佐保姫


 意識が朦朧とし、息が乱れている中で、将臣に強く抱きしめられた。
 将臣の体温も温かく、息が乱れている。将臣の匂いがいつもより強く感じられて、心が安らぐような気がした。
 胎内で将臣がまだいる。
 繋がったままというのが、なんともエロティックだ。
「…望美…っ!」
 将臣はくぐもった声で名前を呼ぶと、望美の躰をまさぐり始める。ブラジャーを外されて、じかに胸を揉みこまれた。
 肌が沸騰する。その熱さに望美は狂ってしまいそうになる。
「…あっ…! 将臣く…んっ。夕ごはん、まだ途中だし…っ!」
「飯なんか…どうでも良いんだよ…。俺はお前に飢えまくっているんだからな。覚悟しろよ」
「…やっ…! ああっ!」
 望美の胎内で力を増した将臣は、再び望美を圧迫し始める。先ほどよりも強い力が胎内をうごめき、そこが快楽で痺れて来た。
「…あっ、ああ…。将臣くん…っ!」
 繋がった部分を優しく撫でられて、頭の中までぞわりとした快感が襲い掛かってくる。
 強靭な腰の動きに、望美は脚を将臣に絡ますように縋り付いた。
「すげ…っ! キツイ…っ!」
 もう将臣は冷静でいられないぐらいに、望美の最奥を突き上げてくる。
 まさに欲望の赴くままだ。
 だがその強さが気持ち良すぎて、望美は蜜を激しく垂れ流す。
「あっ…! ああっ!」
 直接感じる将臣の熱が、こんなにも熱くて激しいものだとは思わなかった。
 ふたりでする初めての生身のセックス。
 愛があり、思いやりがある生の経験は、こんなに気持ちが良いとは思わなかった。
「あっ、あっ…!」
 肉芽を指で刺激されると、望美はそれだけで背中をのけ反らせた。それを将臣の鍛えぬかれた腕が受け止めてくれた。
 気持ちが良くて涙が出る。
 望美は熱に溶けてしまいそうになりながら、将臣を深い部分で締め付けた。
「クッ…!」
 将臣は苦しそうになりながらも、恍惚の表情を浮かべている。
 一旦、深呼吸をすると、将臣は激しく突き上げてきた。
「あっ…!」
 内壁が擦り合う、淫らでどこか心地良さが残る水音が響き渡る。
 四肢まで痺れるような感覚が渡る。
「あっ、あっ! 将臣く…んっ! 大好きだよっ…!」
 背中にギュッと捕まり、望美は思いの丈をぶつける。
 こんなに激しく攻められていても、もっともっと将臣が欲しいと思う。
 好きで、好きでしょうがない。
「あっ、あっ、ああんっ!」
 子宮を突き破られてしまうのではないかと思うぐらいに、将臣は望美を突き上げてくる。
「ああ…」
 腰が痺れて、肉芽が痺れて、何もかもが痺れて。
 再び躰が弛緩を始め、望美は快楽に飲み込まれていく。
 熱くなった躰は放散させながら、墜落していく。
「望美っ…!」
 熱いものが注ぎ込まれるのを心地良く感じながら、望美は心地良い闇に堕ちていった。

 短時間に二度も達してしまうと、流石の望美もぐったりしてしまう。それを慰めるかのように、将臣が柔らかく抱きしめてくれた。
「…飢えは解消出来た?」
「そんなわけねぇだろ? お前の最高の躰を感じちまいと、もっと飢えちまう」
「私はお腹が空いたよ」
「お前は少し補給しなくちゃだめなねかもな。まあ、俺はお前に充分補給してもらっているから、大丈夫だけどな」
将臣は甘く微笑むと、望美の胎内から滑り落ちた。
「あっ…!」
 入口が痺れる感覚に、望美は思わず声を上げた。
「まだまだ、もっと貰うからな。お前の下の口も、俺でいっぱいになりてぇって言ってるぜ」
「もうっ!! 将臣くんのバカッ! えっち!」
 真っ赤になり、感じていることをごまかしながら、望美はプリプリと怒った。
「…望美、脚開けよ。俺の液で汚したから、綺麗にしてやらねぇとな」
「や…」
 まだ痺れている脚を開け、将臣はそこに顔を埋める。
 明かりのついた部屋での淫らな構図に、望美は泣きたくなった。
 だが、止めてとは言えない。
 そこが切なくてたまらなかった。
 将臣の舌は襞を掻き分け、蜜や自分の精が溢れている入り口を丹念に舐めてくる。
 「…俺のもお前のも混じってる…」
 薄く笑われて、望美は泣きたくなった。こんなこと恥ずかしいのに、だが腰を突き出してしまう自分がいる。
 胎内から流れ出る液体を啜られて、望美の肌は小刻みに震えた。
「ま、将臣く…んっ!」
 やる瀬ない快楽を煽るように、将臣の舌の動きは激しくなっていく。
「…んっ…!」
 そこからまた満たされない熱が生み出され、望美は喘いだ。
 昇りつめたばかりの躰は簡単に満たされていく。望美はジェットコースターよりも激しい勢いで、高みへと上り詰める。
「…あっ! ああんっ!」
 腰を激しく床に打ち付けると、望美はまた愛欲の淵に堕ちていった。

 将臣に抱き起こされながら、呼吸を整える。
「飯、少し食べて、休憩するか」
「…うん」
 望美は立ち上がろうとしたが、将臣に激しくされ過ぎて、腰が抜けて立ち上がることが出来ない。
「…立てないよ…」
「しょうがねえな…」
「もうっ! 将臣くんのせいなんだからねっ!」
「はいはい」
 まるで子供をあやすように、将臣は望美を抱き上げると、椅子に座らせてくれた。
「おら、ガウン」
「…うん、ありがと」
 将臣からお気に入りのタオル地のガウンを受け取り、望美はそれを着た。
 衣服を素早く整えた将臣を、はにかみながら見てしまう。
「ったく…。お前はすげぇ可愛いな」
 軽く触れるだけのキスをされて、望美はまた俯いてしまう。
 再び訪れた夕食タイムに、望美は恥ずかしくなる。
 セックスと食事は、結び付いているような気がしたから。
 だがお腹が空いているので、どんどん食べてしまう。
「美味そうに食うな。まあ、いっぱい食べて体力をつけてもらわねえとな?」
 意味深に笑われて、望美は俯いてしまった。
「…それって…、私がよく失神したり…、腰を抜かしたりするから?」
「そうだな。それに、俺、もう、ゴム付けるの無理だからな」
「えっ!? そ、それは…」
 望美は全身を真っ赤にさせながら、軽く将臣を睨みつける。
「お前とナマでやったら気持ちが良すぎて、もう、ゴムには戻れねぇよ。子供が出来ても、ちゃんと育てる自信は あるからな。だから、余程のことがない限りは、避妊はしねぇ」
 将臣はキッパリと宣言すると、望美を真摯に輝く瞳で見た。
「激しくする?」
「激しくする。子供作りてぇしな。それに、あのままあっちの時空に残っていたら、俺達はとうの昔に、親になっているさ」
 まんざらでもないように言われて、望美は嬉しさが込み上げてくる。
「…じゃあ、ナマでしていいよ…」
 望美はなし崩しになっているのを感じながらも、将臣の想いを聞き入れる。
 女として嬉しいのか、子宮が甘く疼いた。
コメント

キリ番で書いた「筒姫」の前段階のお話です。
あと一回で終わります。
たぶん



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