*アナタイロ*


 大好きなひとになら、恥ずかしいことをされても構わないだなんて、それだけ小松を愛しているということ。

 大好きなひとならば、総てをさらけ出しても良いと思っているし、逆にそうして貰ったほうが、嬉しいのだ。

 小松のことならば何でも知りたいから。

 だから小松にも、ゆきの総てを知って欲しいし、知りたいと思って欲しい。

 ゆきは心からそう思っている。

 だから、恥ずかしいことだって、されても、させられても、許してしまうのだ。

「……綺麗な君を見たい」

 すごい格好になっているから、ちっとも綺麗でないことは解っているのだけれど、それでも小松に囁かれると、魔法にかかったように従順になれるのだ。

 小松はゆきの太ももを撫でる。

「……さ、脚を開きなさい」

 ゆきは、更に脚を開く。

 すると小松は、満足をしたように微笑むと、ゆきの脚の間に顔を埋めた。

 舌先が、一番敏感な部分にかかり、身体をのけぞらせてしまう。

 ソファーの背もたれが心許ないと感じてしまうぐらいに、ゆきは身体を反らせた。

 なにかをしていないといられないぐらいに、感じてしまう。

 唇からは、普段の自分からは想像出来ないぐらいに甘くて艶のあるひとりの女の声が漏れた。

 小松は、指先で開きながら、蜜でいっぱいになった部分を丁寧に撫で付けてゆく。

 舌と指で愛撫をされて、ゆきはくらくらしとしまうぐらいに、感じてしまった。

 全身が震える。

 太股にまで蜜が流れて、爆発してしまうのではないかと思うぐらいに感じてしまった。

 お腹の奥が震えてしまうぐらいに、ゆきは感じずにはいられなかった。

 小松の指が、入口をしっかりとほぐしてくる。

 ゆきはもう小松の情熱がどのようなものかが、解っている。

 早く小松の情熱に満たされたいと思ってしまう。

 ゆきは無意識に腰を揺らして、小松にねだった。

「……君がこれ程までに淫らであるかは、私しか知らないからね……」

 小松は優越感を滲ませた声で囁くと、ゆきの入口に、自身の昂った情熱を宛がう。

 いきりたったそれは、小松の愛情と情熱の塊だった。

 固くて熱いそれが胎内に入ると、化学反応よりも強い効果が産み出され、蕩けてしまうぐらいに幸せだということを、ゆきは既に解っている。

 だから、早くひとつになりたい。

 堪らないぐらいに小松が欲しい。

 ゆきは小松に濡れた部分を押し付けるような腰の動きをする。

「……ねだっているの?」

 小松は、ゆきが何を欲しいかなんて、十二分に解っているはずなのに、意地悪に笑いながら囁いてくる。

 ゆきは何も言えなくて、濡れた瞳を、恨めしい気分で、拗ねるように向けた。

「しょうがないね……。今日の君の美しさに免じて、今夜は欲しいものをあげるよ……」

 小松は満足そうに言うと、ゆきの胎内にゆっくりと入っていった。

 小松が胎内に入ってきた瞬間、ゆきは満足感の余りに声を上げた。

 ずっと小松の圧迫を待ち焦がれていたのだ。

 入口を、小松に押し広げられた瞬間に、ゆきは眦から涙を流す。

 小松と情熱と愛情を更に感じることが出来て、ゆきはとても幸せだった。

 小松を離したくなくて、ゆきは思わず愛するひとを、思い切り締め付けた。

「……ゆきっ……!」

 小松は、苦しげに艶のある声を出すと、ゆきの更なる奥へと腰を進めていく。

 最初はとても痛かったのに、今はすっかりと受け入れることが出来るようになった。

 狭いソファーで小松を受け入れる体勢は、ゆきを更なる快感を覚えてしまう。

 小松の圧迫は更なる強さを増して、ゆきを更なる快感へと導いてくれた。

 小松の逞しい身体に抱きついて、彼自身を締め付けて受け入れることしか、今は出来ない。

 感じすぎてどうして良いかが、分からなくなってしまう。

 小松を抱き締めて、淫らに腰を揺らす。

 こんなにも淫らなことを教えてくれたのは、他ならぬ小松だ。

 ゆきをどんどん、大人の世界へと導いてゆく。

 小松はゆきを引き寄せるように抱き締めると、激しく動き始めた。

「……君が私だけのものだということを、きちんと刻み付けておかなければならないね……」

 小松は男らしい突き上げを何度も繰り返してゆく。

 何度も何度も繰り返し突き上げて、ゆきを一気に快楽の淵へと追い詰めていった。

 何も考えられない。

 ただ、ふたりの熱が絡み合って、激しい化学反応を起こして、意識も感覚も溶けてゆくことしか、感じられない。

 ゆきは感覚でしか小松を感じられない。

 目を開けていられないぐらいに、小松を激しく感じていた。

 部屋に響くのは、淫らな水音と激しい息遣いだけ。

 激しく力強く小松が突き上げてきた。

 ゆきは一気に身体が吹き飛んでしまうぐらいに感じたかと思うと、意識が一気に吹き飛ぶ。

 ゆきは、一瞬、身体が液体になったのではないかと思った。

 

 意識が直ぐに戻ると、ドレスを脱がされているのが見えた。

「た、帯刀さんっ!!」

「流石にこの状況じゃ、続きは出来ないでしょ?」

 小松はさらりと何でもないことのように言うと、ゆきを生まれたままの姿になる。

 小松はガウン姿なのに、自分は裸。なんてズルいのかと、思わずにはいられなかった。

「……ここではなく、次はベッドだね……」

「……あ、あの、今すぐは……、その……」

 まだお腹の奥底で小松の残滓が残っていて、満たされたような、痺れたような、余裕がない状況だ。

「……少し横になったほうが良いのかもしれないね。今は」

 小松は意味ありげに呟くと、ゆきを抱き上げた。

「ミネラルウォーターを準備するから、飲んだら、少し横になりなさい。無理をさせてしまったようだからね」

「……有り難うございます、帯刀さん」

 小松に裸のまま抱き上げられるのは、ひどく恥ずかしい。

 ゆきは小松の胸に顔を埋めて、表情を見られないようにした。

 小松は丁寧にベッドに寝かせてくれる。

 こうして寝かされると、とても大切にされているのだということが実感できる。

「……少し、眠ろうか。ゆき」

「はい、有り難うございます」

 小松はゆきの横に入ると、抱き締めてくれる。

 小松に抱き締められると、守られている気持ちが強くなり、ゆきは甘えるように身体をすりよせた。

「……君は私に我慢大会をさせる気なのかな……」

 小松の声も今は遠い。

 とても気持ちが良くて、このまま目を閉じてゆっくりと眠りに落ちていった。

 深くて安らぎの満ちた世界へと。

 きっと良い夢が見られる。

 ゆきは微笑みを浮かべながら、極上のまどろみに身をゆだねて行った。





マエ モドル ツギ