中編
仕事関係の短い電話を幾つかした後で、吉羅は寝室に入った。 香穂子が完全に無防備になっているのは、楽しそうな鼻歌で直ぐに解る。 吉羅も衣服を脱ぎ捨てると、そっと格子戸を開けて、露天風呂の中に入る。 髪を上げて入浴する香穂子はとても艶やかで、直ぐに反応してしまう自分に吉羅は苦笑すらしてしまう。 柔らかな午後の光に包まれた香穂子の肌は発光し、とても滑らかな美しさを滲ませている。 直ぐにでも触れて、強く抱き竦めたくなる。 こんなにも女性に魅了されることは、今まではなかった。 「…香穂子…」 名前を呼んだ瞬間、香穂子の躰が大きく震える。 恥ずかしそうに振り返りながら、白く豊かな乳房を両手で隠す姿が、とてもなまめかしくて綺麗だった。 「で、電話をされていたんじゃ…」 「直ぐに終わったよ。だから、私も露天風呂を是非とも楽しみたくてね」 「暁彦さん…」 目のやり場に困るとばかりに、香穂子は俯いてしまう。恥ずかしがる香穂子も実に色気があり、吉羅は思わず背後から抱き締めたくなる。 幾度も肌を重ねたというのに、何時まで経っても馴れない香穂子が可愛くてしょうがない。 色気すら感じてしまう。 吉羅はゆっくりと露天風呂のなかに足を入れると、欲望通りに香穂子を背後から抱き締めた。 「…やっ…んっ…」 躰を密着させると、香穂子の唇から甘い吐息がこだまする。 声だけにも欲情してしまう。 吉羅は香穂子の華奢で円やかな躰を、腕でしっかりと引き寄せる。 「…温泉というのは気持ちが良いものだね」 「…気持ちはとても良いんですけれど…」 香穂子は息を甘く乱しながら囁き、躰を甘く震わせる。 吉羅は恥ずかしがる香穂子に欲情を覚え、白く滑らかな首筋に唇を寄せた。 「…あっ…!」 所有の痕がしっかりとつくように、吉羅は白い肌を強く吸い上げる。 香穂子の肌が華やかに震えている。 手のひらで、香穂子の肌をまさぐれば、吸い付いてくるほどに滑らかだった。 こんなにも綺麗で滑らかな肌を、吉羅は知らない。 香穂子の肌はしっとりと滑らかで張りがあり、触れるだけで吉羅の欲望を限界まで高めた。 もっと触れたい。 その白く綺麗な肌に、自分のものであるという証を、強く刻み付けたかった。 本当に、香穂子は信じられないほどの美しさと麗しさを、吉羅に見せつけるのだ。 「…んっ…、暁彦さん…」 余りに可愛い声を出して、吉羅を誘うものだから、その躰が欲しくて堪らなくなる。 「…いつもヴァイオリンを弾いているから、肩がこるだろう?」 吉羅が首筋から肩にかけてしっかりともみほぐしてやると、香穂子の唇から甘い吐息が零れ落ちる。 それがまるで紅葉を色付けせているように吉羅には見えた。 「…気持ち良さそうだね?」 「か、肩、こっていたので…」 香穂子は全身を震わせているくせに、強がりを言うのが可愛い。 「…ここから見る富士山は最高だろう…?」 「あ、暁彦さんに…触れられちゃうと…ちゃんと見られません…」 香穂子が息を弾ませる姿を見て吉羅は笑いながら、触れるのを一旦止めた。 「こうしていれば良いだろう?」 吉羅はただ香穂子を腕のなかに抱き込むと、暫くじっとしてやる。 香穂子は大きく溜め息を吐くと、吉羅の胸に甘えるように背中を預けた。 「…綺麗です…。富士山…。暁彦さんと一緒に見るから格別なのかな…?」 「そう思って貰うと、私としては嬉しいけれどね。私も、君とこうして見る富士山は格別に綺麗だと思うよ」 香穂子と見る富士山は、ダイヤモンドよりも輝いて見える。 稜線に黄金色の陽射しがあたり、輝きの粒が空に舞い上がる。見惚れてしまうほどの麗しさだが、それよりも香穂子の肌のほうが美しいと思った。 「綺麗だな…」 「富士山、とても綺麗です…」 「…いや、私は君が綺麗だと言っているんだがね」 吉羅の甘く艶のある声に、香穂子は驚いたように目を見開いた。 「…あ、あの…っ」 「本当に、君は綺麗なんだよ…」 吉羅は香穂子の肩口に唇を寄せると、そこを強く吸い上げる。 「…あっ…! 暁彦さ…、富士山が…」 香穂子は首筋が甘くのけ反らせているのが、とても綺麗に見える。 美しくて、このまま腕に永遠に閉じ込めたくなる。 「…君は富士山を見て楽しめば良い。私は、君を見て楽しむから」 吉羅は香穂子の肌から唇を離したくなくて、唇を吸い付けたままで、香穂子の乳房をゆっくりと味わう。 柔らかくて張りがあり、吉羅の手のひらにはちょうど良い大きさだった。 大き過ぎるわけでもなく、小さ過ぎるわけでもない、本当にちょうど良い大きさだ。 香穂子の乳房の膨らみを楽しんだ後で、吉羅は指先で勃ちあがった蕾を摘んだ。 「…んっ…!」 香穂子は声を漏らさないようにしながら、肩を震わせている。 その姿が、また可愛くて仕方がない。 「香穂子、声を我慢しているのか?」 「だって…、お隣りのひとが来たら…っ!」 「まだチェックインしないよ。だから大丈夫だ」 「そ、そんなの解らないじゃ…」 恥ずかしげに身を捩らせる香穂子を、吉羅はもっと追い詰めたくなる。 香穂子に女としての艶を教えたのは他でもない吉羅自身だから、どうすれば追い詰めることが出来るかなんて、直ぐに解った。 吉羅は、香穂子の白く柔らかな胸を、強く揉みしだいていく。 「…あっ、んっ…!」 香穂子の肌は沸騰し、しっとりとした熱を帯びてきた。 香穂子の肌を味わうように、その躰のラインを撫で尽くしていく。 触れているだけで、酔い痴れてしまいそうになった。 吉羅は香穂子の熱い部分に 指を這わせ、襞を押し開く。 そこは既に熱い蜜で満たされていて、吉羅の指にはねっとりとした液体が絡んだ。 花芯に触れれば、香穂子は躰を大きく跳ね上げる。 香穂子をもっと乱したくて、吉羅は花芯を捏ねるように触れた。 「…あっ…! ああんっ!」 触れると熱い。 吉羅が香穂子の熱い部分にそっと指を挿入していくと、既に準備が出来ているかのように、熱く絡んでくる。 「…もう、準備は出来ているのかな? 君の胎内はとろとろだ」 「そ、それは温泉のっ…!」 「いくら温泉のお湯が濃厚だからと言っても、こんなにとろとろにはならないだろ…?」 「あ、暁彦さんの意地悪…っ!」 甘く喘ぎながら悪態を吐く香穂子が可愛くて、吉羅は指を更に奥深いところに入れる。 「…やっ…ダメッ…!」 香穂子がいつも激しく感じる場所を指で突き上げれば、香穂子の躰が激しく震える。 吉羅を欲しいと躰が訴えているかのように、細い腰を揺らした。 吉羅を溺れさせるただひとりの女だ。 吉羅を夢中にさせるただひとりの女なのだ。 「…あっ、あっ、ああっ!」 香穂子の胎内が熱くなり、キュッと吉羅の指を締め付ける。 更に強く突き上げて、花芯を摘みあげれば、香穂子の躰が激しく弛緩を始めた。 もっと愛撫で溺れさせたい。 もっと香穂子を蕩けさせたい。 「あっ、あっ、ああーっ!」 香穂子は躰を大きく震わせると、吉羅の胸に躰を預けて崩れ落ちる。 快楽に身を委ねながら、香穂子は一瞬意識を飛ばした。 達した香穂子が可愛くてしょうがない。 吉羅は香穂子から指を抜き取る。そのまま香穂子を抱き上げて、ベッドへと連れていく。 更に激しく愛したかった。 香穂子が欲しくて堪らなくなってしまったから。 吉羅はベッドの上で香穂子を抱き締めると、熱い場所に自身を宛てがった。 |