*First Real White day*


 将臣にしっかりと手を繋いだまま、ブティックホテルにチェックインした。
 恥ずかし過ぎて、一度も顔を上げられない。ただ将臣の手をギュッと握り締めることしか出来なかった。
「服を乾燥させねぇとな」
「そうだね…」
「バスローブがあるから、シャワー浴びて着替えて来いよ。乾燥機で洋服を乾燥させてやるから」
「…うん」
 返事しか出来ない。余りに緊張をし過ぎているから。まるで心臓が病気にでもなったかのように、不規則に音を立てていた。
 将臣に言われたように、シャワーを浴びて潮臭さを取り除く。いつもと同じような温度でシャワーを浴びているはずなのに、今日は特にピリピリとしていた。
 シャワーを浴び終わった後、濡れた洋服や下着をハンガーにかけ、将臣が乾燥機をかけてくれた。
 後は待つだけ。
 本当に待つだけなの? などと自問自答をしてしまった。
「これで1時間ぐらいしたら乾くから、待っていよう」
「うん…」
 部屋の片隅で望美が子供のように立ち尽くしていると、将臣がすっと横に立った。
 男らしい香りに、目眩がしそうになる。
 望美の感覚を刺激するその香りは、余計に落ち着きを無くさせた。
 雄としてのフェロモンが望美を刺激する。
「…望美」
 いつもと違う、感情が乗った掠れた声に、思わず躰を硬くする。
「…好きだ…。好きでたまらない」
 将臣にまるで包み込むように抱き締められて、望美は躰を硬くさせた。
 唇が近付いて来て、望美は思わず目を閉じる。
 最初はためらいがちに触れたキスが、深みを増してきた。
「…んっ…、あ…」
 将臣のキスが更に強くなり、舌が入り込んでくる。口腔内を舌で繊細に愛撫をされ、背筋が震えた。
 将臣の唾液が流れ込んでも、抵抗なく飲み込むことが出来た。
 唇を放されたあと、将臣は強く抱きすくめてくる。
「…お前を抱きたい」
 掠れた懇願するような声に、こころは熱く動かされた。
「…怖くないよ…ね?」
「優しくする」
「ん…」
 望美は将臣の首に腕を回すと、躰を強くすり寄せた。
 将臣は髪を撫でてくれた後で、ベッドへと運んでくれる。
 ふたりだけでは充分過ぎるぐらいに広いベッドに寝かされた後、強く抱き締められた。
 こうなるのに早すぎることはもうない。それどころか、かなり長かったかもしれない。
 将臣の唇が、首筋をなぞってくる。ひんやりとした唇に、全身が切なく震えた。
「…好きだ、好きだ、好きだ…!」
 バスローブの合わせを乱暴にはだけさせ、将臣が鎖骨から乳房にかけて音を立ててキスをしてくる。
 強く吸い上げられる度に、真っ赤な花が咲き乱れた。
 将臣の大きな手が、下から持ち上げるように、しっかりと揉み上げてくる。
 手のひらからの大きな刺激と、羽根のような柔らかなキス。
 望美の女の部分が、一気に沸騰し、やるせない熱を放出し始めた。
「…あっ…んっ…!」
 将臣が望むように、鮮やかに形を変える乳房は、高まりを見せて行く。乳首も、乳房も圧迫に苦しくなるほどに追い立てられ、張り詰めていった。
 尖った硬い乳首を、将臣の唇が甘く覆う。ぎこちなく吸い上げられたり、軽く歯を宛てられたり。舌先で乳 輪をなぞられたときには、涙が出てしまうほどに気持ちが良かった。
 肌が自分のものではないと思えてしまうぐらいに、劇的に変化を遂げる。
 細胞のひとつ、ひとつが、きめ細かく動いているのが解った。
「…あっ! 将臣くん…っ!」
 将臣は、望美の乳房の柔らかさを楽しむように、そこに顔を埋めた。
 何度も唇で肌を吸い上げられて、視界がかすんでしまうほどの甘酸っぱい刺激を受けた。
「…綺麗で、柔らかいな…。お前は…」
 将臣の手が背中を優しく撫でつけてきて、耐えきられないほどの震えが背中を走り抜ける。
 これからどうなってしまうのだろうかと考えるだけて、優しい恐怖が躰を覆い尽くしてきた。
 将臣はうっとりとした熱い欲望が滲んだ溜め息を何度も零しながら、少しずつ唇を平らな腹部へとずらしていく。
 筋肉が見事についた腕で、望美の華奢な腰を掴むと、片方の手のひらで、望美の熱い襞を撫で付けた。
「あっ…! やっ!」
 思わず腰が浮き上がり、震えが子宮の奥深いところにまで伝わってくる。
 痺れた欲望が突き上がり、襞の外側へと流れ始めた。
「あっ、やっ…!」
 初めは表面を撫でられるだけだったのに、将臣の指先は襞を丁寧に押し開く。
 むき出しになった肉芽を、将臣がまじまじと見つめて来た。
 視線だけで、たまらないほどに強く、そして熱く愛撫がされているのを感じる。
 見られている恥ずかしさに、卒倒しそうだった。
「見ないでよ…」
「こんなに綺麗なのに…、見ないでいるのはもったいないだろ?」
 将臣は感嘆のような溜め息を吐いたあと、最も敏感な部分のひとつである肉芽を指先で弄ってきた。
 ほんのすこし擦られただけだというのに、頭の先端までもがぼんやりとする快楽が走り抜ける。
「将臣く…っ!」
 将臣は薄く笑いながら、望美の入り口を、これみよがしに撫で付けてくる。
 腰が意思とは関係なく揺れ、脚から力が抜けて行った。
「あっ…!」
 躰が大きく跳ね上がる。
 将臣の唇が肉芽に押し当てられ、指先が熱くて沸騰しそうな場所に侵入してきた。
 痛いだとか、そんなことを感じる前に、鈍い快楽が望美の下半身を麻痺させる。
 泣きたくなるぐらいに、意識をグチャグチャにしてしまいそうになるぐらいに感じた。
「あっ…!」
 いやらしい水音を立てられながら、胎内を指で擦りつけられる。
 溢れ出た熱い蜜は、将臣の唇が吸い上げ始めた。
「やっ、もうっ!」
 舌先で、ビリビリと痺れた肉芽を舐められ、指で胎内をくすぐられる。
 激しい刺激がダブルで加えられて、限界だと思ってしまうほどに、総ての細胞が蠢いていた。
 目をきちんと開けてさえいられない。
 瞼の奥が白んで、眩いどこか神々しい光しか見えなかった。
「あっ…! 将臣く…っ!」
 自分のなかの何かが、まるで風船が割れるかのように破裂する。
「ああっ…!」
 一瞬、心臓が止まったような感覚がしたあと、望美は真っ逆様に墜ちていった。

 目を開けると、将臣がこちらを色気が滲んだまなざしで見つめている。
 既に準備が出来たのか、熱くて硬いいきり立ったものを、入り口に押し当てられていた。
「…痛い?」
「痛くないように善処はする…。それだけ濡れているから、大丈夫だろ」
 将臣は掠れた声で呟いたあと、望美の脚を大きく広げて、胎内に入ってきた。
「やっ、やあっ!」
 充分な準備はされていたとは言え、将臣の圧迫を受け入れるには、望美はまだ青さを残していた。
「力を抜いて…。大丈夫だ…」
「将臣くん…」
 本当に広げられる痛みは辛くて涙が出る。こんな痛みは将臣が相手だからこそ我慢が出来るのではないかと思った。
 将臣の腰はゆっくりと進んでくる。まるで望美の総てを確かめているかのようだ。
 将臣の背中にしがみついて、痛みに何とか耐えきる。
「…大丈夫だ、もう…」
 完全に将臣の圧迫を納めたときには、熱い涙がこぼれ落ちた。
 だが嬉しくてしょうがない。繋がった痛みも、愛の勲章のように思えてならなかった。
 将臣は望美を抱き締めながら、ゆっくりと動き始めた。
 腰が動く度に、痛いという感覚が麻痺してくる。代わりに切ないぐらいの熱さと快楽が、望美の神経を、細胞を侵し始めた。
「あっ、あっ、んっ!」
「…望美…。お前は最高だぜ…。マジで最高の相性かもな…。躰も…」
「ああっ!」
息を乱しながら、将臣がリズミカルに腰を揺らして来る。
 やがて横の揺れから、激しい突き上げになり、先程感じたよりも更に激しい熱を、望美は感じずにはいられなかった。
 目を閉じても、何をしても、視界は激しく揺れる。
 肌は明らかに粟だち、繋がっている感覚以外は、総てが静かになる。
 追い詰められる。
 熱くて幸せな感覚に。
 お互いに理性なんてかけらもなかった。
「…あっ、ああっ…!」
 波がやってくる。
 それらに総てを預けるように、望美はしがみつく。
 そこから先は、意識を手放してしまうしかなかった。





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