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公瑾の屋敷の料理人はかなりの腕前らしく、花はどの料理も美味しく平らげた。 こちらの料理の作り方も学ばなければならない。 やはり妻として、公瑾に料理をしてあげたいと思う。 本当に覚えるべきことが沢山ある。 先ずはこの世界の言葉。 正確には漢字をマスターしなければならない。 そして都督の妻として相応しい礼儀作法。 料理…。 本当に沢山のことを学ばなければならないから、毎日が退屈することなく過ごせそうだ。 花にとっては、刺激的な毎日のほうが楽しいからだ。 花が微笑んでいると、公瑾は優しく尋ねてきた。 「花、随分と楽しそうですね…。何か面白いことでもあったのですか…?」 「沢山やることがあるので、ずっと楽しく過ごせそうだと考えていたんですよ」 「具体的には?」 「はい、漢字の勉強に、こちらの礼儀作法、美味しいお料理も習いたいですし」 「そうですね…。ですがあなたにはまだまだやることはありますよ」 公瑾は何処か優しさを含んだ声で、淡々と呟いた。 「教えて下さいませんか?」 「…私の妻として、都督夫人として…、そして母として…」 公瑾の言葉に、花は幸せが滲んでくるのを感じる。 公瑾の子供ならさぞかし頭が良くて可愛らしいだろう。 「そうですね。沢山、やることがありますね。本当に飽きずに楽しく過ごせそうです」 「そうですね」 公瑾はフッと微笑むと、立ち上がった。 「さあ、夕食は終わりですよ…。今からは…二人だけの時間を紡ぎに参りましょう」 二人だけの時間。 それがどのように官能的な時間であるのかを、花は分からないわけではない。 恥ずかしいが、とっておきの時間には違いない。 だが、初めての上、相手は一生愛し抜くことが出来るひとだ。 緊張しないはずがない。 「花…、今日から私たちの寝室をご紹介致しますよ…」 公瑾に手を取られると、そのまま寝室へと向かった。 ドキドキし過ぎて旨く話せない。 その上、喉がからからになるぐらいに緊張してしまっている。 はっきり言ってガチガチだ。 それに気付いているからか、公瑾はいつもよりもより強く手を握り締めてくれた。 「…花…力を抜いて下さい…」 公瑾の蕩けるような甘いまなざしが向けられて、花はその場で卒倒してしまいそうになる。 余計に呼吸が荒くなった。 いよいよ部屋に入る。 寝室に入るなり、公瑾に荒々しく抱きすくめられた。 「…公瑾さんっ…!」 声を掠れさせながら、花は公瑾の抱擁に溺れてしまう。 こんなにも激しく抱きすくめられたのは、初めてなのかもしれない。 「…花…。もう…我慢が出来ないぐらいにあなたが欲しい…」 公瑾は切迫した愛情を花に見せつけると、そのまま激しく口づけてきた。 キスだけでこのまま蕩けてしまいそうになる。 立っていられなくなるぐらいに深いキスをされて、花は公瑾に縋り着いた。 公瑾の力強い腕が、花の華奢な躰をしっかりと支えてくれる。 キスをされた後、公瑾は花を静かな情熱に満ちたまなざしで見つめた。 この瞳で見つめられたら、全身が情熱によって蕩けてくる。 「…花…。あなたを愛していますよ…」 公瑾は優しく花に囁くと、そのまま抱き上げて来る。 寝台に運ばれて、いよいよ熱情に満ちた世界が始まる。 公瑾は器用に花の装束を脱がしにかかる。 綺麗な指先が胸元を掠めて、花は震えた。 「…公瑾さん…」 名前を呼ぶ声が震えると、公瑾はくすりと笑った。 「花、緊張しなくても大丈夫ですから…。私たちは愛を交換するんですから…」 「はい…」 愛を交換する行為。 花は幸せな気持ちに満たされるのを感じながら、公瑾を抱き締めた。 生まれたままの姿で愛し合うのは恥ずかしいけれども、それ以上に幸せを感じる。 公瑾は素早く自分の装束を脱ぎ捨てて、花を抱き締めてきた。 お互いの肌と肌が重なり合う。 温かくて、甘い感覚が花を満たす。 公瑾は花に唇を重ねてきた。 甘いキスについうっとりとしてしまう。 最初は重ねるだけの甘いキスだったが、徐々に深みが増して来る。 蜂蜜のよいなキスに花はとろとろになってしまいそうだ。 躰の奥深くが甘く感じた後、もどかしい程の愛を感じた。 公瑾と何度もキスをした後、体温より少しだけ冷たい唇が、花の首筋から鎖骨を捕らえる。 背中がゾグリとしてしまうぐらいに感じる。 思わず甘い声を上げると、更に公瑾の唇は肌を強く吸い上げてきた。 「…んっ、あっ…!」 花の声を楽しむかのように、公瑾は更に強く肌を吸い上げてくる。 まだまだ発展途上にある花の胸を、公瑾の手が触れてきた。 下から掬い上げるように揉みしだかれて、胸が張り詰めてくる。 花はつい呻き声を上げた。 「…あなたは本当に美しい…」 公瑾は感嘆の吐息を吐くと、花をうっとりと見つめてくれる。 愛するひとに称讃される。 こんなにも幸せなことはない。 花は幸せな気分に浸りながら、公瑾に艶のある笑みを向けた。 「そんな微笑みは、私以外の男には向けないで頂きたい…」 公瑾は、花の固くなった胸の蕾に唇を吸い付ける。 快楽が全身に満ち溢れて、花は背中を反らした。 お腹の奥が鈍い痛みで支配されるぐらいに感じる。 無意識に花は、公瑾に躰を擦り寄せていた。 「…花…」 公瑾の声が今までにないぐらいに艶やかで甘く、官能的だ。 甘美な声で名前を呼ばれるだけで、花は胸が痛くなる。 公瑾の指先が、そっと熱い部分に伸びる。 想像していなかった行為に、花は全身を飛び上がらせた。 「…大丈夫」 公瑾の声は媚薬だ。 花から力を削いでしまう。 熱い中心に触れられて、どうして良いのかが分からなかった。 敏感な場所に触れられると、途端に、欲望ともどかしいぐらいの快楽に満たされる。 腰が何度も浮き上がって、公瑾を求める。 花は呼吸を乱しながら、逞しい公瑾の肩にすがりついた。 胸で呼吸をしなければならないほどに激しくなる。 花は何度も深呼吸を繰り返す。 下半身が痺れてしまうぐらいに感じてしまい、細胞までが震えた。 今までに経験したことのない快楽に、花は頭がくらくらした。 公瑾に触れられる度に、欲望と快楽がどんどん膨れ上がる。 花は無意識に公瑾に躰を密着させていた。 ふと公瑾の頭が中心に下がった。 これから何が起こるのかを考える前に、激しい刺激が始まる。 甘くて熱い液体を唇でさらわれて、舌先で中心が刺激される。 公瑾の麗しいほどに美しい指先が、花の中心を押し広げてきた。 痺れるような痛みが、花の全身を貫く。 公瑾の指先は、花の入口をほぐすかのように、優しく労るように動いた。 お腹の奥深い場所が、公瑾を求めて揺れている。 もっと彼が欲しい。 もっと近付きたいと呻いているように、花には思えた。 呼吸が出来なくなるぐらいに追い詰められる。 花はどうして良いのかが分からなくて、ただ快楽にその身を任すしかなかった。 舌先での敏感な場所の刺激と、指先による刺激。 本当にどうして良いのかが分からないまま、花は激しい快楽に飲み込まれてゆく。 こんな刺激が、こんな快楽があったのかと、思わずにはいられない刺激だった。 このまま公瑾が紡ぎ出す新しい世界に溺れていたい。 このまま蕩けてしまえれば良いのに。 花はもう与えられる快楽以外は何もいらないと思いながら、静かに墜落してゆく。 幸せな墜落だった。 |