*夏の休日*

中編


 小松の寝室は、既に冷房が効いていて、とても心地が良かった。

 ひんやりとしていて、とても気持ち良い。

 ここだけが別世界のような気持ちになる。

 小松とは、時空を超えた恋だったから、それに相応しい空間なのではないかと、思わずにはいられない。

 ひんやりとしたベッドに寝かされて、ゆきは肌が震えるのを感じた。

 昼間から愛し合うなんて、本当にどうかしていると思いながらも、ゆきは小松と愛し合う行為を止められない。

 空調が整った空間は、特別な場所のように思える。ひんやりとしていて、とても気持ちが良い。

 小松は浴衣のままのゆきを、組み敷いてくる。

「こうしていると、本当に君は綺麗だ……」

 小松に甘く囁かれると、ゆきは全身がとろとろに溶けてしまうのではないかと思った。

「……君は、どこにいても、私のものだからね。これは忘れないで」

 小松はそう言って、ゆきの袷を丁寧に開き始めた。

 小松は焦らすように袷を開く。開いた胸の谷間に、小松は唇を落としてきた。

 谷間に舌先を這わされて、それだけでゆきは全身を震わせた。

 小松は浴衣を肩まで開いて、少しずつゆきを生まれたままの姿にしてゆく。

 小松は一気に浴衣を下ろして、上半身だけを露にする。

 胸が露出してしまって、本当に恥ずかしかった。

 小松は大きな手のひらで、下から持ち上げてくる。

 ゆっくりと揉みあげられて、思わず声をあげてしまう。

 小松に愛撫をされるために、自分が出しているとは思えないぐらいに、甘い声を出してしまう。

「……やっ……!」

「恥ずかしさなんて、消してしまいなさい……。ここにいるのは、君と私だけだから、恥ずかしがる必要はない……」

 小松は、白い肌に、沢山のキスをしてくる。キスの雨を降らせて、小松はゆきを高めてくる。

 肌が熱くなる。

 だが、空調が入っているから、不快には感じない。

 熱いが暑くはなかった。

 肌が沸騰して、滑らかになっていく。ときめき過ぎて、肌が柔らかくとろとろになっていった。

 帯は外さずに、小松はすんなりと脚を味わうようにゆっくりと触れてくる。

 何度も触れられて、全身がそのまま水のようにとろとろになってゆく。

 切迫感を覚えるほどに、甘い感覚に溺れてゆく。

 夏の気だるい陽射しが襖戸の隙間から漏れてくる。

 気だるく、そして何よりも心地好い空間に思える。

 ずっとこの空間に漂っていたかった。

 小松は意味ありげに脚をしっかりとなぞった後、ゆきを背中ごと抱き締めてきた。

 うなじから背中にかけて、何度も口付けてくる。

 何度も何度もキスをされて、ゆきの全身は華やかなときめきを感じずにはいられなかった。

 甘いときめきに、このまま蕩けてしまいそうになる。

 小松はゆきの乳房を背後から揉みしだいてくる。

「……ん、あっ……」

 特別な官能的な空間だからだろうか。

 小松と大胆に愛し合ってしまう。

 大胆でも淫らでも、それほど恥ずかしい感じないのは、この場所が夏の気だるさに包まれているからかもしれない。

「……ゆき、君は本当に最高だ……。今日はずっと離さない……」

 小松は艶のある深い声で呟きながら、うなじを思いきり吸い上げてくる。

 甘く刻まれた所有の証。

「……小松さん……」

「……また、苗字で呼んだ……。君は全くしょうがないね……、ゆき」

 小松はゆきの華奢な身体を引き寄せて、背後からしっかりと抱き締めてくる。

 こうして抱き締められるだけで、胸が切なく高まっていった。

 小松は、浴衣を脱がすことなく、ゆっくりと揉みしだいてゆく。

 敏感な部分が痺れるぐらいに熱くなり、ゆきは早く触れて欲しいだなんて、淫らなことを思っていた。

 息が出来ないぐらいの欲望に、ゆきはくらくらしそうになる。

「……君は本当に可愛いね……。私にこんなにも興奮してしまうんだ……」

「恥ずかしいから止めて下さい……」

 ゆきが羞恥に震えながら呟いても、小松はからかうように笑っている。

「……どうして、こんなにも興奮するのかな? 教えて?」

 なんて意地悪なのだろうかと思う。

 小松はゆきの耳たぶを口に含んで、楽しげに呟いている。

 本当になんて意地悪なのだろうか。

 だが、意地悪な小松を好きなのは、他でもない自分だから、ゆきは何も言えやしない。

 こうして興奮するのも、小松を心から愛しているからなのだ。

「小松さんを……愛している……から……」

 ゆきが消え入るような声で囁くと、小松はフッと満足げに笑った。

「……良くできました……」

 小松はご褒美とばかりに足の間に手を入れてくる。

 素早く下着を剥ぎ取られ、器用な指先で、熱い場所をくすぐられると、それだけでじんわりと快楽が滲んでくる。

 身体は小松の愛撫に敏感に反応して、思わずゆきは身体をのけ反らせた。

 身体がとろとろに蕩けてしまいそうになるぐらいに、感じてしまう。

 ゆきは肌を震わせながら、思わず唇を噛み締めた。

 自分でも、ものすごくいやらしい格好をして、いやらしいことをしているのは、分かっている。

 だが、小松との愛の行為は止めることなんて出来ない。

 むしろ、止めたくなんかない。

 息が出来ないぐらいに感じてしまい、感覚だけが先走ってしまう。

 ゆきは、息を見出しながら、何度も呻くような甘い声を出した。

「……ゆき、浴衣で乱れる君はとても綺麗だね……」

 小松も欲情している。

 同じ快楽を共有できることが、ゆきは嬉しかった。

「……君が欲しい……」

 小松が欲情の印を押し付けてくる。男らしい情熱の証だ。

 ゆきも小松が欲しい。

「……私も……、小松さんが欲しい……」

「そう……。素直で良い子だね、君は……。良いよ、君にはとっておきをあげる……。だから、君も、君のとっておきを私に……」

 小松はゆきを四つん這いにさせると、腰を上げて、熱い場所に自分を宛がう。

 入口をなぞられるだけで、ゆきはとろけてしまうぐらいに感じた。

「……ゆき……」

 小松はゆっくりと胎内に侵入してくる。小松の熱い楔でいっぱいになり、ゆきは息が出来ないぐらいに、感じた。

「……んっ……!」

 思わず歓喜の呻き声をあげてしまう。

 もう理性は、欲望の暴走を止められない。

 何度も突き上げられて、ゆきは歓喜の声を何度も上げる。

 とても乱れているのは分かっている。

 だが、このまま高みに上り詰めることを、ゆきは止められなかった。

 



マエ モドル ツギ