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琥太郎の家の中にそっと入る。 「綺麗ですね、部屋の中」 「掃除のひとが来ているからな。寮の俺の部屋も片付いているが、流石にお前を連れ込むわけにはいかないからな」 琥太郎は苦笑いを浮かべると、月子の手をギュッと握り締めた。 「俺の部屋はこちらだ。着いて来い」 「はい…」 大好きで堪らない琥太郎の部屋に向かう。 甘い緊張が止まらない。 震える程に緊張しているのに、不思議と嫌ではなかった。 琥太郎はそっと自室のドアを開ける。 いよいよ琥太郎の本当の意味での、コアなテリトリーに入ってゆく。 月子が今まで知らなかった場所だ。 「どうぞ」 「お邪魔します…」 琥太郎の部屋にドキドキしながら入る。 するとそこは、シンプルな空間が広がっていた。 ベッドしかない部屋。 逆に月子はドキドキせずにはいられない部屋だった。 「随分と片付いた部屋ですね。いつものように散らかってはいないようですね」 月子が緊張を紛らわせるように言うと、琥太郎は苦笑いをする。 「俺もいつもかつも汚いイメージがあるのか?」 「少なくとも、私にとってはそうですよ。先生の後片付けばかりしていましたから」 月子は思い出しながら、くすくすと笑う。 「そうだな。係長にはいつも片付けて貰ってばかりだったからな」 琥太郎はとても懐かしい呼び方で呼ぶと、月子を柔らかくふわりと抱き締めた。 「月子…」 琥太郎に抱き締められて、月子は心臓が飛び出してしまうのではないかと思うぐらいにドキドキした。 月子が甘い緊張に震えていると、琥太郎はフッと微笑みをくれる。 その微笑みは、とても艶やかだった。 「お前を愛しているよ…」 「琥太郎さん…。私も愛しています…」 月子が緊張の中、ぎこちなく愛を囁くと、琥太郎の唇が下りてきた。 しっとりと甘いキスに、月子は我を忘れてしまうぐらいに溺れる。 こんなにも甘くて、そして気持ちの良いキスは他には存在しないような気がした。 琥太郎は唇を巧みに吸い上げながら、舌先でくすぐるように愛撫をしてくる。 キスだけで、月子は立ってはいられなくなるぐらいに感じていた。 こうして支えるようにして抱き締められなければ、きっと立ってはいられなくなっただろう。 口の周りが唾液でベタベタになってしまうぐらいにキスをした後、琥太郎は月子を軽々と抱き上げる。 そのままベッドに運ばれて、月子はまるで映画のヒロインにでもなったような気分だった。 ベッドに寝かされて、琥太郎を見上げる。 ドキドキするが、決して嫌な感覚じゃない。 「…月子、好きだ…」 琥太郎の魂の奥底から搾り出される声に、月子はときめかずにはいられない。 「…私も琥太郎さんを愛していますよ…」 琥太郎は息を乱しながら、月子を抱き締めて、唇をふさいでくる。 情熱的なキスは、月子の全身に、生まれてきた意味を問い掛ける。 きっと琥太郎と結ばれる為に生まれてきたのだと、そう感じずにはいられなかった。 頭の中がぼんやりとしてしまうぐらいに、琥太郎のキスは気持ちが良くて、月子は快楽に溺れてゆく。 口腔内を隙間なく愛撫をされて、本当に愛されているのだということが感じられた。 月子もまた、本当に愛していることを伝えたくて、琥太郎のキスに一生懸命ついていった。 舌をお互いに絡ませ合い、唇を吸い合う。 ロマンティックな気分で、月子は益々溺れていった。 息が上がる頃に、お互いの唇が離れてゆく。 「月子…、お前は本当に綺麗だ…」 琥太郎は愛しげに目を細めながら、月子を見つめてくれる。 まなざしだけで、全身を愛撫されているような気分になり、月子は息を乱した。 琥太郎は官能的に微笑みながら、月子の頬を柔らかく撫でてくれる。 行為そのものから、琥太郎の愛情が感じられて、嬉しかった。 琥太郎が大人の分別があるからこそ、とても大切にされてきた。 だからこそ、月子は幸せなのだと、素晴らしいひとに出会えて良かったと、母親に言われたことがある。 その言葉をこんなにも実感出来るとは想わなかった。 琥太郎は優しく月子のワンピースを脱がしてくる。 とてもゆっくりとしたリズムで恥ずかしかったが、嫌だとは一切想わなかった。 むしろなんてうっとりとする瞬間なのだろうかと、思わずにはいられなかった。 月子を下着姿にした後、琥太郎は丁寧に生まれた姿にしてゆく。 恥ずかしくて、琥太郎の視線をまともに見つめることが出来なくて、月子は思わず目を伏せてしまった。 乳房が露になった時に、恥ずかし過ぎて、月子は思わずだきしめるようにして隠してしまう。 着痩せするので恥ずかしかった。 「隠さなくても良いんだ…。いや、むしろ、隠すな」 「…恥ずかしくて…」 月子が耳まで真っ赤にさせながら呟くと、琥太郎はギュッと抱き締めてきた。 「…こんなにも綺麗なのにか…? 隠すな、俺にだけは。お前の綺麗な躰を見つめるのは、俺だけだからな…」 琥太郎は熱い吐息混じりに呟くと、月子を抱き締めて離さない。 「…本当に綺麗だ…」 心からの感嘆が混じった声に、月子は泣きそうになる。 こんなにも綺麗だと言ってくれるのは、嬉しかった。 「…月子…」 琥太郎は月子の滑らかな首筋に唇を這わせてくる。 震えるほどの快感を感じながら、月子も琥太郎を抱き締める。 「…琥太郎さん…、あの…、琥太郎さんも同じように服を脱いで欲しい…」 大胆だとは思ったのだが、大好きなひととはなるべく近くで温もりを共有したかった。 「…そうだな…。お前だけというのは不公平だな…。しかし、お前は…、本当に綺麗だな…。俺はお前程は全く綺麗ではないから、期待をし過ぎるなよ…?」 琥太郎は何処か茶化すように言うと、衣服を脱ぎ捨ててゆく。 今夜の琥太郎は特別な日だからと、センスの良いスーツを着ていた。 ネクタイを外す姿も、シャツを脱ぎ捨てる姿も、総てにおいて、なまめかしかった。 どれも絵になる仕草で、月子はついうっとりと見つめずにはいられなかった。 服を着ている時はとても細い印象がある琥太郎だが、脱いでしまうと綺麗に筋肉が着いているのが見えた。 本当に美し過ぎて、いつまでも眺めていたいとすら月子は思った。 「…琥太郎さん…綺麗です…」 「綺麗は男に言う言葉じゃない…。お前のように綺麗な女が相応しい…」 琥太郎は苦笑いを浮かべながら言うと、月子の唇に触れるようなキスを贈った。 月子がうっとりとしていると、琥太郎はいきなり激しく抱き締めてくる。 お互いの肌と肌が密着しる抱擁は初めてで、心臓が飛び出して走ってしまうのではないかと思うぐらいに、鼓動を刻む。 こうしてダイレクトに琥太郎の肌を感じて、温もりを共有するだけで、なんて幸せなのだろうかと思った。 「…月子…っ!」 琥太郎は、月子が自分のものなのだということを、滑らかな肌に刻みつけてゆくために、激しいキスを浴びせてくる。 首筋から鎖骨の美しいデコルテを称讃しながら、キスの痕を残していった。 鼓動が早くなり、吐息に甘さが滲む。 「…あっ…、琥太郎さん…っ!」 琥太郎の大きな手のひらが、月子の乳房を支配してゆく。 ゆっくりと大きく乳房を揉み上げられる。 「…月子…。お前はなんて柔らかくて…綺麗なんだ…」 琥太郎は月子の乳房に夢中になるようにしっかりと揉み込み、何度も呼吸を乱す。 月子の滑らかな肌は益々熱くなっていった。
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