「今日は俺の仕事場に着いてこい。服は用意させた」 「はいっ!」 メイドを始めて二日目、今日はレウ゛ィアスの仕事場に向かう。 用意されたノーマルなワンピースを着て、車で会社行く。 連れていってもらうと言ったほうが正しいかもしれなかった。 来たときと同じように、車内私語厳禁。 禁止されると話したくなるのが普通だ。 口許がむずむずとするのを我慢しながら、会社までやってきた。 「大きなビル!!」 流石アルウ゛ィース。 一流企業体なだけあり、その本社ビルはとてつもなく大きい。 ぽかんと口を開いて、思わず見上げてしまうほどだ。 「ほら、行くぞ」 「はいっ!」 連れていかれたのは、ビルの最上階のとても広々とした部屋。 総帥室だ。 そこに入ると、何人もの秘書がやってきて、次々にレウ゛ィアスに報告していく。 その間、アンジェリークはどうしていいかが判らず、おろおろとするばかりだ。 不安げにアンジェリークはレヴィアスを見た。 「アンジェリーク、奥にミニキッチンがあるから、昨日と同じ要領で、コーヒーを淹れてくれ。おまえもカフェオレを作っても構わんから」 「はい」 てきぱきと仕事をするレウ゛ィアスをちらりと見た後、ミニキッチンに入った。 昨日教えてもらったように、アンジェリークは慎重にコーヒーを淹れていく。 同時に牛乳も沸かしてご満悦だ。 屋敷と同じタイプのコーヒーメーカーだったので、とてもスムーズに作ることが出来た。 コーヒーを持っていくと、すでにスタッフたちは部屋から出ていった後だ。 「コーヒーです」 「ああ。置いておいてくれ。おまえも机に座って、ゆっくりしてくれ」 コーヒーを淹れるだけの世話ではどこか心許無い。 「あの・・・、何かお手伝い出来ることはありませんか?」 「・・・そうだな。パソコンは出来るか?」 「はい。あまり難しいものでなければ」 「そうか。だったら、これをそこにあるノートパソコンで入力してくれ。出来た文書はCDに焼きこんでくれ」 「判りました」 これぐらいなら、ひとりで何とか出来る。 アンジェリークはしっかりと頷くと、作業を始めた。 レウ゛ィアスの役に立てるのが、凄く嬉しかった。 入力する文書は他愛のないものだったが、それでも良い。 パソコンは触るのが大好きなので、入力するのも楽しかった。 午前中は、レウ゛ィアスの仕事とコーヒーを淹れることで終わってしまった。 昼食は大食堂でレウ゛ィアスと食べる。 「会食以外はここで食事をしている」 「美味しいですもの、この食堂。その上、とても安いですし」 「そうだな」 「学食もこんなんだったら良いのに」 しみじみとアンジェリークが言うと、レウ゛ィアスは苦笑していた。 午後からはレウ゛ィアスはかなり忙しそうだ。 次々に電話や書類をこなしていく。 凄いな。私なんか、今日は社会見学みたいだもんね・・・。 時折頼まれて飲み物を出すときが、楽しかった。 パソコンの入力作業も終わってしまい、アンジェリークは手持ちぶたさで、レウ゛ィアスの横顔を主に見つめていた。 真剣に仕事をしている姿を見つめるのが凄く楽しい。 本当に仕事をする真摯な姿は素敵すぎて、見惚れてしまう。 やはり働く男の姿はとても素敵だ。 やっぱりご主人様は素敵・・・。皇子様みたいだな・・・。 皇子様は剣を使ってばったばったと敵を斬るけれど、レウ゛ィアスさんは頭脳を使ってスマートに敵を倒すの。 素敵だな・・・。 お三時に出た栗饅頭までたらふく食べ、午後はほとんど仕事しなかった。 これでもレウ゛ィアスに怒られなかったのが不思議なくらいだ。 午後からやったことと言えば、レウ゛ィアスを見て栗饅頭を食べただけ。 その間にレウ゛ィアスは山のようにあった書類を片付けてしまった。 「帰るぞ」 「えっ!」 時計を見ると五時を過ぎており、アンジェリークは慌てて帰る準備をした。 帰りの車の中で私語厳禁を知りながらも、これでは悪いと思ったアンジェリークはうなだれながら口を開いた。 「あの、今日は余りお役に立てなくてもうしわけなかったです」 「いや、今日はあれで構わなかった。十分だ。コーヒーも美味かったしな」 レウ゛ィアスの言葉には、正直驚いた。 仕事をしている間はとても厳しそうだったのに、自分には甘い。 「いいのでしょうか。ホントに・・・」 「俺がいいと言えばいい」 「はい」 きっぱりと力強く言い切られて、アンジェリークはそれ以上言葉を繋げることが出来なかった。 翌日、アンジェリークは屋敷でお留守番となった。 昨日のことが原因かな・・・。 そんなことを考えながら仕事をすることにした。今日はベッドメイキングをメイド長から習う。 「ではご主人様のベッドを綺麗にいたします。シーツやカバーを取り替えてベッドメイクをします。見本をお見せしますから、後についてゆっくりやりましょう」 「はい」 まずはメイド長から。 やはり熟練した動きに、感心せずにはいられない。 ほんの少しの時間で、ベッドメイクを完成させてしまった。 「次はアンジェリークさんです」 「はい」 自分のベッドはきちんとしているので、ベッドメイクには慣れている。 が、やはりレウ゛ィアスのベッドは広くて大きいので、なかなか時間がかかってしまう。 メイド長には適うはずはないが、なるべく丁寧にするように心掛けてみた。 「出来ました」 「はい。とても綺麗に出来ていますよ。アンジェリークさん。しかし、少し端などが依れていますので、お気をつけますように」 「はい」 自分では丁寧にやったつもりだったので、やはりうなだれてしまう。 「ではもう一度!」 ニコリと笑われて、最初から始める。 結局、何度も駄目出しをされてしまい昼までかかってしまった。 昼食の後は、なぜか厨房の手伝い。 「私が料理長です。よろしくお願いします」 アンジェリークもまた頭を下げて挨拶をし、料理作りが始まる。 「今日はご主人様のお好きな、ラム肉のシチューです。柔らかく煮たお肉は非常にジューシーで美味しいんですよ」 「はいっ! 頑張ります!」 アルウ゛ィース家にいるシェフは世間でも超一流で、アンジェリークは真剣にレクチャーを受ける。 料理を作るのに七転八倒したが、夕方近くになってようやく料理が完成した。 「きっとご主人様もおよろこびになられますよ」 「そうだと嬉しいです」 レウ゛ィアスが家に帰ってくると、アンジェリークは出迎えをした後まっすぐ部屋に入る。 そこでレウ゛ィアスの着替えを手伝う。 まだまだぎこちないが、起こらずに接してくれるレウ゛ィアスに感謝していた。 着替えの後は夕食。 ここは同席するのだ。 運ばれてきたラムシチューにアンジェリークはドキドキとする。 ちゃんとレウ゛ィアスは”美味しい”と言ってくれるだろうか。 そんなことが頭によぎる。 ラムシチューを今口に運ぶレウ゛ィアスの姿に胸を高まらせる。 「美味いぞ、アンジェリーク」 そのたった一言で、天にも昇る気持ちになった。 その証拠に目の前に花畑が見える。 「ホントですか!?」 「ああ」 淡々としているが、瞳には笑みが滲んでいる。 「おまえも食べてみろ」 「はいっ!」 すすめられるまま食べると、本当に美味しい。 「おいし〜! きっと料理長のお陰だわ!」 「おまえが頑張ったからだ」 レヴィアスに素直に褒められると嬉しい。 少し照れくさい微笑みを浮かべながら、シチューを食べる。 ダイニングルームが花園のように思えた------ 翌日、レヴィアスを送りtpどけたあと、彼の部屋をベッドメイクをして一端自室に戻ると、ベッドの上に箱が積み上げられていた。 「これは…?」 シチューのお礼に。 今夜食事に行こう。 レヴィアス。 そこには、アンジェリークの白い肌によく似合うイエローの品の良いドレスと、それに合わせたバッグ、ヒールが置かれていた。 レヴィアス様…!! アンジェリークの期待は嫌が追うなく高まってきた------- |
コメント きっと3回で終わる〜(笑) |