*Srendipity*

13


 吉羅は香穂子を抱き上げると、ベッドに運ぶ。
 これ以上の情熱はない。
 吉羅にベッドに寝かされても、抵抗したいとは思わなかった。
 吉羅はジャケットを脱ぎ捨て、ネクタイを手早く緩めると、香穂子を組み敷いてくる。
 顔をすれすれのところで近付けられて、香穂子はどぎまぎした。
 吉羅ほど整った顔立ちをしていると、間近に見るのは心臓に悪い。
 それほどまでに魅力的だった。
 吉羅は香穂子のフェイスラインをそっとなぞると、キスをしてくる。
 今までのキスがあくまで予行演習であったことを、香穂子は強く感じる。
 甘いソフトだったキスが、燃え盛る炎のように激しくなった。
 深い角度でキスをされて、このままくらくらしてしまうのではないかと、香穂子は思う。
 吉羅の舌が口腔内を暴れ回り、激しく深みのある愛撫をしてくる。
 総ての感覚が、吉羅によって支配されているのではないかと、香穂子は思った。
 呼吸すら自分自身でままならない。
 ただ快楽に支配されて、頭の奥がピリピリとしている。
 お互いの唾液を交換しあい、愛を確かめ合う。
 香穂子の口角から唾液がこぼれ落ちると、吉羅はそれを舌先で掬ってくれた。
 それが香穂子には言葉に出来ないほどに嬉しかった。
 キスによって全身に快楽が放たれていく。
 これ以上、もう何もいらないと感じた瞬間に、唇が離された。
 ようやく呼吸が出来た嬉しさに、香穂子は胸を大きく揺らして呼吸をする。
「…香穂子…、君ほどに愛しい女性はいないよ…」
「…吉羅さん…」
 吉羅はフッと笑って香穂子の頬にキスを贈ると、そのままワンピースに手を掛ける。
 ワンピースを巧みにゆっくりと脱がされるだけで、躰が震え上がってしまうほどの官能を感じた。
「…あ…」
 吉羅に肌を晒すのが恥ずかしい。
 下着姿にされてしまい、香穂子は咄嗟に躰を隠そうとした。
「隠さないで…。君はこのままで十分に綺麗なんだ…。生まれたままの姿になれば、もっと綺麗なのは決まっている…」
「…恥ずかしいです…やっぱり…」
「…私が見たいんだ…。だから隠さないでくれ…」
 吉羅は香穂子の緊張を取るように手を握ると、フッと微笑んでくれた。
 それが嬉しい。
 吉羅は香穂子の下着にそっと手を掛けると、柔らかく脱がしてくる。
 恥ずかしいのに、吉羅が相手だと抵抗することなんて出来る筈もなかった。
 生まれたままの姿にされ、恥ずかしい余りに香穂子は柔らかく華奢な躰を捩じらせる。
「…綺麗だから…隠さなくて良いんだ…」
「…吉羅さん…」
 吉羅は香穂子を自分に向き直させると、その肌をじっくりと見つめてくる。
 こんなにも熱っぽいまなざしで見つめられると、それだけで熱くなった。
「…君は本当に綺麗だね…」
 見つめられるだけで肌が敏感になる。
 今までこんな感覚なんて知らなかった。
 吉羅にしっかりと躰を観賞されてしまい、香穂子は恥ずかしさの余りに倒れそうになった。
「…君以上に綺麗な女性は他にはいないよ…」
 吉羅は熱を帯びた魅力的な声で囁くと、香穂子の首筋を強く吸い上げてきた。
「…やっ…! あっ…!」
 息苦しいほどに甘い声を高らかに上げながら、香穂子は吉羅にしっかりと抱き着いた。
 無防備なデコルテにキスを受けるだけで、躰がおかしくなるほどに感じてしまう。
「…吉羅さん…っ!」
 吉羅は香穂子の滑らかで白い首筋に自分の噛み痕を付けていく。
 香穂子を自分のものだと宣言するかのように。
 吉羅の唇は、ゆっくりと乳房へと下りてくる。
 同時に、両側からしっかりと持ち上げるように胸を掴まれた。
「…やっ…!」
 柔らかな感触を楽しむかのように揉みあげられた。
 香穂子は首筋を柔らかくのけ反らせると、甘い呻き声を上げる。
 吉羅の指先が乳房の先端を扇情的に摘んで転がしてきた。
 痺れるよいな快楽が、躰の奥深くに広がってくる。
 そこがもどかしいほどに熟して熱くなり、香穂子は狂ってしまうほどに感じてしまった。
 もどかしい。
 吉羅が欲しいと、躰の深い部分が悲鳴を上げているような気がした。
 吉羅は乳房の先端を唇に含んでくる。
 強く吸い上げられて、香穂子は全身をのけ反らせた。
 吉羅は、巧みに舌先で乳首を転がしてくる。
 もうこれ以上に甘い刺激は存在しないのではないかと、思わずにはいられなかった。
 吉羅は香穂子の乳房を揉み上げながら、唇を平らな腹部へと進めていく。
 無意識に腰がゆらゆらと揺れてしまう。
 それほどに吉羅を欲しいと思った。
 このまま支配されたい。
 ただそれだけを思う。
 揺れる腰を、吉羅はしっかり掴んでしまうと、そのまま脚を大きく広げてきた。
「やっ…!」
 脚を閉じようとしたものの、全く上手くいかなかた。
 吉羅は香穂子の脚を大きく広げると、既に湿っている熱い場所に手を伸ばしてきた。
 そんな場所に触れられるのが恥ずかしくて、香穂子は腰を引こうとしたが、全く効果はない。
「…香穂子、大丈夫だ…」
「…やっ…!」
 スリットを指が通り抜けて、熱い宝石に触れられる。
 触れられるだけで、香穂子は躰が跳ね上がるほどの快楽を感じた。
 快楽なんかに溺れてはいけないことぐらいは解っているのに、溺れずにはいられない。
「…やっ…!」
 肌が熱くなり、滑らかさを増している。
 吉羅に触れられる度に、理性が蕩けていくのを感じていた。
 吉羅の危険過ぎる指先は、香穂子の入口を探り始める。
 どうなっても良いと思うぐらいに快楽に溺れてしまい、香穂子は小さな子どものように頭をいやいやと振り続けた。
 吉羅が熱い部分に唇を寄せてくる。
 その淫らな行為に、香穂子は目眩を覚えた。
 恥ずかしくて理性では受け入れることが出来ないのに、欲望がすんなりと受け入れてしまう。
 吉羅の舌が香穂子の蜜を舐めとりながら、宝石をくるくると舌先で転がしてくる。
 その行為の淫らな快楽に、香穂子は最早理性をかなぐり棄ててしまった。
 腰に快感が滲み、痺れてくるのを感じる。
 香穂子は気分の高揚に、どうして良いかが分からなくなっていた。
 吉羅の指先が香穂子の入口に入ってくる。
 指が胎内に入る違和感に、最初は腰を揺らしてしまったが、すぐにそれは気持ち良さに取って代わった。
 吉羅の舌で宝石を攻められ、指先で胎内を刺激される。
 こんなにも激しく愛されて、躰が熱く燃え上がるのを止めることが出来なかった。
 視界が揺れる。
 もう何もかもぐちゃぐちゃで、快楽以外には考えられない。
 吉羅の愛撫に香穂子は高みまで舞い上がり、そのまま墜落していった。

 呼吸を整えた後、吉羅は香穂子の瞼にキスをくれる。
 いつの間にか、吉羅も生まれたままの姿になっていた。
「香穂子…、君が欲しい」
 吉羅の囁きに、香穂子は頷くことしか出来ない。
 吉羅を愛したい。
 吉羅に愛して欲しい。
 香穂子は強く思いながら、吉羅に抱き着いた。
 吉羅は香穂子の痺れる快楽の残る脚を開くと、ゆっくりと自分の躰を入れてくる。
「…愛している」
 囁きながら吉羅が胎内に入ってくる。
 その瞬間、香穂子の深い部分に痛みを感じた。
「…いやっ…!」
 痛いが止めて欲しくなくて、香穂子は吉羅の背中にしがみついた。
「…大丈夫かね…?」
「大丈夫…です」
 吉羅がくれる痛みならば我慢することが出来る。
 やがて力強い圧迫に慣れてくると、今度はとてつもない快楽が襲ってくる。
 激しく突き上げられて、意識を失うかと思うほどの快楽が、全身を駆け抜けた。
 意識を手放しながら吉羅に抱き着いて、もう何もいらないと感じていた。


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