてしまっていた。 やがて吉羅の部屋へと導かれる。 一歩なかに足を踏み入れて、息を呑む。 本当に生活感のない部屋だ。 ホテルだと言っても誰も驚かないだろう。 シックな落ち着いたトーンで統一されているインテリアは、吉羅らしいと思った。 「…香穂子…」 名前を呼ばれたかと思うと、吉羅に思い切り抱き締められてしまう。 息が出来ないほどに情熱的な抱擁の後、唇が重なりあった。 ごく自然に唇を開けて、吉羅を受け入れてしまう。 唇をお互いに吸いあった後、舌を絡ませあって、その愛を確かめあった。 「…香穂子…」 吉羅は掠れた声でその名前を囁きながら、何度も貪るようなキスをしてきた。 もう立つことが出来ないぐらいに、下半身にダイレクトにくるキスは、香穂子を虜にしていく。 結ばれる覚悟を決めたキスというのは、こんなにも甘くて激しいものなのだろうかと、香穂子は思った。 ふらふらになるまでキスを受けた後、吉羅は香穂子を軽々と抱き上げる。 ベッドに運ばれている間も余りにもロマンティックで、香穂子はうっとりとしてしまった。 「香穂子…」 吉羅にベッドに寝かされて、ワンピースを脱がされる。 肌を見せるのが恥ずかしくて、香穂子は直ぐにシーツで躰を隠してしまった。 「恥ずかしいのか?」 「…少し…」 こんな痩せぽっちの躰を、吉羅が気に入るとは思わなかったから。 スタイルは悪くはないとは思うが、どちらかといえば少年のようなスタイルだ。 「君は綺麗だから、そんなに気にすることはない。隠すな…」 吉羅は香穂子のシーツをゆっくりとはがすと、その躰をしげしげと見つめてきた。 無防備になった乳房をことさら見つめている。 吉羅はネクタイを乱暴に外してカッターシャツを乱暴に脱ぎ捨てると、香穂子を力強く抱き締めてきた。 露見した吉羅の躰は、いつまでも見ていたいと思うほどに整っていた。 ここまで綺麗な躰というのは、そうないことなのだろう。 香穂子がうっとりと見つめていると、吉羅は唇を荒々しく重ねてきた。 香穂子はキスに応えながら、吉羅の首筋に腕を回す。 しっかりと力強く吉羅を引き寄せながら、自分だけの男であることを確認した。 キスをしていると、恥ずかしさは何処かにいってしまう。 吉羅の唇が離れると、今度は首筋に激しいキスの雨を受けた。 チクリとする度に、吉羅が強く肌に自分を刻み付けていることが解る。 痕を着けられるのは恥ずかしいが、吉羅のものになったという気持ちが大きくなった。 吉羅の女だ。 そして吉羅は自分の男だ。 香穂子はそう強く思いながら、吉羅を抱き締めた。 「あっ…」 吉羅は香穂子のデコルテにキスをしながら、乳房を下から持ち上げるように揉みあげてくる。 張り詰めて痛いのに、とても気持ち良い。 香穂子は何度も宙に熱い吐息を放った。 「…吉羅さんっ…!」 頭がぐちゃぐちゃになってしまうぐらいに感じている。 下半身が痺れて熱くなる。 何かを求めている。 それが何かは、香穂子は本能で知っているような気がした。 「…吉羅さん…っ!」 「君は本当に美しい…」 吉羅は感嘆の声を漏らすと、香穂子の薔薇色の蕾に唇を寄せてきた。 「…やっ…!」 電流が走るような快楽に、香穂子は思わず長い首筋をのけ反らせる。 唇から官能的な甘さが零れ落ちると共に、熱い部分からもしっとりとした官能的な甘さが滲んだ。 吉羅に薔薇色の蕾を吸い上げられ、柔らかさと激しさの中間で愛撫をされる。 じっとしていることが出来なくなるほどに感じてしまい、香穂子は何度も全身を小刻みに震わせた。 「…香穂子…」 まるで香穂子の肌の柔らかさと滑らかさを確かめるかのように、吉羅の大きな手ははい回る。 その動きにうっとりとしてしまいそうだ。 ボディラインを味あうかのように撫で付けられた。 すんなりとしたレッグライン、ふんわりと柔らかく上に上がったヒップライン。 それらを心から味わい楽しんでいるかのようだ。 「…はっ…、あっ…!」 香穂子は下半身の熱い中心部分が無防備になっているように思える。 ズキズキするほどに敏感になってしまい、香穂子はどうして良いかが解らなかった。 ただ、吉羅だけがこのズキズキとしたやるせない快楽を何とか出来ることを、香穂子は分かっていた。 吉羅が欲しい。 それが具体的にどのようなことなのかは、もう解る。 吉羅に憬れていた小さな子供ではもうないのだから。 「吉羅さん…っ!」 吉羅は香穂子の頬にキスを贈ると、そのまま手を熱い場所に伸ばしてくる。 「…やっ…!」 誰にも触れられたことのない場所に触れられて、香穂子はおかしくなりそうになる。 つい足を閉じようともがくと、吉羅が一気に香穂子の足を開けた。 「私に任せるんだ…」 「…はい…」 吉羅に身を委ねながら、香穂子は呼吸を浅くする。 吉羅の指先は熱い部分に触れて、そこをくすぐってくる。 くすぐられるように愛撫をされる度に甘い吐息を重ねる。 気持ちが良くて躰をつい震わせてしまった。 鈍い快楽にこのまま蕩けてしまいそうになる。 香穂子が呼吸を浅くさせていると、吉羅は甘いキスをくれた。 吉羅の指先が、香穂子の胎内に侵入してくる。 ピリピリするような痛みに、香穂子は思わず顔をしかめた。 「…あっ…んっ!」 吉羅の指の動きに翻弄されながら、香穂子は目を深く閉じた。 下半身の奥深い部分が更に痺れて甘くなる。 呼吸が浅い。 快楽で熱い部分がいっぱいになった。 甘くて熱い蜜が沢山流れ落ちてくる。 まるで吉羅を求めているかのようだ。 吉羅の指先が胎内の深い部分をそっとくすぐってきた。 腰が快楽に痺れているのを感じながら、香穂子は何度も肢体を捩らせた。 不意に吉羅が蜜の溢れた場所に唇を近付けてくる。 その熱さと恥ずかしさに香穂子は泣きそうになった。 「やっ、あっ!」 吉羅に熱い蜜を舐めとられて、舌先で中心を愛撫される。 指の動きも激しくなり、ぐちゃぐちゃになるぐらいに感じた。 視界が揺れて、もうどうしようもないぐらいに快楽に溺れる。 鼓動が激しくなる。 香穂子はそのまま息を飲むと、快楽の余りに意識を手放した。 |