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「あ、暁彦さんっ、シャワーを浴びなきゃ…っ!」 「シャワーなんて後で一緒に浴びたら良い」 「で、でもっ!」 香穂子がいくら焦っても、吉羅は歩みを止めやしない。 「わ、私、汗臭いし…」 「汗臭くない」 吉羅はキッパリと言い切ると、香穂子をベッドに寝かせた。 「あ、あの…っ」 せめてシャワーを浴びたいと泣きそうな気分になっていると、吉羅は香穂子を起き上がらせないとばかりに、組み敷いてくる。 「あ、暁彦さん…」 「このまま君を愛したい。良いね?」 吉羅の艶やかな声で囁かれると、抵抗することなんて出来やしない。 香穂子の様子を感じたのか、吉羅はランジェリーに手を掛けてきた。 「…あ、あの…、灯を…灯を消しては頂けないですか…」 せめて灯は消して欲しい。 恥ずかしくてしょうがないから。 だが吉羅は首を横に振ると、香穂子の顔のラインを緩やかになぞってきた。 「君の美しい顔と躰を見ることが出来ないのは、私にとってはとても辛いことだ。申し訳ないが、灯はこのままだ…。君を目でも堪能したいんだ…」 「…暁彦さん…」 どうして弱いところを突いて来るのだろうか。吉羅にこうして懇願されたら、どうしても嫌とは言えない。 「…香穂子、力を抜いて…私だけに集中するんだ…」 「…暁彦さん…」 吉羅は、まるで焦らすように、自分も楽しむかのように、香穂子のランジェリーをゆっくりと外していく。 キャミソール、そしてブラジャー…。 ホックを外されて、圧迫から開放された時に、息を呑むのが聞こえた。 気に入らないのだろうか。 だが、吉羅は息を乱して、じっと胸を見つめている。 「…君は想像以上に綺麗だ…」 吉羅は、感嘆の声を上げながら、小さな最後の砦に掛かった。 「…やっ…!」 流石に恥ずかしくて躰を捩じらせたが、吉羅はそんなことなど気にしないとばかりに、脱がしてきた。 ゆっくりと、まるで香穂子の羞恥心を煽るかのように。 完全に産まれたままの姿にされて、香穂子は恥ずかしさの余りに、耳まで紅くする。 躰を隠そうとしたが、それは吉羅が許してはくれなかった。 腕を束縛されて、自由を奪われてしまう。 「…暁彦さん…」 「こんなにも美しいのに、隠すのは勿体ない…。君は私がこころから美しいと思った唯一の女性だからね…」 「暁彦さん…」 吉羅は、まるで美術品を愛でるかのように香穂子をじっくりと眺めてくる。 呼吸が吉羅には珍しく早かった。 吉羅は素早くカッターシャツを脱ぎ捨てる。 素肌になった吉羅の胸は、筋肉が引き締まっていて逞しい。 吉羅こそ綺麗だと、香穂子は思った。 「…暁彦さんも綺麗です…」 香穂子がうっとりとした気分で呟くと、吉羅は苦笑いを浮かべる。本当に綺麗だ。 「香穂子、君程綺麗なものはないよ」 香穂子に甘く囁いてくれると、吉羅は深く抱き締めてくれた。 本当になんと美しい裸身をしているのかと思った。 正直言って、数々の女と後腐れなくベッドを共にしたのは事実だ。 だが、香穂子は誰よりも美しかった。 顔もこころも躰も、総てにおいて美しい女など、そうそういるものではない。 香穂子はそれら総てを兼ね備えている稀有な存在だった。 いつまでも見つめていたいと思う程に、本当に美しい。 今から香穂子を独占出来ることが、嬉しくて幸せでしょうがなかった。 自分が初めて香穂子に男を教えるのだ。 そして、それが究極に嬉しかった。 吉羅は、スーツのパンツと下着を素早く取り払うと、香穂子の柔らかな躰に、自分の硬い躰を押し付けた。 「…あっ…、暁彦さん…」 「君をたっぷりと味合わせて貰うからそのつもりで…」 吉羅は香穂子に高らかと宣言をすると、愛し始めた。 吉羅の唇が首筋に押しつけられ、強く吸い上げられる。 「…あっ…」 躰の深い部分が熱くなり、どうしようもないほどにおかしくなる。 「…暁彦さん…っ!」 首筋を強く吸い上げられて、所有の花が肌に鮮やかに咲き乱れていく。 「…綺麗だ」 吉羅の声に愛情を感じながら、香穂子は華奢な腕を伸ばした。 吉羅の唇は、鎖骨から胸元のデコルテに向かって激しくキスをしてくる。 肌が震えて熱くなるのと同時に、どうしようもないほどに幸せだった。 「…香穂子…」 「あっ…」 吉羅の指先が、香穂子の胸の蕾を摘んでくる。 躰に電流が流れたような感覚に、香穂子は腰を大きく跳ね上げた。 吉羅は香穂子の柔らかな胸を両手で掬うように持ち上げる。 「あっ…!」 吉羅に優しく乳房を揉み上げられて、香穂子は躰を震わせる。 吉羅は香穂子の耳朶をそとと口づけた。 「…君はとても綺麗で色気がある…。もっと綺麗で艶のある声と表情を見せてくれ…」 「あ…っ…!」 吉羅の愛撫によって熟し始めた胸の蕾を、柔らかく吸い上げられた。 「…んっ、あっ…!」 今までにない感覚に、香穂子は肌を細やかに震わせる。 全身が痺れてしまうほどに気持ちが良くて、香穂子は瞳に快楽を滲ませた。 「…香穂子…綺麗だ…」 吉羅は、扇情的に胸を揉み上げながら、総てを味わうように蕾を吸い上げていった。 「…あっ…んっ…」 自分ではコントロール出来ない程の快楽に驚きながら、香穂子は吉羅の肩にしがみついた。 どうして良いのか解らないほどに、香穂子は吉羅に溺れてしまう。 吉羅は快楽に震えた香穂子の華奢で柔らかな躰を、力強い腕で抱き締めながら、唇を平らな腹部に押し当てていく。 「君は本当は芸術品なのではないかね…? それも私の為に作られた…」 「…暁彦さんのほうが綺麗です…」 香穂子は幸せな快楽に彩られた潤んだ瞳を吉羅に向けると、鍛えられた胸に手を伸ばす。 「…私に触れたいのかね…?」 「触れたいです…」 「じゃあ触れてくれ。私も君に触れられたい…」 吉羅の言葉が嬉しくて、香穂子は微笑んだ後、硬くて逞しい胸に触れてみる。 うっとりとする程にしっかりとした筋肉の感触に、香穂子は息を乱して笑った。 香穂子が胸に触れる度に、吉羅の胸が震える。それが嬉しかった。 「…暁彦さんに触れるのは気持ちが良いです…」 「私も君に触れられるのはとても心地が好いよ…」 「嬉しいです…」 香穂子は息を乱して頷くと、更に触れていく。 だが、吉羅も触れられたままではなく、香穂子のすんなりとした脚を、何度も撫でてきた。 脚に触れられるだけで、躰から力が抜けていく。 躰の奥の深い場所が疼いて、香穂子に囁きかけた。 もっと甘い刺激が欲しい。 吉羅の手が太腿の内側を撫でてくる。その動きが余りに官能的で、香穂子は吉羅を触れる手の力が抜けていくのを感じた。 吉羅の手は香穂子の疼きの源を見つけ出すように、熱い部分に触れてくる。 「…あっ…!」 熱くて熟し始めた部分に触れられた後、敏感な中心に指先が触れる。 「…あっ…!」 触れられた瞬間、頭の芯に電流が流れてしまうほどの、激しい快楽が香穂子の全身を駆け巡った。 躰がしんなりとのけ反る。それを吉羅がしっかりと受け止めてくれるのが解った。 吉羅に触れられるだけで、理性が爆発してしまい、このまま総てが蕩けてしまいそうだ。 極上のアイスクリームよりもまだ甘い刺激に、香穂子はすっかり溺れていた。 こんなにも感じるなんて、きっと吉羅にこうして触れられているからだろう。 幸せな快楽に漂っていると、吉羅が脚を大きく開いてきた。 恥ずかしくて泣きそうになった。 |