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ベッドまで運ばれて、優しく躰を沈めてくれる。 吉羅に組み敷かれて、緊張の余りに躰が甘く震えた。 「お腹は空いていないか…なんて…ここで言うべきじゃないかな…」 「…お腹は空いていないです…」 「ああ。私も空いていないよ…。ただ、君にたいしてはずっと空腹の状態だけれどね…」 「吉羅さん…」 息が出来ない程にギュッと抱き締められて、香穂子は泣きそうになる。 「…香穂子…」 掠れた甘い声で囁くと、吉羅は唇を奪ってきた。 もう何度もキスを交わしてきた。 それは吉羅からの一方的なものではあったが、それでも香穂子は幸せだった。 吉羅の唇が、しっとりと香穂子の唇を包み込み、吸い上げてくる。 舌を入れられて愛撫されると、頭の芯まで痺れてしまいそうになった。 舌で口腔内を愛撫されて、泣きそうになる。 こんなにしっかりと愛撫されてしまったら、愛されていると勘違いしてしまうではないか。 実際には愛されてはいない。 その事実が、香穂子の胸を抉るように突き刺さる。 唾液が口角から流れてしまうほどに、激しいキスを重ね合う。 気持ちが良くて、とろとろになってしまいそうだ。 吉羅の逞しい躰にすがりついたところで、唇が離された。 「…君はとても綺麗だね…」 吉羅の感嘆の声に、香穂子は首を振る。 「…もっと君の美しさを堪能したい…」 「吉羅さん…」 吉羅は香穂子のバスローブの合わせを広げると、そこから無防備な乳房に手を伸ばした。 「…あっ…!」 柔らかい乳房をゆっくりと揉みこまれて、震えてしまうほどに気持ちが良い。 吉羅は首筋に唇を押しつけると、香穂子の総てを奪うようにキスの雨を降らせる。それを切ない愛しさで、香穂子は受け止めた。 「…香穂子…」 「あっ!」 バスローブを脱がされて、香穂子は生まれたままの無防備な姿になる。むき出しになった乳房を、張り詰めるまで揉みこまれて、香穂子は背中をのけ反らせた。 親指の腹で乳首をくすぐられて、首筋が震える。 「…あっ…!」 白い乳房に、キスの嵐が降り注ぐ。 吉羅は、香穂子が自分のものであることを分からせるかのように、キスで所有の痕を刻み付けてきた。 肌の内側にまで浸透するような気がする。 もしこの痕が消えたとしても、内側に残る痕は消えないだろう。 それが肌に一生染み透るのに違いない。 「…吉…羅さん…」 乳房が張り詰めるほどに揉みあげられた後、吉羅は乳首を唇のなかに含んだ。 「…んっ…!」 音を立てて乳首を吸い上げられて、香穂子は細い首筋をのけ反らせた。 吉羅は、まるで香穂子を世界で一番大切な女性のように扱ってくれて、泣きそうになる。 「…吉羅さ…」 「暁彦と呼んで欲しい…」 「暁彦さ…んっ…!」 吉羅の肩にすがりついて、香穂子は快楽の渦に飲み込まれていく。 最初で最後。 だからこそ、一瞬、一瞬を閉じ込めなければならないと香穂子は思った。 吉羅の手のひらは香穂子の乳房を堪能した後、太股に触れて来る。 ゆっくりと撫でられるだけなのに、涙が出てしまうほどに気持ちが良い。 吉羅はゆっくりと頭を平らな腹部にもっていき、キスの雨を降らせた。 脚が開かれる。 「…ダメですっ…」 脚を開くのが恥ずかしくてたまらなくて、香穂子は閉じようとする。だが、吉羅は許してはくれなくて、香穂子の中心に触れてきた。 「…や…っ!」 誰にも触れさせたことのない場所に、吉羅は触れてくる。 そこの表面を触れられただけで、じんわりとした熱が染み透ってきた。 「…吉…っ!」 吉羅は一瞬フッと笑った後で、香穂子の熱い場所に指を差し入れてくる。 丁寧に指先で襞をかきわけられて、花芯に触れられる。淫らな水の音が響き渡り、香穂子は腰を浮かせた。 腰が痺れてどうしようもなくなる。 気持ちが良いのに恥ずかしくてしょうがなかった。 香穂子は、熱い吐息を宙に吐きながら、シーツを強く掴む。 「…香穂子…」 吐息混じりの艶やかな声に背筋が震えた。 吉羅はわざと水音を響かせながら、花芯を強く愛撫してくる。 その強さに、われを忘れてしまうほどの快楽を感じた。 吉羅は更に脚を開けると、そこに顔を埋めてくる。 「…やっ…! 暁彦さんっ…!」 吉羅は、香穂子の熱い場所に吐息をかけると、蜜を吸い上げてくる。 気持ちが良くて、このままベッドに深く沈んでしまうような感覚があった。 「…香穂子…綺麗だ…」 「っ、ああっ!」 舌先で花芯を転がされて、全身の快楽にひどく震える。 こんなに気持ちが良いのは他に知らない。 香穂子は肌をわななかせながら、吉羅の与える愛撫に震えていた。 たっぷりと愛の蜜を含んだ場所に、吉羅の指がそっと押し当てられる。 ピリピリとする痛みに、涙を滲ませた。 吉羅はゆっくりとかつ気遣うように、香穂子の胎内に指を滑り込ませていく。 異物感に一瞬躰を硬くすると、吉羅はなだめるようにヒップラインを撫で付けた。 「…大丈夫か?」 「平気ですっ…」 吉羅は指を沈みこませた後で、内壁を扇情的にくすぐってきた。 「…あっ…! 暁彦さん…っ!」 あんなに異物感を感じたのに、香穂子はいつの間にか心地好くなり、腰をゆらゆらと動かしてしまう。 「…香穂子」 「…んっ、あっ…」 溢れる蜜は舌で舐めとられ、胎内は指先でくすぐられる。 気絶するほどに悩ましい快楽に、香穂子は躰が高く舞い上がるのを感じた。 「…あっ、ああっ!」 全身がふわりと舞い上がり、このまま墜落してしまうのではないかと思ってしまう。 吉羅の指も舌も動きを活発にさせて、香穂子を追い込んでいった。 「あっ、ああっ…!」 躰から一気に快楽が流出して、心臓が止まりそうになる程に、香穂子は快楽を覚える。 そのまま意識を手放し、奈落に沈んだ。 吉羅が腰からヒップラインにかけてをなぞっている。 気怠い心地良さに目覚めると、鼻の頭にキスされた。 「…香穂子…。お前を私のものにする…。構わないね…?」 「…はい…」 早く吉羅のものになりたい。 香穂子はコクリと頷くと、小さな子供のように吉羅に抱き着いた。 吉羅は香穂子の脚の間に躰を入れると、熱い欲望をたぎらせたものを入り口に押し当ててくる。 その力強さに、香穂子は息を呑んでいた。 吉羅はゆっくりと香穂子の胎内に入り込んでくる。 入り口を押し広げられる痛みに、涙が零れ落ちた。 「…痛いか…?」 「少しだけ…」 笑うとしても、痛みの余りに涙が零れ落ちてしまう。 それを吉羅が唇で吸い上げてくれた。 「…大丈夫だ…」 「…んっ…」 頭を突き抜ける程の痛みに、香穂子は歯を食いしばる。 痛くてどうしようもないというのに許してしまえるのは、この痛みが愛しいものだからだろう。 吉羅は香穂子を気遣うようになるべくゆっくりと先に進んでくれた。 はかの瞬間、痛みと共に、もう子供ではないと思い知らされた。 涙が一筋零れ落ちて、香穂子の頬を雫で飾りつける。 吉羅は大きく息を吐いた後、この上なく優しく動き始めた。 吉羅が胎内に入り込んだ時はあんなにも痛かったのに、今はそれは消え去っている。 その代わりに、口では言い表すことが出来ないはずの快楽が、全身を襲ってきた。 気持ちが良くて離したくない。 香穂子が無意識に吉羅を締め付けると、逞しい躰が揺れた。 何度も激しく突き上げられて、もう限界を越えているのではないかと思うレベルで突き上げられた。 躰が激しく弛緩する。 もう何もいらない。 吉羅以外には。 吉羅が渾身の力で楔を香穂子の奥深い場所に打ち付けた。 「…あっ…!」 その瞬間、躰が大きくのけ反り、視界が暗転する。 気持ち良さの余りに、香穂子は快楽の縁に墜ちた。 |