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「…君は不思議に魅力を持っている…。瞳と肌で私を誘っている…」 「誘ってなんか…」 「誘惑しているよ。その無邪気で艶のある総てがね…」 吉羅は静かに囁くと、香穂子の唇を激しく奪ってきた。 今までのキスとは比べ物にならないぐらいの激しいキスに、香穂子は息をすることすらも赦されない。 荒々しく入りこんだ舌で口腔内を愛撫され、香穂子は背中を甘く震わせた。 頭のなかが痺れてしまうようなキスに、ベッドに寝かされていて良かったとすら思う。 ベッドにいなければ、倒れていたに違いないから。 「…君は本当に綺麗だね…」 「…吉羅さん…」 唾液で濡れた唇の周りを、吉羅は舌で丁寧に舐めてくる。 その仕草に、躰がまた熱くなる。 吉羅は満足そうに官能的に微笑むと、スーツのジャケットを脱ぎ捨て、ネクタイを緩める。 皺になってしまうのではないかと心配しながらも、それを口に出来ないほどにぼんやりとしてしまっている。 吉羅のジャケット脱ぐ仕草も、ネクタイを緩めて捨てる仕草も、どれを取っても、信じられないほどにセクシーで魅力的だった。 うっとりとカッターシャツの胸元がはだけた姿を見ていると、首筋にキスを受けた。 強く吸い上げられて、香穂子は首筋をのけ反らせてしまう。 「香穂子…」 吉羅は、ドレスのサイドにあるファスナーを一気に下げると、香穂子が着ていたヴェルヴェットのドレスを一気にはいでしまった。 「…服を着ない君のほうが魅力的だと、私は思うけれどね…」 「…そんなこと…あっ…!」 下着をするりと脱がされて、生まれたままの姿で抱き締められる。 強く抱き締められて、香穂子は吉羅の魅力に酔っ払ってしまいそうになった。 唇が鎖骨からバストのラインをなぞってくる。 世界で一番慈しまれたような気がして、香穂子は幸せで泣きそうになった。 吉羅の手が乳房に触れる。 人並みの大きさだが、綺麗な形の乳房を、吉羅はゆっくりと持ち上げてその柔らかさを確かめている。 ゆったりとした手の動きに、香穂子は酔い痴れる。 「…あっ…」 甘い声を上げると、吉羅は更に強く触れて来る。 「…君は奇跡だと思うほどに美しいよ…」 「…吉羅さん…」 「…名字で呼ばないでくれ…。名前で呼んで欲しい…、君には」 「暁彦…さん…」 「よく出来ました」 吉羅は低い声に甘さを滲ませて囁くと、香穂子の乳房に顔を埋めてきた。 「…んっ!」 既に勃ちあがって硬くなった蕾を、吉羅の舌が捕らえた。 焦らすようにじっくりと舌先で愛撫をされて、涙が滲む程に気持ちが良い。 肌を震わせながら紅に染め上げると、吉羅は愛しげに抱き締めてくれた。 乳首を口に含まれて、強く吸い上げられる。 全身に快楽が小波のように押し寄せて、香穂子は華奢な躰をのけ反らせた。 吉羅にこうして躰を慈しまれると、こころから愛してくれているのではないかと思ってしまう。 躰の愛よりも、勿論、精神的な愛が欲しかった。 「…香穂子…」 名前を呼ばれると、世界で一番吉羅に愛されている気分になる。 そうだったらどれ程嬉しいだろうか。 吉羅は香穂子の形の良い乳房を揉みながら、乳首を強く吸い上げる。 背中が、肌が、総てが甘い喜びに包まれているような気がした。 「…君は…わたしの為に作られたような気がするよ…。本当にこんなにもしっくりきた女性はいないよ…」 吉羅は香穂子の肌をとことんまで味わうように、平らな腹部に唇を押し当ててきた。 吉羅になら何をされても構わない。 そんな気分になってしまう。 「やっ…」 すんなりとした脚にキスをされて、そっと撫でられる。 世界で一番素敵な躰だと思わせてくれるのが何よりも嬉しかった。 吉羅の手が柔らかく太腿のラインを撫でて来る。 熱い吐息を吐きながら、香穂子は宙を見上げる。 「…綺麗だよ…」 「あっ、暁彦さん…」 吉羅の手が脚を開いてきた時には、流石に恥ずかしさの余りに、躰が硬くなった。 「力を抜くんだ…香穂子」 「だけど…」 「黙りなさい」 吉羅は低い声で香穂子を窘めるように言うと、脚を一気に開いてくる。 恥ずかしくて泣きそうになる余りに、香穂子は脚に力を入れた。 吉羅は脚を開くなり、足の付け根にいきなり顔を埋めてくる。 恥ずかしくてどうにかなってしまいそうだ。 吉羅が足の付け根に唇を押し当ててくる。 甘いキスに、頭がくらくらしとしまう。 吉羅の手が、香穂子の丘をそっと撫で付けてきた。 「…暁彦さん…っ!」 今までで一番激しい電流が全身に流れて息が出来ない。 今にも爆発してしまいそうな欲望に、香穂子は喘いだ。 吉羅の指先が、香穂子の花びらを開いて、その宝石を開く。 そこに息がかかった瞬間、舌先で宝石を愛され始めた。 「…暁彦さん…っ!」 今まで経験したことのない淫らな愛撫に、香穂子は腰から下に力が入らなくなる。 こんなにも甘い責め苦は他にないのではないかとすら思う。 「…香穂子…」 愛しげに名前を呼ばれると、快楽が何十倍にも増して、香穂子を蕩けさせる。 吉羅が舌先で宝石を愛撫する為に、溶け出した快楽がとろとろの蜜になって溢れ出てくる。 甘い感覚に、今にも全身が蕩けてなくなってしまうような気がした。 躰が熱い。まるで自分のものではないように思える。 ボディクリームなんて何もつけていないのに、こっくりとした肌触りになる。 これも吉羅のマジックなのかもしれない。 「…んっ…!」 吉羅の指先が遠慮なく、香穂子の入り口を拓いて、胎内に侵入してきた。 拓かれる痛みにおののいたのは一瞬だけで、後は自ら求めるように快楽を貪る。 吉羅の指の動きにくらくらしながら、香穂子は呼吸を乱した。 腰が自然に揺れて、自分ではコントロール出来ない何かに支配される。 鼓動が激しくなり、快楽が高まった瞬間、香穂子は意識を無にさせそのまま躰を沈み込ませた。 自分で何が起こったかが解らないまま、香穂子はぼんやりと吉羅に抱き締められていた。 「…あ、あの…、私…」 「…初めての経験かな?」 吉羅は、香穂子の頬を愛しげに撫でながら、低い優しい声で呟く。 「香穂子…、これからもっと未知の体験をして貰うから…」 「未知の…?」 香穂子がぼんやりとしていると、吉羅は微笑んで抱きしめてくれた。 「…痛いかもしれないが、私はもう止めてあげることは出来ないからね…。申し訳ないが…。背中に爪を宛てても何をしても良いから、怖がらないで」 「…吉羅さん…」 香穂子は、ただ吉羅を信じて強く抱き締める。 吉羅はそれに応えるようにと、背中を撫でてくれた。 「…香穂子」 名前を呼びながら、柔らかな太腿を撫でられ、入り口を拓かれる。 吉羅はその間に躰を入れると、ゆっくりと胎内に燃え盛る自分の欲望を押し入れていった。 「…やっ…!」 開拓される痛みに、吉羅の鍛えられた逞しい胸を押し返しそうになる。 だが背中にすがりついて、香穂子は痛みに堪えた。 大好きな吉羅だから、痛みを堪えたい。拒絶なんてしたくはなかった。 皺を刻んだ香穂子の眉間を、吉羅は指先で撫でて均してくれた。 吉羅は大きく息を吐くと、香穂子を抱き締めた。 苦しげに甘い吐息だ。 「…本当に、君は私の為に作られたんじゃないかね…っ!」 吉羅は苦しげに呟くと、ゆっくり動き始めた。 香穂子の痛みが揺らいで快楽へと変わっていく。 それを感じ取ったのか、吉羅の動きは激しさを増した。 「…あっ…!」 快楽に一気に意識を押し上げられる。 そのまま意識がぐちゃぐちゃになったかと思った瞬間、香穂子は総てを明るい白にさせた。 |