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「なあ、今からちょっと時間ねえか?」 「うん、大丈夫よ」 ”偶然”を装っての数回目の戯れの時、アリオスの申し出に、アンジェリークは胸にときめきすら覚えた。 いつものカフェから出て、アリオスの後をぽてぽてと着いていく。 「どこに行くの?」 「まぁ、行ってのお楽しみだ」 近くにアリオスは車を止めており、それにゆらり揺られる。 アリオスの車に乗るのは初めてで、とても楽しい気分になる。 「アリオスって運転上手いんだ」 「これぐらいは当たり前だろ?」 「だって、乗り物に弱い私が酔わないんだもん」 これは正直凄いと思った。 父親の運転する車ですら酔うことがあるのに、不思議とアリオスの運転は酔わなかった。 「俺の運転がおまえの肌にあってんだろうな」 「…うん、そうね」 そう思うと嬉しかった。 車は15分ほど走って、街から少し離れた閑静な住宅街に止まった。 アリオスが車を駐車したのは、アンティークな住宅の車庫。 200年ほど前の重厚な外観の住宅のようだ。 石造りの邸宅は時代を超えて存在し、包み込んでくれているように思える。 その立派さと素敵さにアンジェリークは暫く見とれずにはいられなかった。 「この家には小さなプールがある。入ろうぜ」 「えっ!? 水着持ってない!!!」 急にアリオスに言われてもとばかりに、アンジェリークはどきまぎとしている。 「裸で入ればいいじゃねえか。ここは端だし、そのうえ、他の家からは覗けないようになっている」 手を取られてドキリとする。 まだキスだってしたことがないのに、大好きな男性に肌を魅せるのが恥ずかしい。 プールに入ると、なるほど納得出来る。 プールはまだ水が入ったばかりで、気持ち良さそうだし、プールの周りには高く白い柵があり、それを囲むように高い木と塀が張り巡らされていた。 「隣は無人だからな。大丈夫だ」 「うん・・・」 「だったら泳ぐか。おまえの泳ぎの成果を知りたいしな」 横でアリオスが素早く服を脱ぎ始める。 「ほら」 一糸纏わぬ堂々とした姿のアリオスに頬を赤らませ、瞳を潤ませながらアンジェリークはアリオスを見た。 「・・・下着のままでいい・・・?」 「構わないが、帰りは下着はねえぞ。まあ、俺が車で送ってやるから構わねえが・・・」 「うん、でも下着のままがいい・・・」 まだまだ白い肌をアリオスに晒すのは恥ずかしくて堪らない。 アンジェリークも服を脱ぎ捨てると、下着姿になり、アリオスの手を取った。 夏の夕方の涼しい気候の中で、二人はプールに飛び込む。 「おまえの水泳の成果を見せろよ」 「うん」 足をぱたぱたとしながら、アンジェリークはアリオスに泳ぎを披露する。 ”河童”というほどではないが、そこそこは泳げるようになっていた。 「上手くなったな」 「ありがとう」 褒めてもらって凄く嬉しい。アンジェリークは素直にときめく気持ちになれた。 「アンジェ、一緒に泳ごうぜ」 「うん」 手を取られて、素直に応じられる。アリオスが手加減してくれながら、一緒に泳いだ。 心地好くてしょうがないくらいだ。 アリオス、なんて綺麗なのかしら・・・。 筋肉なんかひき締まって、無駄なところがないわ・・・。 うっとりしちゃう。 アリオスに見とれながら、アンジェリークは泳ぎを楽しむ。 まるで水の妖精になった気分で、とても楽しかった。 手を繋いだまま深く潜った後、ふたりは大きく飛び上がる。 水面に浮かび上がって、しっかりと抱き合う。 「脱いじまえよ・・・」 「あ・・・」 アリオスが下着に手をかけてくる。心が奔放になり、素直に下着を脱いでしまった。 「おまえ、すげえ綺麗だぜ…。水の精みてえだ」 「アリオス・・・」 アンジェリークは栗色の髪に水がしたたる。 それをアリオスが指で掬うと、胸の奥が苦しくなる。 ぎゅっと裸の胸に抱き締められて、息が詰まった。 好きという感情が躰中に巡っていく。 血が熱く巡って、指先までもアリオスが好きだと感じる。 見つめあった瞬間に、火花が飛び散った。 アリオスの顔が近付いてくる。 もう子供なんかじゃない。 ひとりの女として、アリオスが好きだ。 初めてのキスにアンジェリークは胸の奥が甘酸っぱくなる。 アリオスの唇が重なった。 その冷たさに、アンジェリークはうっとりとなる。 キスはこんなに蕩けるほど素敵なんだろうか。 アリオスの肌も何もかもが素晴らしく感じた。 触れるようなキスから、包み込むようなしっとりとしたものに変わる。 途端にその躰が震えた。 アリオスに掴まっていないと躰が上手く支えることが出来ない。 アンジェリークはアリオスにぴったりと掴まって、とろんとしたキスを受けた。 息が出来なくなるほどの甘いキスに、アンジェリークは肩を震わせる。 唇がようやく放されると、アンジェリークはしっかりと抱き締められた。 「アリオス・・・」 躰がぴったりと合わさり、何だか甘くて気分が高まってくる。 触れる度に、アリオスの熱い部分が堅い感触で当たる。 「アンジェ、プールを出よう」 「裸なのに?」 「ああ」 アリオスはアンジェリークを抱き上げると、脱ぎ捨てた服だけを拾い、プールを出てどこかに向かう。 「どこに行くの?」 「良い所」 あくまで秘密のようで、アリオスは微笑みながら屋敷の中にはいっていった。 裸の男性にお姫様だっこをしてもらうのも初めてで、妙に緊張する。 なんだか…恥ずかしいけれど、嬉しい…。 アンジェリークは頬を染めながら、甘い期待に頬を染めた------ |
| コメント 夏休みの恋物語です。 今年は甘酸っぱい恋をお届けします〜。 ちなみにタイトルは久々にBeatlesの初期の曲からです。 次回は別館になる予定です(笑) |