29
もう生涯、誰とも交じあうことはないと思っていた。 吉羅と別れてから、もう誰もいらなかった。 暁愛以外は。 だが、こうして再び吉羅と抱き合うことで、愛する男性が必要なのだということを初めて知った。 吉羅は香穂子を激しく抱き締めた後で、衣服を手早く脱がしてきた。 久し振りに吉羅に裸身を晒すのは恥ずかしい。 香穂子は隠そうとその身を捩らせたが、吉羅に阻止されてしまった。 「…ちゃんと見せてくれ。君は子どもを産んでから、更に綺麗になったね…」 「…暁彦さん…」 子どもを産んでからのボディラインには自信がなかったというのに、吉羅は惜しみ無く褒めてくれる。 それが香穂子には嬉しかった。 吉羅は香穂子の乳房に手を宛てると、緩やかなリズムで揉みしだいてくる。 久し振りに触れられたせいか、かつて以上に敏感に感じてしまう。 「…暁彦さんっ…!」 香穂子が甘い声を上げると、吉羅は更に強く揉みしだいてくる。 吉羅は指先で蕾をくすぐりながら、愛撫を重ねていった。 香穂子は躰を震わせ、唇をわななかせる。 吉羅に蕾を吸い上げられ舌先で転がされると、全身に強い快楽を覚えた。 以前以上に躰が熱くなっている。 こんなにも甘ったるい感覚は他にないのではないかと思った。 白く柔らかな乳房に、キスを沢山受けた後、吉羅の唇は平らな腹部へと向かう。 「…本当に君は綺麗だね…」 吉羅が感嘆の声を上げてくれるのが、何よりも嬉しかった。 吉羅の唇が、一緒に暮らしていた時よりも情熱的に愛してくれる。 別れてからずっと恋しかったのだと、改めて感じた。 記憶のなかよりも現実の香穂子は素晴らしかった。 これ以上美しい女は他にいないのではないかと、吉羅は思った。 香穂子と別れてから、こころは誰にも癒すことが出来ない程の穴が、ポッカリと空いてしまった。 少しでもその空洞を埋めたくて、様々な女と付き合ってはみたものの、傷は大きく開く一方だった。 こんなにも大きな空洞を抱え、愛に虚無的な感情を抱いていた時に、香穂子と再会した。 大きな空洞は、いつの間にか埋まり、それどころか余りある幸せと愛情でこころは満たされた。 今度空洞が空いてしまったら、恐らくは立ち直ることは難しいだろう。 それほどまでに、香穂子への想いは大きくなっていた。 離したくない。 もう二度と。 息子も香穂子もずっとそばに置いておきたいと思っている。 吉羅は香穂子の滑らかな肌や柔らかな肢体を感じながら、この腕に一生捕らえたいと思わずにはいられなかった。 香穂子をこうして愛撫をしているだけで、この上なくない幸せを感じる。 香穂子が甘くて熱い吐息を漏らす度に、もっと支配したいと想う。 完全なエゴイストだ。 だがそうなってしまうほどに、香穂子に溺れてしまっていた。 甘くて柔らかな、吉羅にとっては最高の肢体。 柔らかで以前よりも豊かになった綺麗な形のバストも、以前と同じように華奢なウェストも、以前よりも上 向きで豊かになったヒップも、すんなりとした脚も…。 総てが本当に愛しくて、綺麗だ。 吉羅は早く香穂子を自分のものにしたい欲望と、もっと悦ばせたいという欲望で、せめぎあう。 香穂子の平らな腹部から、熱い蜜の溢れた場所へと唇を近付けていく。 こんなことが出来るのは香穂子だからだ。 いや、香穂子だからこそしたいと思うのだと、吉羅は感じていた。 「…やっ…!」 吉羅は容赦なく香穂子の脚を大きく広げさせると、熱い場所に指を這わす。 既にそこは熱い蜜が溢れてヒップまで濡らしている。 感じ過ぎているのを吉羅に知られてしまうのが、恥ずかしくてしょうがない。 香穂子は泣きそうになりながら、腰を捩った。 「…あっ…!」 吉羅に敏感な中心を撫でられて、香穂子は肌を泡立たせる。 こんなにも甘くてぞくりとする旋律は、吉羅だからこそ奏でることが出来るものなのだ。 香穂子は涙をうっすらと滲ませながら、華奢な背中をのけ反らせて、吉羅の愛撫に溺れていく。 こんなにもロマンティックで淫らな愛撫は他にはないと思った。 「…あっ…!」 吉羅の唇がわざと音を立てて蜜を吸い上げ、舌先で宝石を転がしながら、香穂子を官能的に翻弄する。 「…んっ…! 暁彦さん…っ!」 蜜が大量に溢れるのを感じながら、快楽に躰が浮上る感覚に沈んでいく。 吉羅の指がゆっくりと香穂子の胎内に入り込んでくる。 内壁をくすぐられて、香穂子は何度も呻き声を上げた。 指よりももっと熱くて存在感のあるものを感じたいのに。 吉羅の指の動きが激しくなる。 「あっ、あっ、ああっ!」 躰が小刻みに震えてしまうほどに、快感に追い詰められる。 頭が痛くなるほどの快楽に、香穂子は溺れて沈み込んだ。 香穂子が達してしまったのを嬉しく思いながら、吉羅は最高の肢体を抱き締める。 こんなにも愛しいと思ったことは、他になかった。 吉羅は、香穂子の力が抜けた脚を広げさせると、その間に躰を押し入れた。 とうとう香穂子を再び征服することが出来る。 それが嬉しくてしょうがない。 こんなにも嬉しいなんて思ってもみなかった。 吉羅は香穂子の額に口付ける。 すると夢見るようにゆっくりと、香穂子が目を開けた。 まるでこの世のものとは思えないほどの美しさだ。 「…暁彦さん…」 「久し振りに…君を奪うよ…」 「…はい」 香穂子の愛らしい声に、理性は切れる。 そのまま、吉羅はたぎった欲望を香穂子の入口に押し当てた。 「…あっ…!」 期待をしていたのか、香穂子の華奢な腰が柔らかく揺れる。 それが愛しくてしょうがない。 吉羅はわざとじらすように、先端で入口をなぞる。 すると苦しそうに入口を蠢かせて、ねだるように腰を揺らす姿が可愛かった。 「…暁彦さん…っ!」 香穂子の懇願する声に、吉羅はフッと微笑むと、一気に胎内に入り込んできた。 「…あっ、ああっ!」 香穂子の中は熱くて気持ちが良い。 離さないように壁が蠢いて、吉羅を締め付けてくる。 子どもを産む前よりも、更に良くなっている。 息が出来ない程に気持ちが良くて、吉羅は踏ん張るのに必死だった。 いつも以上に屹立が硬くて力を漲らせているのが解る。 これほどまでに欲望を感じたのは今までなかった。 「…香穂子…っ!」 屹立に欲望が集中する。 また香穂子に子どもを産んで貰いたい。 今度は出産の時もそばにいてやるのだ。 吉羅は香穂子に深いキスをした後、柔らかく動き始めた。 「…あっ…!」 吉羅が胎内でゆっくりと動き始める。 今まで以上の圧迫と快楽が滲んでくる。 香穂子は息を乱しながら、更なる快楽の爆発を求めた。 吉羅を締め付けて、激しく腰を揺らしていく。 やがて吉羅の動きが力を増し、激しくなっていった。 「あっ、ああっ!」 想い出の中に鍵をかけて閉じ込めていた時よりも、更に激しい快感を覚える。 もう何も考えられない。 与えられた快楽以外は。 香穂子は吉羅を力強く抱き締めると、躰を大きくのけ反らせた。 もう何もいらない。 吉羅と暁愛以外は誰も。 激しく突き上げられ、香穂子は躰を大きく逸らせながら意識を手放した。 香穂子の躰が弛緩すると同時に、吉羅の欲望も堪えきられなくなる。 吉羅は、逞しい躰を大きくのけ反らせると、そのまま熱い欲望を香穂子に放った。 |