佐保姫

3


 将臣の腕に抱かれると、まるで海に抱かれているように安心する。
 両親から離れた寂しさも、なくなっていく。
 将臣は望美を強く抱きしめた後、布団の上に押し倒してくる。明日にはベッドがやってくるので、今夜だけのスペシャルな経験だ。
 躰を包み込むように抱きしめられた後、唇を塞がれる。しっとりと唇を包み込まれて、望美は縋るように将臣を抱きしめた。
 望美を宥めるようなキスから、熱を高まらせる熱いキスへと深さを増していく。しっかりと捕らえられるキスに、涙が滲んだ。
 舌で口腔内をしっかりと愛撫され、呼吸すらもコントロールされる。
 背中に手の平を這わせると、がっしりとした逞しさを感じた。
 唾液が流れても気にならないぐらいにキスに夢中になる。
 髪が中途半端に湿っていることすら気にならないぐらいに。
 将臣の呼吸が熱くなる。
 大きな手は、望美のパジャマの中に入ってきていた。
 肌を撫でられるだけで、躰も心も震えが止まらなくなる。望美は、将臣の躰に自分の肌をしっとりと密着させていった。
「…声…、我慢するなよ…」
「…解ってるっ…!」
 甘く苦しい声を上げると、将臣は甘く笑った。
 もうこそこそしながら将臣に躰を委ねなくともよくなっている。
 将臣の欲望をしっかりと受け取りながら、声を出せば良いのだから。
 将臣にパジャマを脱がされ、下着も取り払われる。生まれたままの姿にされて、望美は恥ずかしさの余りに抱き着いてしまった。
「…あまり見ちゃ嫌だよ…」
「綺麗だから見たい」
 いつもよりも数倍は甘い声で囁かれると、それだけで腰に震えがくる。
「見るんだったら…、将臣くんも裸にならなきゃ…、嫌だ…」
「解った。お姫様の好きなように、脱がせてくれよ」
 はしたなくて恥ずかしい提案に、望美は思わず生唾を呑む。
 したくないというよりは、むしろしたい。望美は震える手で、将臣のパジャマのボタンを外した。
 直ぐに鍛えられた胸元が視界に入り、興奮してしまう。
 将臣の立派な躰を見るだけで、望美は肌を震わせた。
 腰からヒップにかけてのなまめかしいラインに、望美は胸が締め付けられるぐらいに震える。
 パジャマの下を静かに下ろすと、将臣の屹立が目に入り、目眩を覚えた。
 将臣のそこは、望美を求めて既に欲望をたぎらせている。
 思わず恥ずかしげもなく見てしまい、将臣に苦笑いされた。
「そんなにほしけりゃしゃぶれよ」
 いやらしい提案にも、逆らうことなんて出来やしない。望美は将臣の躰からパジャマを取り払うと、屹立に触れて、顔を寄せた。
「…あんまり刺激すんなよ? お前が欲しくてたまらねぇんだからな」
「…ん」
 将臣の雄剣を手に取ると、望美は愛おしみながら軽い羽根のようなキスをする。亀頭に舌を這わせると、将臣の鍛えられた筋肉が震えた。
「…望美…っ!」
 舌で刺激をするほど、そこが熱くなっていくのが解る。望美は、一生懸命舐めながら、そこに愛を注いだ。
「望美…たまらねぇから、一度離せよ…。俺もお前の綺麗な躰を、好きにしてぇ…」
 将臣のたまらないぐらいに艶のある声に、望美はようやく開放する。
そうするなり、将臣は襲い掛かるような勢いで抱きしめて来た。
「…ま、将臣くん…っ!」
 薄い肌を重ね合わせて抱き合うのは、なんて気持ちが良いのだろうか。望美は将臣に強く抱き着いてしまう。
 将臣の大人びた唇が、望美の肌を吸い寄せていく。首筋や鎖骨を吸い上げられる度に、紅の愛が刻み込まれていった。
「…将臣くん…」
 乳房を我が物のようにしっかりと揉みあげられていく。
 柔らかいそこが、将臣の手によってどんどん硬くなっていく。
 将臣の舌が、白い乳房を捕らえた。今まで以上に丁寧に舐められて、望美は思わずシーツを掴む。
 好きだという、切迫した情熱が溢れ出し、望美は泣きそうになった。
 気持ち良さとやる瀬なさで、肌が深く震えていく。
 腰は痺れてしまい、自らコントロール出来なくなってしまっている。それが辛かった。
 腰を思わず揺らしてしまう。
「これからは毎日…良い声を聞かせてくれよ?」
「えっち!」
「えっちなことをして貰いたくて、腰を振っているのはどこの誰だよ?」
 将臣は笑いながら、望美の熱い場所に手を持っていく。
 官能的な水音が響き渡り、望美は恥ずかしくて隠れたくなった。
「もう準備…出来てるな」
 将臣の指先が、望美の肉芽に繊細に触れてくる。電流のような気持ち良さに、望美は躰を硬くする。
「あっ…!」
「もっと、もっと、熱くなれよ…」
「ま、将臣くん…っ!」
 脚を大きく広げられると、将臣はそこに唇を落としてきた。舌先を蜜壷に捩込められて、思わず腰を浮かせてしまう。
 将臣は入口から直接蜜を味わった後、襞の内側を丁寧に舐めてきた。
「あっ、んんっ…!」
 指を乱暴に胎内に突っ込まれると、将臣は激しく動かしてくる。その動きに、気が遠くなるぐらいに望美は感じてしまった。
「あっ、ああ…!」
 頭の中に大きな快楽の波が押し寄せてくる。波のような快楽に、望美はこのままとろけてしまうのではないかと思った。
 将臣とセックスをするのは初めてではないし、口では言えないようなことを、数多くしている。
 だがいつも初々しい快楽に襲われて、飽きることを知らない。
 ぶわっと音が出てしまうのではないかと思うぐらいに、全身に快楽が滑り落ちる。
 腰も、蜜口も、肉芽すらも痺れて、このままどうにかなってしまいそうだ。
「ま、将臣くんっ…!」
 強く肉芽を吸い上げられると、もう快楽は暴走するしかない。望美は大きく躰を反らせると、そのまま墜落していった。
「…ったく、んな可愛いとこばっか見せるから、俺がたまらなくなっちまうじゃねぇかよ…」
 意識の奥で、将臣が苦笑するのが聞こえる。その艶やかな声が、望美を現実に戻してくれた。
「すげぇ可愛い」
 目を開けるなり、将臣は望美の瞳にキスをする。その甘さに、躰の芯がなくなってしまうのではないかと思う。
「…もっとお前を喜ばせてやりてぇけれど、限界。お前の胎内に入りたくてしょうがねぇよ」
「…うん、いいよ…」
 恥ずかしくて余り目を合わせられないままで、望美は同意する。
「…ったく、どこまで可愛いやつなんだよ、お前は…」
 将臣は、望美の足の間に、自分の逞しい躰を滑り込ませると、屹立を入口に宛ってきた。
「あっ…! ああ…!」
 入口に逞しいものを宛われたかと思うと、将臣は一気に入り込んできた。
 えぐるように、深い場所に入り込んでくる。
 熱くて硬い圧迫に、望美は狂うように締め付ける。
 このまま将臣を離すなんてことは出来ないから。
 将臣は息を乱しながら、望美の胎内を擽ってくる。熱い楔に翻弄されながら、望美は細い腰を強く揺らした。
「愛してる…」
「わ、私もっ…! 将臣くんっ…!!」
 お互いに一番薄いところで熱を感じ合い、しっかりと噛み合って愛の営みを行う。
 将臣は深い場所まで入りきると、一旦、深呼吸をした。
 そこからこの上なく優しく動き始めた。
「あっ、あっ…!」
 物足りないぐらいに鈍くて気持ち良い動きに、望美は夢中になる。自分を将臣にしっかりと擦り付けていった。
 薄いスキンを介しても、ふたりの密着は深い。
 将臣の動きが激しさを増して、望美をとことんまで追い詰めていった。
 快楽の淵に追い詰められ、もうどうしようもない。
「あっ、あっーああっ…!」
 将臣が深い場所き突き刺さってくる。
「ああっ…!」
 快楽が頭のなかをぐちゃぐちゃにして、望美から理性を奪い取っていった。
 もう気持ちがよくて、どうしようもない。
 将臣に全てを捧げてしまいたいと思った瞬間、今までにない快感に襲われる。
 望美は躰を激しく弛緩させると、そのまま崩れ堕ちた。

 意識が戻ると、将臣は優しく抱きしめてくれる。
「これからずっと俺が護ってやるから」
「うん。しっかり甘えて頼っちゃうからね」
「覚悟してる。だからもう一回な?」
 将臣は望美を抱きしめると、そのまま怒涛のように快楽を刻み込んでくる。
 望美はもう全てを預けるしかなかった。
コメント

キリ番で書いた「筒姫」の前段階のお話です。



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