*愛しているからしょうがない*

中編


 本当に花が愛しい。

 抱き締めれば、抱き締めるほどに愛しさが増す。

 玄徳は花を抱き締めるだけでは足りなくて、唇を深く奪う。

 触れるだけでは物足りない。

 玄徳は、かなり長く離れていたかのような気分になりながら、花の唇をしっとりと奪う。

 キツく唇を吸い上げられて、花はくらくらしてしまうぐらいに、玄徳を熱く感じていた。

 何度か唇を吸いあった後、玄徳の舌が口腔内に入り込んでくる。

 何度も舌を絡ませあいながら、ふたりはお互いの愛情を確かめあった。

 玄徳の舌先が、花の口腔内をくまなき愛撫してくる。

 背筋が震えるほどに感じて、花は玄徳の逞しい背中に強くしがみついた。

「…んっ」

 花が甘い呻き声を上げると、玄徳は更に愛撫を激しくする。

 このままではキスでは済まないだろう。

 今日は、玄徳が無事に帰ってきたから、簡単な宴を開催する予定なのではあるが、このままでは宴に行けなくなってしまう。

「…玄徳さん…」

 キスの合間に玄徳の名前を呼んでも、ただ抱き寄せられる。

 更に躰を密着させてくる。

 玄徳の鍛えられた肉体を密着されてしまうと、花はついうっとりとしてしまい、何もかもを忘れてしまう。

 だが、このままではいけない。

「…玄徳さん…」

「花…、このままお前と一緒に過ごしたい…」

 玄徳がまさに欲望に流されそうとしていた時だった。

 扉を叩く音が聞こえて、ふたりはハッとして、慌てて躰を離す。

「玄兄、孔明殿が話があると」

 扉の向こうからは、雲長の声が聞こえる。

 玄徳も花もすっかり欲望が冷えて、冷静に考えられるようになった。

「解った、直ぐに行く」

「はい」

 玄徳は返事をした後、困ったような苦笑いを浮かべた。

「しょうがないな。続きは後だ。花、今夜はお前を離さないからそのつもりで…」

 玄徳にハッキリと言われて、花は頷くしかなかった。

 玄徳を、孔明のところへと送り出した後、花はひとりになる。

 夜の激しさを感じずにはいられなかった。

 

 孔明との話し合いの後、三日間の施設を労うため、軽い宴が開催された。

 花は先ほどよりも更に綺麗に化粧を施した。

 化粧をするのは、本当に玄徳のためだけだ。

 花は玄徳に綺麗で大切なひとであると思って貰いたかった。

 玄徳の横で、花は終始いた。

 ようやくが宴が終わり、花はほっと胸を撫で下ろす。

 これでようやくふたりきりの時間を持つことが出来る。

 それが花には待ち遠しくてしょうがなかった。

 

 早く宴が終わって欲しくて、玄徳は祈るような気持ちで待ち続ける。

 手を伸ばせば簡単に届いなのにうまく接客てしまう。

 

 早く花にとしっかり手を繋いで、ふたりきりの時間をたっぷりと過ごしたかった。

 ちらりと横にいる花を見つめる。

 落ち着いた笑みを浮かべる花は、なんて綺麗なのかと思わずにはいられない。

 このまま室に連れ帰ってしまいたい。

 それ程までに玄徳は、花を強く求めていた。

 ようやく宴が終わった。

 いつもならばこのままダラダラと続く宴に参加するのだが、今日はそうはいかない。

 花が欲しくてしょうがないのだから。

 透明感のある花の肌が、玄徳を誘っている。

 早く抱きたかった。

「…花…、行こうか…」

 玄徳は花の手をギュッと握り締めると、静かに立ち上がった。

 早く花を自分だけの花にしたい。

 自分だけを見つめてくれる時間にしたい。

 玄徳はさり気なく宴から退席したつもりだったが、部下の誰もが微笑ましいとばかり思っていた。

 特に孔明は、花が明日は仕事を休むだろうと、予測していた。

 

 玄徳にしっかりと手を握られて室へと向かう。

 花は華やいだときめきに、鼓動が早くなるのを感じた。

 早く玄徳と抱き合って離れていた時間を埋めたいと思わずにはいられない。

 それ程、玄徳に抱かれたかった。

 玄徳と熱の共有がしたかった。

 ふたりで室に入ると、玄徳はいきなり抱き締めてきた。

 抱き締められるだけで、嬉しい。

「…花、お前が欲しくて堪らなかった…」

「…玄徳さん、私もずっと抱き締めて貰いたかったです」

 花は艶のある笑みを浮かべながら、玄徳の逞しい胸に頬を寄せる。

 玄徳はくぐもった声を上げると、花の唇を深く奪う。

 何度も唇を重ねながら、お互いの唇を吸い上げる。

 キスをする度に躰が熱くなる。

 限界になるぐらいに玄徳が欲しくなり、花は潤んだ瞳で見つめた。

 玄徳は花を抱き上げると、有無言わせず、寝台へと連れていく。

 寝台に寝かされると、いきなり漢服の袷に手を淹れてきた。

 玄徳の指先から、花に餓えているのだということを感じ取られる。

 花はそれが嬉しくてしょうがなかった。

「…俺はどうしようもない病気にかかっているな…」

 玄徳は自嘲気味に呟く。

「…え?」

「“花が欲しくて堪らない病”だ…」

 玄徳は花の唇を荒々しく塞ぐと、舌で愛撫を始めた。

 花がキスに夢中になっている間も、玄徳は華奢な花の躰をまさぐることを止めない。

 慣れた手つきで花の漢服を脱がして、生まれたままの姿にする。

「…お前の滑らかな肌を…、ずっとこうして独り占めにしたかった…。僅か1日の話なのにな…」

 玄徳は掠れて艶やかな苦笑いを浮かべると、花の白くて柔らかな肌を堪能するように頬を乳房に宛てて、何度かすりすりと動かした。

「…んっ…あっ…!」

 花は思わず甘い声を上げる。

 玄徳にこうして直に触れられるだけで感じ取られるしまった。

 玄徳は花の太腿を軽く撫でる。

 すると息を乱しながら、蜜が滲み始めた熱い中心を撫で始めた。

「…花…、感じているか…?」

 玄徳は花を煽るような色気のある声で呟く。

「やっ、あんっ…!」

 玄徳に三日程触れられていなかったそこは敏感で、既にとろとろに蕩けている。

 玄徳を受け入れる準備が既に出来てしまっていた。

「…玄徳さんっ…!」

 敏感な花芯を玄徳に触れられて、花が甘い嬌声を漏らした。

 鈍い快楽が花の細胞をわななかせる。

 それ程までに玄徳が欲しくてしょうがない。

「…花…、俺も…お前が欲しくてしょうがない…。後で埋め合わせる…」

「えっ、あ、あんっ!」

 玄徳は、いつも以上に欲望をたぎらせた自身の分身を花の中心に何度も擦り付けると、一気に胎内に入り込んできた。

「…あっ、ああっ…!」

 たった三日間、欲しくて堪らなかったもので、花の躰はいっぱいになる。

 いつもよりも熱くて硬い圧迫に、目眩を起こしそうだ。

 玄徳は花の脚を高らかに上げると、鋭い角度で胎内に入ってくる。

 圧迫に満たされて、花はまなじりに涙を滲ませる。

 初めは玄徳に感じることは、とても恥ずかしいことだった。

 だが今は素直に、玄徳が与えてくれるこの世で一番素晴らしい快楽を感じられる。

 花は玄徳に脚を絡ませながら、腰を動かし、淫らにも愛する男性を締め付ける。

 その度に快楽が激しくなり、花は何度も背中をのけ反らせた。

 玄徳でいっぱい満たされて、花は本当に幸せだと思った。

「…花…、愛している…」

「私も…愛しています…玄徳さん…っ! もっと…お願い…」

「気持ちが良いのか?」

「…玄徳さんがもっと欲しいの…」

 花が甘えるように言うと、玄徳はもう堪らないとばかりに、激しく突き上げてきた。

 花は高らかに嬌声を上げると、そのまま美しく、躰をのけ反らせる。

 頭の中が真っ白になるほどに気持ちが良くて、花は躰を弛緩させながら、快楽が作り出す闇へと墜ちていった。



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