*背伸びをしても*


 吉羅に愛される。

 胸が切なくなるぐらいに幸せで、香穂子は甘い感情に満たされる。

 ずっとこの幸せに満たされたら良いのにと、香穂子は思わずにはいられなかった。

 吉羅は、香穂子が世界で一番愛しいとばかりに、全身にキスの雨を降らしてゆく。

 本当に吉羅が、自分だけを愛してくれたら良いのにと、香穂子は思わずにはいられなかった。

 吉羅が香穂子だけを、深く愛してくれるならば、世界一幸せな女性になれると思う。

 吉羅は香穂子のうなじから背中にかけてにキスをしながら、背後から抱き締めてくれた。

 吉羅が生涯放さないでいてくれると、思いたくなる。

 放さないで欲しい。

 たったひとりの生涯のパートナーとして。

 吉羅は香穂子を慈しむように背中からすんなりとした脚へとくまなくキスをした。

 キスをされる度に全身が戦慄いて、香穂子は息を浅くする。

「……君は想像していた以上に美しいね……。ずっと摘み取るのを我慢していたかいがあるね……。ずっと君の蕾を育てていたからね。もう花を咲かせても構わないね?一生枯れない花をね……」

 吉羅のためにだけ、彼に見つめられるだけのために、花を咲かせたい。

 吉羅も愛でるのは自分だけにして欲しい。

 強くて儚い望みだ。

 吉羅の愛撫を夢心地で受けているうちに、香穂子は吉羅を愛しているという想いしか感じなくなる。

 吉羅は、香穂子の脚を愛しげに触れながら、何度も繰り返してキスをくれる。

 それが嬉しくて、愛しかった。

「……香穂子」

 艶やかな声で名前を呼ばれて、全身にキスを受ける。これだけで、香穂子は至福の嵐に包まれた。

 吉羅は香穂子の太股をやんわりと撫でたかと思うと、いきなり脚を大きく開いてきた。

 余りに恥ずかしい行為に、香穂子は真っ赤になってしまい、上手く抵抗出来なかった。

 脚を大きく開けること自体もかなり恥ずかしいのに、吉羅はそこに指を伸ばしてくる。

「……やっ……!」

 秘密の花を押し開かれたかと思うと、その奥にある禁断の果実を指先で擽られた。

 首筋が震えるような快感が走り抜ける。

 香穂子は思わず身体を仰け反らせた。

 今までに経験のない快感に、香穂子は肌を激しく震わせる。

 心臓が可笑しなリズムで刻む。

 それは決して不快なものではなく、むしろ歓喜のダンスを踊っているようにも思えた。

 吉羅が、震える果実を愛撫する度に、香穂子の熱い場所は更に沸騰してくる。

 熱くて蕩けてしまうのではないかと思うぐらいにかんじてしまう。

 身体の奥の芯がとろとろに熔け出して、蜜を流した。

 吉羅が指でくすぐる度に、蜜はどんどん溢れて、香穂子を更に感じさせる。

 吉羅の指が。香穂子の入り口を焦らすようになぞり始めた。

 痺れ始めていたそこは、更に熱く痺れて、敏感になっていく。

 求めている。

 吉羅を。

 香穂子には、吉羅を飲み込みたいと囁いているように思えた。

 吉羅は、香穂子の様子を見ながら、指先をそっと胎内へと沈み込ませ手ゆく。

 最初は異物感を覚えて、淡い痛みのような奇妙な感覚が走ったが、少しずつ吉羅の指が解してくれた。

 解される度に感じやすなくなる。

 香穂子は吉羅の指しか最早感じられなくなってしまっていた。

 熱い蜜が大量に流れ落ちる度に、淫らな水音が、響き渡る。

 吉羅に愛撫される度に、快感が高まってくるのを感じた。

「……あっ……!」

 感じる余りに、無意識で腰を動かしてしまう。

 すると吉羅は、いきなり香穂子の熱い場所に顔を埋めた。

 今まで、身体にくまなくキスをされたが、こんな場所にまでキスをされるなんて思ってもみなかった。

 吉羅は、蜜で濡れた熱い禁断の花にキスをすると、果実に舌を這わせてくる。

「……やっ……!」

 吉羅は丁寧に、熱い場所を舌先で転がしてきた。

 腰にダイレクトに来てしまうほどの快楽に、香穂子は頭の先から爪先までが痺れてしまうぐらいの快感を感じる。

 思わずシーツをつかんで、快楽に全身を震わせてしまった。

 吉羅は舌と指で、香穂子を快楽へと追い詰めて行く。

 本当に何も考えられないぐらいに感じてしまう。

 身体を弛緩させ、脚なんて攣ってしまうのではないかと思うぐらいに、伸ばしてしまう。

 気持ちが良いだとか、そんな陳腐な言葉では表現出来ないぐらいに感じてしまう。

 香穂子は全身の細胞が快楽の渦に巻き込まれて、熔けてなくなってしまうのではないかと思いながら、そのまま意識を手放した。

 

 香穂子は脚の周りが蜜で湿っているのを感じながら、目をゆっくりと開けた。

「……香穂子、君は本当に可愛いね……」

 吉羅は甘い声で囁くと、香穂子の唇にそっとキスをする。

「……君を私だけのものにするよ。君は今日から私だけのものだ……」

「……吉羅さん……」

 恥ずかしいけれども、とても幸せな気持ちになる。

 吉羅は、香穂子の太股を再び撫でて、脚を開いてくる。

 恥ずかしくて、本当は拒みたいのに、上手く拒めない。

 吉羅のものになるのは、この瞬間しかチャンスがないことを、一番よく解っているからかもしれない。

 香穂子の脚が開かれると、吉羅はその間に、熱くていきり立った情熱を宛がってきた。

 宛がわれると、香穂子の入口が期待で震えてしまう。

 解っているのだ。

 吉羅をどのようにして究極に受け入れるのかを。

 女性の本能で解っているのだ。

 吉羅は、香穂子の入り口を丁寧に解すように固い欲望でなぞってゆく。

 それをくりかえされる度に、香穂子の欲望が昂ってきた。

 吉羅が欲しい。

 早く受け入れたい。

 つい、腰を動かしてねだってしまう。

 すると吉羅は、香穂子の唇に柔らかなキスをくれた。

 それを合図に、吉羅は香穂子の胎内に入り込んできた。

 入ってきた瞬間は、痛みが強くて、香穂子は思わず涙ぐんでしまった。

 慣れない圧迫が痛くて、香穂子は思わず吉羅の逞しい背中にすがり付く。

「大丈夫だから……」

 香穂子を宥めるように、吉羅はキスをしながら、ゆっくりと胎内に押し進んでくる。

「……大丈夫だよ、吉羅さん……。吉羅さんだから我慢できるから……」

 香穂子が囁くと、吉羅は情熱的なキスをくれる。それで痛みに耐えられた。

 吉羅が完全に入りきると、ゆっくりと胎内で動き始めた。

 すると痛みは徐々に快楽へと変わって行く。

「……あっ、吉羅さんっ……!」

 吉羅が動く度に快楽に全身が溺れて、一気に高みへと引き上げられる。

 頭の芯が痺れて何も考えられないぐらいに感じる。

 これが究極の愛の形なのだと、初めて知った。

 激しく突き上げられて、香穂子は吉羅にしがみついて、離れないように締め付けることしか出来ない。

 そのまま一気に高みにぶつかったかと思うと、一気に墜ちていった。

 



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